サード・シーズンに突入した『ARROW/アロー』では、新キャラクターが参戦するほか、主要メンバーの死亡、強すぎる敵の出現等、より濃密で激しい物語となった。そして、アローは、自他ともに認める“真のヒーロー”としての活動が今シーズから始まる。問題は多いが、仲間も増え、“チーム・アロー”はますます絶好調。その見どころを探る。(文:安保有希子)
遭難事故から5年、奇跡の生還を遂げたオリバーの真の姿は、緑のフードで顔を隠し、人知れず悪と闘う“アロー”であった。当初、彼は悪人の命を奪ってきたが、親友トミーの死をきっかけに、誰も殺めない真のヒーローを目指すように。だが、母親モイラを殺され、妹テアが誘拐されるなど、精神的に辛いことも多かった。そんなときに支えてくれたのが、サラとロイが加わった新生“チーム・アロー”。そして、サード・シーズンでは、ローレルとランスがチームを支援することを表明。チームの戦力はアップするはずだった。だが、突然の悲劇が。なんと、サラが何者かによって殺害されてしまったのだ…。
今シーズンの見どころのひとつは、サラの死を巡る動きだ。真犯人を探すのはもちろんだが、死んだ事実を父親のランスに告げるべきか否か、ローレルやオリバーは苦悩することとなる。そして、今シーズンの軸のひとつとなるのが、『バッドマン ビギンズ』『ダークナイト ライジング』にも登場した、“あの”最強の悪役の登場だ。仲間が増えたとはいえ、それ以上に“あの”悪役は強く、チーム・アローの面々は翻弄される。それに伴って、アクションは派手になるので、ここは純粋に「さすが、アメリカドラマ」と、楽しんでほしい。ほかにも、徐々に明らかになるオリバーの過去、『THE FLASH/フラッシュ』とのクロスオーバーエピソードなど、盛りだくさんの内容。最後の最後まで目が離せない!
毎回、さまざまなゲストスターが出演し、楽しませてくれる『ARROW/アロー』シリーズ。今回、なんといっても注目は、日本人女優・福島リラだ。彼女が演じる、アメコミスーパーヒロインの一人"カタナ(ヤマシロ・タツ)"役は、当初、デヴォン青木が演じる予定だったが、リラへとバトンタッチ。170センチ弱の身長を生かした日本刀さばきは見事のひとこと。原作ではオリバーに多大な影響を与える人物として知られているが…。また、リラは本作の撮影模様を自身のインスタグラムに投稿しているので、舞台裏をのぞきたい人は要チェックだ。
福島リラ以外にも、『スーパーマン リターンズ』でスーパーマンを演じたブランドン・ラウスはスーパーヒーローで白色矮星の力を利用して、原子の大きさまで体を縮小する能力を持つ“アトム(レイ・パーマー)”役、『リディック:ギャラクシー・バトル』のマット・ネイブルが悪役(ヴィラン)の一人で最強ともいわれる“ラーズ・アル・グール”役、ほかには『プリズン・ブレイク』のピーター・ストーメアなど、様々な豪華キャストが出演する。また、絶対に外せないのが『THE FLASH/フラッシュ』とのクロスオーバーで登場する、世界最速の男 “フラッシュ(バリー・アレン)”役のグラント・ガスティンだ。彼がイケメンなのはもちろんだが、アローとフラッシュの会話はかなり面白いので要チェック。また、フラッシュ自身は初登場ではないが、本格的という意味では、今シーズンでのクロスオーバーエピソードが初となり、フラッシュの良さが存分に味わる。アローでの物語が後編のため(前編は『THE FLASH』内にて放送)、ちょっとわかりづらい部分もあるが、フラッシュの明るさと得意技が存分に発揮された、とにかく楽しい回となっている。