秋の夜長は、海外ドラマを鑑賞するにはピッタリの季節。しかし、普通の作品ではちょっとつまらない。そんな人は、アクション“プラス・アルファ”の作品がオススメだ。もちろん、アクションドラマとして見ても面白いが、そこに“プラス・アルファ”されることで、物語はぐっと厚みを増し、ハマる確率も倍増! まずは、今回紹介する3作品から始めてみてはいかがだろうか。(文:安保有希子)
高度な科学力を持つエイリアン=ヴォータンの宇宙船が地球に到着してから33年後の2067年。地球ではヴォータンと地球人が共存する開拓地“ディファイアンス”を舞台に、地球人で元兵士のノーラン、不思議な力を持つヴォータンの1人イリサなど個性的な面々を揃え、映画顔負けの映像でアクションや人間模様を描く。シーズン2では、新キャラクターが加わり、難題も頻発。そして、地球に起ころうとしている未曾有の危機とは?
シーズン1では、かつてセントルイスがあった場所に造られた“ディファイアンス”を舞台に、権力を巡る駆け引きや抗争、地球に攻めてきた凶悪エイリアンとの死闘などが、迫力たっぷりに描かれてきた。シーズン2は、ディファイアンス市長に選ばれたヴォータンのデイタクが起こした事件により、地球共和国がディファイアンスを支配するようになって9ヵ月後からスタートする。ノーランは、自分の前から姿を消した義理の娘イリサを探してロサンゼルスへ。無事に発見したものの、イリサは自分の中に存在する“恐ろしくて危険なもの”を感じるようになっていた―。このイリサの変化を1つの軸として、デイタクとスターマ夫妻の対立、共和国に対する民衆の不満、ノーランの恋愛事情など、複雑な人間模様と、彼らの過去が丁寧につづられていく。もちろん、SFらしい壮大なスケールは健在。未来の地球から一瞬たりとも目が離せない!
シーズン2から参戦する、新キャラクターの1人がレイフの妻ピラーだ。彼女は強盗に襲われて死亡したと思われていたが、実は生きていたのである。それを知った娘のクリスティは動揺するものの、感動の再会。しかし、今やクリスティはデイタク夫妻のター家と暮らす“娘”であり、お腹にはター家の跡取り息子との子どもが…。そんな中でも、ピラーは権力に屈せず、ときには声を荒げ、かなりの強者。そんなピラーを演じるのが、『ターミネーター』で最強の女戦士サラ・コナーにふんしたリンダ・ハミルトン。そう、誰もが納得の強さを誇るわけだ。このター家とピラーのバトル、要チェックだ。
市警殺人課の刑事ニックは、ある日、おばのマリーから自分が童話で知られるグリムの末裔であり、人間の姿を借り、人間のように暮らしているモンスターを狩ることが使命だと聞かされる。グリム童話をベースに、アクションと謎解きが見事に融合し、シーズンを重ねるごとに戦いが激しくなる。シーズン3では驚きの出来事がニックの身に降りかかってしまうが…新生“チーム・グリム”はどうなる?
これまで、ニックは狼型モンスターのモンローと共に、モンスター絡みの事件を解決。そこにキツネ型モンスターのロザリーが加わり、さらに、刑事課の相棒ハンクと恋人のジュリエットが真実を知り、5人でモンスターに対峙していくことに。だが、シーズン2のラストで、ニックが人間を仮死状態にしたあと、ゾンビ化させてしまう毒にやられてしまったため、シーズン3の幕開けは大混乱状態。その際に起こった悲劇と毒の副作用が、後々、ニックを悩ませ続けることとなる。また、メイン街道から外れていた魔女型モンスターのアダリンドが、王家の血を引く子どもを身ごもっていることを武器に、腹黒さたっぷりに復活。見事に物語を引っ掻き回し、スリリングにしてくれている。シーズンのラストでも驚きの展開が待ち受ける、まさに最初から最後までくぎづけの面白さなのだ。
ニックの親友でもあり、ニックと人気を二分するモンロー。だが、彼の過去はさほど語られてこなかった。しかし、ここにきて、モンローの両親が登場!しかも、このモンローの父親パートが、意外と頭が堅いのである。ある意味、昔気質な父親を演じているのが、『ツイン・ピークス』のハンク・ジェニングス役や、『キャプテン・フィリップス』のジョン・クローナン役で知られるクリス・マルケイ。良い人から悪役まで、幅広いキャラクターを演じ分けるベテランのさすがの表現力に注目してもらいたい。
『ボーン・アイデンティティー』シリーズ3部作を手がけたダグ・リーマンが製作する、CIAの美人スパイ、アニー・ウォーカーの活躍を描いたスパイ・アクションも、遂にファイナル・シーズンに。これまでの総決算とでも言うべく、いつも以上に展開はスリリングとなり、アニーの前に立ちはだかる難題も一筋縄ではいかない。それに伴って、アクションも派手に! はたして、どのような結末を迎えるのか?
前シーズン、CIAへの恨みを募らせる元機密部長のヘンリー・ウィルコックスとの決着を遂につけたアニー。だが、ようやく結ばれた恋人のオーギーにすら何も告げることなく、突然、姿を消してしまった。それから4ヵ月、いきなりアニーがCIA戻ってきたところからファイナルシーズンは幕を開ける。驚くと同時に、彼女に対して疑惑を抱いてしまうCIAの面々。そんなとき、かつての敵カリドがシカゴに入ったとの情報が。それは、とてつもない事件の始まりに過ぎず、別れを告げたオーギーを危険にさらすことも…。だが、消息不明の一件以来、アニーに対して不信を募らせるオーギー。一方のアニーは、これまで以上に仕事に没頭していく。そこまでして、アニーは何を隠しているのか。そして、いつもよりクリフハンガーで終わることが多くなるエピソード。見始めたら、イッキ観覚悟の面白さだ。
美人スパイ、アニー。当然、男たちは放っておかない。セキュリティ会社のトップ=ライアン・マクウェイドも、もちろんそんな1人だ。アニーと一緒に陰謀に立ち向かい、情報ツウのキレ者で頭も良くCIA工作員にも劣らない能力を持つライアン。しかも、セクシーで男性としての魅力にあふれているライアンに対し、最初は信頼していなかったアニーも、徐々に打ち解けていき…。そんなライアンを演じるのが、『ボディ・オブ・プルーフ 死体の証言』のニコラス・ビショップだ。彼は『メンタリスト』のイケメン俳優サイモン・ベイカーにそっくりと評判で、イケメン&セクシーぶりは問題なし! オーギーと並ぶ、目の保養にどうぞ。