カリスマ殺人犯と元FBI捜査官の死闘から1年、ジョー・キャロルのマスクを被った無差別殺人事件が起こる。そう、あの死闘が再現されるわけだ。そこに加わるのが、サイコパス兄弟、カルト教団、金持ちの画商など、謎多き人物たち。はたして、『ザ・フォロイング』のセカンド・シーズンはどうなるのか。注目ポイントを探った。(文:安保有希子)
14人の女子大生を殺害した連続殺人犯ジョー・キャロルと、元FBI捜査官ライアン・ハーディとの死闘は灯台へと舞台を移し、キャロルの死亡で幕を閉じた。これでライアンと、キャロルの元妻クレアは、ほっと胸をなでおろせるはずだった。だが、キャロルのフォロワーがライアンの自宅にナイフを持って忍び込み、ライアンは重症、クレアは亡くなってしまう。そんな衝撃的な結末で終了したファースト・シーズン。あれから1年、ライアンは心身ともに平穏を取り戻し、大学で教鞭を取るまでとなっていた。そんなとき、キャロルのマスクを被った3人組が、次々と地下鉄の乗客を刺し殺す無差別殺人事件が発生する――。
まず、セカンド・シーズンで強烈なインパクトを与えるのが”マスク”だろう。前シーズンではエドガー・アラン・ポーのマスクを用いていたが、なんと今シーズンでは、ジョー・キャロルのマスクを使っているのだ。事件を、キャロルを忘れていたころに、キャロルのマスクを被った者による無差別殺人が起こるのだから、これほど恐ろしいことはない。もう1つのインパクトが、キャロルの右腕エマの変貌ぶり。身をひそめる必要があるとはいえ、髪を染めて顔ピアスと、パンクガールのエマにビックリ! とはいえ、中身はもちろんエマのまま。キャロルの情報が増えるとともに、表舞台へと戻ってくる。そして、前シーズンからの主要キャラ以外に、別のカルト教団、サイコパス兄弟等、怪しい人物が続々と登場し、セカンド・シーズンはより一層の厚みを増している。もちろん、面白さも倍増だ。
殺人への罪悪感ゼロ、正真正銘のサイコパス兄弟ルークとマーク。双子だけあって、顔はそっくりで見分けづらいが、ルークが死体嗜好症、マークが他人接触恐怖症を持ち、狂気度はルークのほうが上で、マークは物静か。近寄らないほうがいい恐ろしい人物だが、イケメンゆえ、女性が自然と寄ってくる。もちろん、キャロルの崇拝者。1人2役でルークとマークを演じるサム・アンダーウッドは『デクスター』『HOMELAND』と悪役続き! まさに今回はハマリ役。
ニューヨーク市警の情報分析課に勤務する刑事。ライアンの姪だけあって、頭脳明晰で行動力も抜群。窮地に立たされても、ちょっとした好機を見逃さず、ライアンのピンチには駆けつける。ライアンの支えとなっているのは間違いないだろう。一方、ライアンが信頼するFBIエージェントのマイクとは、徐々に互いの存在を意識し始めるが、その先は? マックス役のジェシカ・ストループの代表作『90210 新ビバリーヒルズ青春白書』でのシルバー役同様、勝ち気な部分がそっくり!?
カルト教団コーバンの教祖であるマイカ。彼の願いはただひとつ、有名になること。もちろん、正しいことをして名を馳せるのではなく、著名人を殺すなり、大量殺人を犯すなりして、有名になることを望んでいた。それゆえ、キャロルからアドバイスを受け、自身についての本を執筆してもらおうと、キャロルに近づくのだが…。演じるのは、『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』で理想の夫ジョー・デュボアにふんしていたジェイク・ウェバー。うちに秘めた狂気が怖い。
今回、<ファースト&セカンド・シーズン>ブルーレイボックス、<セカンド・シーズン>ブルーレイ&DVDコンプリート・ボックスに特典として収録されている、米サンディエゴで開催された「コミコン」映像。『ザ・フォロイング』ライアン役のケヴィン・ベーコン、マイク役のショーン・アシュモアとキャロル役のジェームズ・ピュアフォイが、記者やファンの目の前で、ドラマさながらの寸劇を始めるなど貴重な映像の一部を特別にご紹介。