70年以上の歴史を持つ、コミックシリーズの世界をベースに制作された『GOTHAM/ゴッサム』。主人公は、のちにバットマン=ブルース・ウェインの盟友となる、ゴッサム市警のジェームズ・ゴードン刑事。愚直で真面目すぎるゴードンが、悪と不正の街“ゴッサム・シティ”で起こる凶悪事件を解決していくかたわら、人気キャラの誕生秘話などが明らかとなる。『バットマン』シリーズのファンでなくとも、必見の面白さだ。(文:安保有希子)
セカンド・シーズンの制作が早々に決まった『GOTHAM/ゴッサム』は、世界中で大ヒットを記録した映画『ダークナイト』の舞台となったゴッサム・シティで巻き起こる凶悪事件に、若き日のジェームズ・ゴードン刑事が立ち向かう、本格クライム・アクションだ。つまり、描かれているのは、伝説のヒーローの前日譚となる。物語は、基本的にひとつの凶悪事件が発生し、ゴードン刑事と相棒のハービー・ブロック刑事が解き明かしてゆく1話完結スタイルではあるが、ウェイン夫婦殺害事件の真相究明やマフィア間の抗争、ゴードン&ブロックと重大犯罪課との確執、ゴードンの恋人バーバラ・キーンの過去など、伏線が多いのも本シリーズの特徴である。ゆえに、凶悪事件が解決しても、続きが気になってしょうがない作品なのだ。
また、前日譚だけに、『ダークナイト』でクリスチャン・ベイルが演じたブルース・ウェインは、14歳の名子役デヴィッド・マズーズが演じているだけあって、まだ心の傷が癒えず、発言力も持たない子どもで、のちにウェインの理解者となる、ゲイリー・オールドマンが扮していたジェームズ・ゴードンは、『The OC』で人気を博したベン・マッケンジーにバトンタッチし、権力や不正に立ち向かう、熱き青年として描かれている。
ほかにも、セリーナ・“キャット”・カイル、オズワルド・“ペンギン”・コブルポット、エドワード・ニグマなど、人気ヴィランも多数登場するが、まだ悪役として覚醒はしておらず、その誕生秘話が明らかに。このような悪役として頭角を現してしていく“悪役成功物語”はなかなかないため、興味深いストーリーとして楽しめるだろう。そして、なんといっても、ブルースとゴードン刑事の出会いを筆頭に、ベールに包まれていた数々の伝説が明らかにされていく。『バットマン』シリーズを知っていれば、より楽しいのはもちろんだが、前日譚だけに、シリーズ未見でも本格クライム・アクションとして面白い。必見の作品だ。
2015年6月11日、『GOTHAM/ゴッサム』緊急来日記者会が開かれ、主要キャストを務めるベン・マッケンジー、ショーン・パートウィー、ロビン・ロード・テイラー、コーリー・マイケル・スミスらが出席。京都観光や日本食三昧を興奮気味に語ってくれ、日本愛にあふれた会見となった。
ダークヒーロー誕生前のゴッサム・シティを舞台に描く話題の海外ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』。主演のジェームズ・ゴードン刑事を演じているベン・マッケンジーが来日し、主演のオファーが来た時の様子や作品について語ってくれた。
ゴッサム市警殺人捜査課・科学捜査官エドワード・ニグマ役を務めるコリー・マイケル・スミスと、将来バッドマンとなるであろうブルース少年が暮らすウェイン家の執事アルフレッド・ペニーワース役を務めるショーン・パートウィーが来日。役を演じる上での心境や大絶賛する豪華なセットについて話を聞いた。
“ペンギン”を務めるロビン・ロード・テイラーが初来日し、「長年、日本に来るのが夢だったんだ!」と大興奮で語る日本愛についてや役作りについて語ってくれた。