関西の男子高校生2人が、河原でひたすら「無駄話」をする“脱力系”放課後青春映画『セトウツミ』。学ラン姿の池松壮亮&菅田将暉が独特の間合いで繰り広げる会話劇を、『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣監督がメガホンを取る。クスっと笑って、なんだかじんわり胸を打つ、不思議な世界観にしばし酔いしれよう。(文:坂田正樹)
塾通いのインテリメガネ・内海(池松)と元サッカー部のお調子者・瀬戸(菅田)。性格も好みも真逆だが、なぜか喋り出すと止まらない。そんな付かず離れずの2人を校内一の人気女子・樫村(中条あやみ)は、影ながら見守っていた…。
原作は、別冊少年チャンピオンにて連載中の同名人気漫画。ケンカも部活も壁ドンもない、未熟な高校生コンビが、ただ「喋る」だけの青春。でも、そんなありふれた日常にはいとおしいこと、面白いことがいっぱい詰まっていた。ここにかつてない新しい青春映画が誕生!
塾通いが面倒臭い頭でっかちのメガネ男子。友達付き合いはほとんどないが、なぜかお調子者の瀬戸には心を開く。
ヤンキーの先輩に脅える元サッカー部の天然男子。樫村への思いを内海に告白するが、なぜか歯切れが今ひとつ。
由緒あるお寺の長女で校内一の美貌を持つ人気女子。クールな瀬戸に思いを寄せるが、なぜか冷たくあしらわれる。
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池松壮亮と菅田将暉のダブル主演を務める映画『セトウツミ』。特報がネット上で公開されると、2人が繰り広げるシュールな会話は多くの反響を呼んだ。小宇宙のような世界観、観れば必ず引き込まれてしまうような作品の魅力を若手実力派俳優たちに語りつくしてもらった。(取材・文・写真:磯部正和)
池松:現場の共通言語として「漫才やコントにしない」というのはありましたね。でも作っている側はさじ加減が分からないので「もうちょっとやった方がいいのかな」とか考えながらやっていましたね。
菅田:僕の第一声が「このポテトながない?」ってセリフなんですが、原作にもあるシーンですし、ポテトが長いことも散々見ているし、ニュアンスが分からなくなってくるんです。コントや漫才ならボケと突っ込みがあると思いますが、あくまで会話なので「普通にポテトが長いな~」って思ったから「ながない?」って聞くだけなんだけれど、いつの間にか煮詰まって分からなくなってきちゃうんですよね(笑)。
池松:あの二人のムードに持っていくまでの感じですかね。ああやって無駄話をする前には、学校に通っていて、何もない地続きの日常があるんですよね。その中で、あの場面に収まっている感じを出すのは難しいですね。あとは関西弁がしゃべれないので(池松は福岡出身)……。
菅田:そもそも二人でしゃべるだけの映画って難解なんじゃないかなって思いはあったんです。原作の完成度の高さってシニカルな関西弁の会話劇なのですが、漫画ってそもそも好きなスピードで自分のペースで読めるのですが、映画は長回しで引きで撮ったりなので、そういうところは(見ている人に)届くのかなという部分はありました。
菅田:もっとしゃべらない人だと思っていたのですが、プライベートの方がちょっとテンションが高いですね(笑)。とてもフレンドリーだし、生まれながらのボケタイプ。僕も友達同士でいるとボケる方なのですが、池松くんに関しては突っ込まないといられない感じです。
池松:僕はかまってちゃんなんですよ。それなのに菅田君は優しい。ボケたらすぐに返してくれるんです。しゃべっていても面白いし、突然関西弁で話しかけても、しっかり返してくれる。リズムが合うんです。
菅田:アンテナをいつもビンビンに張っていて色々なところを見ているんです。この作品でもセリフで使われていますが、最初に佇んでいるおじさんを見て「手がながない?」って言い出すんですよ。良く見ると確かに長いんですね。そういうところとか……。でももしかすると、それで楽しいのって僕たちだけかもしれませんけどね。
菅田:やっぱり出会いのシーンです。座って音楽を聞いている内海(池松)に対して「お前誰やねん」って言うわけですよ。それに対して「割とこっちのセリフでもあるぞ」って返し。その瞬間、瀬戸(菅田)は内海のことが好きになりますよね。
池松:あの返しは天才だね。
菅田:あれは本当にすごい。東京中探しても「お前誰やねん」って聞いて、ああいう答えを返す人っていますかね。変に拒否するわけでもなく、肯定するのでもなく……。「お前誰やねん」と同じ角度で返すというか。
池松:僕は寝ることですね。無になること。時間が経っていることすら分からなくなるぐらいに。
菅田:お笑い見ることです。「ルミネtheよしもと」とか行ったり、DVDやスマホで動画みたりして過ごします。極上です。
池松:マンガを読んでこないでほしいですね。『セトウツミ』は強いんです、強敵なんです。色々なものが詰まっていて、今っぽくて……映画は何を売りにしたらいいんでしょうね。
菅田:月日とか、二人があそこにいる時間みたいなものは、人がやった方が実感できる気はしますけれどね……。
池松:何かオプション付けないとダメですかね。
菅田:3回鑑賞したら「池松壮亮、ひざまくら会」ご招待とか(笑)。
池松:勝てるかな……。
池松:それはお客さんの入り次第ですね。題材はいっぱいありますからね。
『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『まほろ駅前多田便利軒』など、社会の枠組みからはじき出された若者の姿を独自の視点で描き出してきた大森立嗣監督。今回、池松壮亮&菅田将暉という希有な「素材」を得て、さえない高校生コンビの「全力の無駄話」に挑む。果たしてそこから何が見えてくるのだろうか?(取材・文・写真:坂田正樹)
今回は、プロデューサーの宮崎(大)さんから依頼されて、その時点で池松(壮亮)くんと菅田(将暉)くんは決まっていました。お話を受けて漫画を読んでみたら、これがまた面白くて、「この2人で映画化するのなら、ぜひやってみたい」と思い、お引き受けしました。
とくに内容が面白ければ抵抗はないですね。ただ、今回(漫画の映画化は)初めてだったので、漫画に引っ張られそうになりました。「絵」に持っていかれると、映画として失敗するなと思いましたね。だからいつものように現場を見て、映画のカット割りを自分でちゃんと考えようと切り替えました。
ほとんどのシーンが会話劇ですが、「間合い」に関しては、池松くんと菅田くんの2人が考えて作らないとイキイキとしたものにならないので、演出する側としては、2人がリラックスして、お互いがコミュニケーションをとれる環境を作るだけ。あとは、「自分たちで一度やってみろ」と。ただ、「漫才じゃなくて芝居をしろ」とだけ言いましたね。演技しやすい環境を作るのが僕らの仕事だと思っています。
芝居の部分に関しては、いつもそんな感じですね。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』を撮ってから6年経っていて、こっちは年を取る一方で、役者はその都度、若い子が出てくる。すると、どんどん年が離れていくので、僕が偉そうにしていると、環境的によくないですよね。だから、役者もスタッフも緊張させず、自由に発言できる場にしたいなと思っています。でないと、映画自体が萎縮したものになってしまいますからね。
池松くんは、笑うとチャーミングだし、俳優としてもうまいですが、とにかく映画づくりが好きなんだなと思いましたね。スタッフとも頻繁にコミュニケーションをとっていました。今回は、関西弁に相当苦労していたようですが(池松は福岡県出身、菅田は大阪府出身)。舞台裏では、意外かもしれませんが、菅田くんより池松くんの方がおしゃべりですね。
菅田くんは、若いけれど、わかりやすいカッコつけとかは一切しないし、カッコ悪いわけでもないし、二枚目も三枚目も平気でやり切る。つかみどころが難しい人だから、観る側はどんどん興味が沸いてくるんでしょうね。あと、動きが独特で面白い。
とにかく池松くんと菅田くんの芝居ですね。階段に座って会話する2人の「生命力」みたいなもの。彼らがちっちゃい悩みを抱えながら、これからどうやって外の世界で生きていくんだろうか…そんな視点で観ていただけるとうれしいですね。
1970年東京生まれ。父は舞踏家・俳優の麿赤児、弟は俳優の大森南朋。2005年、『ゲルマニウムの夜』で長編監督デビュー。同作で高い評価を受け、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)では日本映画監督協会新人賞を受賞、続く『さよなら渓谷』(13)では第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞ほか多数の映画賞を受賞した。主な作品に『まほろ駅前多田便利軒』(11)『ぼっちゃん』(13)などがある。