観客動員200万人突破!100年先も伝えたい、珠玉のアニメーション『この世界の片隅に』9月15日(金)
Blu‐ray&DVD発売

すずは広島・呉にお嫁にやって来た18歳。 ユーモラスな人柄に、一瞬で魅了される。配給物資が減っていく環境の中、工夫を凝らし食卓を賑わせ、時には好きな絵を描くなど、日々の “当たり前”の生活を楽しみながら、健気に生きている。家族と笑顔を育んでいく姿はなんら今の私たちと変わりなく、すずが身近に感じられるだけでなく、自らの一部のようにさえ思えてくる。戦争によって苦しい生活を強いられながらも“今”と変わらない“幸せ”の形を求めるすずの姿に胸が熱くなるはずだ。

こうの史代の同名漫画に惚れ込んだ片渕須直監督が、6年もの歳月を費やして完成させた本作。 時代・場所については、資料と地図を使って徹底的に調査。注目は、冒頭に登場する中島本町。監督が幾度となく現地に赴き、リアリティある姿を追求した。当時、中島本町に住んでいた方への聞き取りも敢行。貴重な記憶を頼りに、人々のなかに今も生きている町の姿を浮かび上がらせた。ざわめき、足音、澄んだ空気の匂い…。ぜひ五感を働かせて、ぬくもりあふれる街並みを堪能してみては。

すずを演じるのは、女優・のん。やさしく、やわらかく、親しみを感じさせるすずに、見事に生命を吹き込んだ。片渕監督も「のんさん以外のすずさんは考えられない」と太鼓判を押すほど。少しぼーっとしたところのある、健気なすずは、彼女のイメージともぴったり!ドジをして「あちゃー」と顔をくしゃっとさせる様もかわいらしく、戦争への怒りをにじませる場面では圧巻の演技力を見せるなど、のんとすずが奇跡の出会いを果たした1作と言えよう。

ピュアな透明感で、幅広い世代から人気を得ている女優・のん。『この世界の片隅に』では、ヒロイン・すずとしてアニメ映画初主演を果たした。そこでのんにインタビューを敢行。新たなチャレンジについて話を聞いてみると、すずへの愛情や本作と出会えた喜びがあふれ出した。

絶対に自分がやりたい!

――「出演が決定した」とお聞きになったときの気持ちを教えてください。

のん:この作品のオーディションのお話をいただいたとき、原作とパイロット版を見て“絶対に自分がやりたい!”と思いました。出演が決まったときは、とても嬉しかったです。

――すずさんというキャラクターを作り上げていく上で、大事にされたのはどんなことですか?

のん:監督から“すずさんの魅力はお茶目でユーモアがあるところだから、そこを大事にしてほしい”と言われていたので、おとぼけな面白いシーンはチャーミングに見えるように頑張りました。そういう一面とは逆に、終戦の日にすごく怒りをあらわにするシーンがあるんですが、すずさんはこんなに怒りを抱えていたのかとびっくりしたんです。すずさんは、やわらかく穏やかに振る舞いながらも、力強い女性だと意識して演じました。

――完成した映画をご覧になって感じたことを教えてください。

のん:試写会の時、隣の席がこうの史代先生だったので、とても緊張しました。視界の端に見えるこうの先生の動きがとても気になってしまって。こうの先生が座り直したりちょっと動いたりするだけで、“今のシーンはこうすればよかったかな”“ダメだったかな”って(笑)。最初はこうの先生や監督たちの後ろの席だったんですけど、真木(太郎)プロデューサーが“のんちゃん、こっちのほうがいいんじゃないの?”って言うから…(笑)。でも、こうの先生から“原作よりも明るいすずさん!素敵になりました”と言っていただけたので、ほっとしました。

すごい作品に出会わせていただいた

――アニメーション映画の“初主演”を務めて、ご苦労されたことがあれば教えてください。

のん:お芝居に関しては、声だけで表現しなければいけないのですごく難しかったです。実写だと、身体を動かしたりその時々に作られるテンポや間によって動くので、声だけのときに比べてナチュラルにセリフが出やすい気がします。ただ私は、他のキャストのみなさんが先に入れてくれた声を聞きながら、“こうやって表現するんだな”とか“息の音はこういうふうに入れるんだな”と勉強しながら演じることができました。


――声優さんのすごみを感じられる現場だったのですね。

のん:キャストの中で一番最初に声を入れている細谷佳正さん(周作役)は、すずさんの声を私がやるということすら知らされていない状態で収録されて大変だったと聞きました。それなのに、あんなに素敵に演じられるということに感動しました。私は周作さんの声を聞きながら収録出来て、本当にありがたかったです。

――公開初日からの累計動員数が200万人を突破し、世界各地での上映も予定されるほどのヒット作となりました。本作は、ご自身にとってどのような作品となりましたか。

のん:これからも役者をやっていく上で、とても特別な作品に出会えたと思っています。一生残っていく作品です。作品自体の素晴らしさはもちろん、“たくさんの人に観てもらいたい!”という熱量や気持ちが作り手側と観てくださる方と同じくらい力強かったです。監督の映画館行脚や観てくださった方達がSNSで書いてくださったりして盛り上がっていった作品だったので、そこが本当に素晴らしかったですよね。


1993年7月13日生まれ、兵庫県出身。『この世界の片隅に』でアニメーション映画初主演を飾る。2017年8月には歌手デビューを発表し、野外音楽フェス「WORLD HAPPINESS 2017」にスペシャルゲストとして出演するなど、ますます活躍の場を広げている。趣味・特技は、ギター、絵を描くこと、洋服作り。

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