2012年にアメリカのTV局NBCで放送された『シカゴ・ファイア』の大ヒットを受け、2014年に『シカゴ P.D.』、2015年に『シカゴ・メッド』と、大都市「シカゴ」を舞台にした物語が次々スタート! これらの作品は、「シカゴ」シリーズと呼ばれ、世界中のファンを魅了し続けている。テレビ界のヒットメーカーで大物プロデューサーのディック・ウルフの手腕が光る、「シカゴ」シリーズ3作品の魅力を探っていこう。
テレビドラマに限らず“スピンオフ”と言われる作品は、脇役だったキャラクターが主人公になるパターンか、前日譚・後日談を描くパターンが多い。つまり、舞台は変わっても大枠のジャンルは一緒というのが基本だ。
しかし、「シカゴ」シリーズは、全く異なる。「シカゴ」という同じ舞台を共有しながら、消防・救急の『ファイア』、警察の『P.D.』、医療の『メッド』と、異なるジャンルで活躍するキャラクターを同一の時間軸で描く。
それゆえ、兄妹や元恋人といった形でそれぞれの作品のキャラクターと繋がりができ、『ファイア』から『メッド』に作品の垣根を超えて転職してくることも。全てのシリーズを見るほど楽しめる仕組みとなっているのだ。
そして、舞台とキャラクターを共有している作品だからできる、同シリーズ最大の魅力が「クロスオーバー・エピソード」だ。各作品が連携して1つの事件を扱うエピソードが、各シーズンに盛り込まれており、これが本当に面白い!
扱う事件のスケールが大きくなって見応えが増すことはもちろん、各作品のメインキャストが協演・共闘する姿を見られるのが何よりも楽しい。また、これまでは『P.D.』から『ファイア』という流れが多かったが、最新シーズンでは『ファイア』から『P.D.』の流れとなり、新たな展開も待っている。これからは『メッド』も加わるので、さらに面白くなること間違いなしだ。
『ER』、『グレイズアナトミー』など、医療ドラマには名作、大ヒット作と呼ばれる作品が多い。それだけに、視聴者の目は肥えており、さらに「シカゴ」シリーズの新作というだけでハードルも上がる。
そんな中、本作はシーズン1の第1話でいきなり視聴者の度肝を抜くことに成功! なんと物語の設定を説明する前に電車の脱線事故が発生してしまうのだ。次々と運び込まれてくる負傷者、不足する病院のスタッフ、かなり緊迫した状況になっていくのだが、その“リアルな現場”に圧倒されて言葉が出ない。そんなインパクトを与えつつ、常に患者の命に向き合いながら、キャラクターの成長や人間関係、ロマンスを丁寧に描いていく。しかも、『シカゴ・ファイア』のジェフ・クラークが医学生としてこちらにお引越し! 「シカゴ」シリーズファンの心も射止めた。
『シカゴ P.D.』の最大の見どころは、シカゴ警察特捜班のボス、ハンク・ボイトだ。彼は事件解決の手段を選ばないため反撃されることも多く、何度も自分や仲間が危険にさらされる。でも、ボイトはどれだけ窮地に立たされても諦めず、絶対に逮捕する。また、悪人や凶悪犯がボイトの逆鱗に触れたら最後、殴られ、蹴られはもちろんのこと、最悪殺されてしまうことも。合法違法は関係なし、シカゴの法律は“俺”なのである。
悪には悪できっちり返す凄まじいダークヒーロー、それがボイトなのだ。そして、ボイトが率いる特捜班のメンバーも、何が起きても犯人逮捕に全力疾走する。そんな彼らに共感し、悪への裁きに爽快感を覚える、ハードボイルドで人間ドラマも面白い、秀逸クライム・サスペンスなのである。
シカゴにある総合病院、シカゴ医療センターの救急外来(ED)を舞台にした『シカゴ・メッド』は、緊迫した医療現場や、命を救うために奮闘する医師や看護師の姿、キャラクターの成長や恋愛模様など、様々なヒット要素が詰まった王道の医療ドラマだ。
しかし、エンタテインメント性に富んだ王道医療ドラマというだけではない。現代の医療現場の問題のみならず、虐待やドラッグ、宗教上の理由による治療拒否など、社会派のテイストも入っており、視聴者が自分ごととして、ドラマの世界に入っていけるような工夫が施されている。
また、『ARROW/アロー』のコリン・ドネル、『パーソン・オブ・インタレスト』のニック・ゲルファス、『GRIMM/グリム 』のブライアン・ティーなど、三者三様のイケメンがレギュラーで登場しているので、こちらも要チェックだ。
『ER』、『グレイズアナトミー』など、医療ドラマには名作、大ヒット作と呼ばれる作品が多い。それだけに、視聴者の目は肥えており、さらに「シカゴ」シリーズの新作というだけでハードルも上がる。
そんな中、本作はシーズン1の第1話でいきなり視聴者の度肝を抜くことに成功! なんと物語の設定を説明する前に電車の脱線事故が発生してしまうのだ。次々と運び込まれてくる負傷者、不足する病院のスタッフ、かなり緊迫した状況になっていくのだが、その“リアルな現場”に圧倒されて言葉が出ない。そんなインパクトを与えつつ、常に患者の命に向き合いながら、キャラクターの成長や人間関係、ロマンスを丁寧に描いていく。しかも、『シカゴ・ファイア』のジェフ・クラークが医学生としてこちらにお引越し! 「シカゴ」シリーズファンの心も射止めた。
シーズン2に入ると、メインキャラクターの背景がさらに掘り下げられていく。個人的には、シーズン1では傲慢さが目立った外科医のコナーが、どんどん変わっていく点と、セクシーな筋肉を有する感染症専門医でチーフレジデントのイーサンに注目してもらいたい。
また、基本は1話完結スタイルだが、数回に渡って出演し、医者はどこまで介入できるのか、警察はどうやったら動けるのかなど、問題提起をする患者も。他にも、驚きの患者がやって来るエピソードや、助けられる命なのに、親が許可を与えなかった、処置を拒否したなどの理由で救えないという社会派エピソードも登場する。そんなときの役者の一瞬の表情は必見! まばたき我慢でお願いしたい。そして、本シーズンでは、『シカゴP.D.』の主要キャラクターがたくさん登場する。どんなエピソードで登場するのかこちらもお楽しみに!