池田純矢映画レビュー

◆ 第2回目のレビュー作品は…

暑い暑いと窓を開け放して蝉の声を聴いていたのが昨日の事のように思いますが、今ではすっかりと冷え込んで、寒い寒いと言いながら鈴虫の声を聴きながら布団に潜る毎日。

秋の夜長は寝つきが悪く、あれやこれやと頭の中で様々な妄想が膨らみます。そんな寂しい夜のお供にはやっぱり映画が寄り添ってくれるのではないでしょうか。

どうも、ご無沙汰しております池田純矢です。

ムビログ!の連載も2回目となりまして、自己紹介は割愛させて頂きます。

このコラムは、僕の独断と偏見と偏愛によってのみ発信される、言うなれば何の生産性も無い映画レビューではありますが、この記事に目を通す暇潰しのような時間からふと、出逢う事がなかったかも知れない素敵な作品と皆様との橋渡し役となれれば嬉しいな、と言うほんの少しの理想を込めてお送り致します。

◆ 池田純矢がオススメする見所は

さて、前回は映画『葛城事件』のスタッフワークの演出効果と言う細かい部分についてお話しましたが、今回はうって変わってメジャータイトルのストレートな見所を。

 第2回レビュー作品 
「22年目の告白-私が殺人犯です-」


22年目の告白-私が殺人犯です-

「はじめまして、私が殺人犯です。」

その男は、突然現れた。華々しくフラッシュを浴びて―。時効が成立し、誰にも捕まえられないその男の、あってはならない殺人の告白が日本中を釘付けにし、狂わせていく!
男の告白に、刑事が、遺族が、メディアが、そして日本中が動き出す!あなたは、その衝撃に裏切られる―。

今年6月に全国公開された入江悠監督の作品で、クランクインビデオ!でも新作ランキングでは1位を獲得していた、いま最も気になる作品のひとつではないでしょうか。

出演キャストは藤原竜也さん、伊藤英明さんを始めそうそうたるメンバーが集まり、韓国映画『殺人の告白』を土台にリメイクされた本作は、本編117分間一度も緩む事なく常に手に汗握り、胸は高鳴り、じっとりと興奮し続ける王道サスペンスクライムストーリー。

時効を迎えた22年前の連続殺人事件の犯人を名乗る男、曽根崎雅人(藤原竜也)は自らの殺人を告白本に記し、派手なパフォーマンスで日本中を巻き込み一躍時の人となる。しかし、これはまた新たな事件の始まりでもあった。

◆ どこをとっても一級品。その中でも脚本に注目

この作品の見所をあげようと思うと、とても数千字では足りそうにないほど魅力に溢れている。ショッキングな設定、役者陣の迫力や、大掛かりなアクションシーン、美術や編集の美麗さなど、どこをとっても一級品である。

中でもやはり脚本には驚きを隠せない。針の穴を通すような正確さで、序盤から少しずつ、しかしハッキリと種を植えるように伏線が散りばめられていく。そして終盤に向かい一気に花開くよう緻密に練り上げられ、かつ小難しくせずに万人に伝わるよう書かれたストーリーは、間違いなく観るものに驚きと興奮を与えてくれる。

そして、やはり入江悠監督の手腕には唸らざるを得ない。

◆ 入江監督が日本を代表する監督になる日も近い

入江監督と言えば、『SRサイタマノラッパー』シリーズや、『日々ロック』『ジョーカーゲーム』など、革新的な手法で、見た事のないような実験的なカット割りや、熱と勢いで呑み込んでくるような、どちらかと言えばフレッシュでロックな作品イメージが強かった。

しかし本作は、演出やカット割り、編集や音楽に至るまで恐ろしい程に王道中の王道の選択の連続。誰もが待ってました!と思ってしまうほどに突き詰められたメジャー感にはまるでハリウッド映画を観ているような感覚にさせてくれる。ショッキングな作品ではあるものの、どこかお茶の間で家族でも観れてしまうのではないかとさえ感じるこの作品は、今までの入江悠監督とは真逆の、しかし確実に入江悠監督の魅力に溢れた作品だ。今後、日本映画界を代表する映画監督になる日も近いのかも知れない。

…と、私ごときが何を偉そうに、と思われてしまうかも知れませんが、それでもこの衝撃を伝えたい!と思い書かせて頂きました。入江悠監督のこれからの作品にもぜひ注目していきたいですね。まだまだ寒さが続きますので、お身体には充分お気を付け下さい。そして夜長とは言っても夜更かしはほどほどに。それでは、また次回まで。

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  • 『22年目の告白-私が殺人犯です-』

    制作年:2017年/本編時間:117分
    HD(高画質):500円(税別)/48時間
    SD(標準画質):400円(税別)/48時間
  • 関連作品

    『殺人の告白』

    制作年:2012年/本編時間:119分
    SD(標準画質):300円(税別)/48時間

池田純矢プロフィール

2006年JUNONスーパーボーイコンテストで史上最年少準グランプリを獲得し、ドラマ『わたしたちの教科書』、映画『DIVE!!』で俳優デビュー。その後『海賊戦隊ゴーカイジャー』や『牙狼〈GARO〉~闇を照らす者~』などで見られるアクションにも定評がある。近年は舞台での活躍も増え、「ミュージカル『薄桜鬼』~藤堂平助篇~」『リチャード3世』等では座長を務めた。また企画・構成・脚本・演出を手掛ける「エン*ゲキ」シリーズを立ち上げ、『エン*ゲキ#01 君との距離は100億光年』を上演。 2017年に第2弾となる『エン*ゲキ#02 スター☆ピープルズ!!』を24歳にして紀伊國屋ホールで上演。 本格的な演出家デビューを飾る。 2018年4月に紀伊國屋ホール、5月に大阪ABCホールにて第3弾『エン*ゲキ#03 ザ・池田屋!』を上演予定。