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櫻井孝宏、『呪術廻戦』夏油傑役を語る 劇場版とテレビシリーズで異なる表現に挑戦

アニメ

「五条の考え方には共感します」

――そのバージョンも見てみたかったです(笑)。セリフについても伺えればと思いますが、原作ファンからすると「猿」が聞けるのが楽しみの一つでもあります。

櫻井:本当ですか(笑)。聞きたいんですね、猿(笑)。

――念願です(笑)。ちなみに櫻井さんの中で、夏油のセリフでもそれ以外でも、印象的だったものはありますか?

櫻井:やはり五条の「愛ほど歪(ゆが)んだ呪いはないよ」ですね。すごい皮肉だなと思いつつ、乙骨と里香の関係性を強く切り取っている気もします。作品全体における、五条の考え方を読み解くヒントにもなるように思います。

――『劇場版 呪術廻戦 0』だけでなく、『呪術廻戦』自体にかかってくる言葉でもありますね。

櫻井:それはあると思います。私自身は「愛」という言葉は照れ臭いというか、その言葉が含む意味合いが重いと思っているので、五条の考え方には共感しますね。

――今回、五条と夏油の対話が見られるのも、本当に楽しみです。

櫻井:緒方恵美さん(乙骨役)と中村悠一さん(五条役)と三人で収録できたのですが「こうやろう」といったやりとりは特になく、スッと入っていくことができました。『劇場版 呪術廻戦 0』以前の五条と夏油の同級生としての関係が独立してあって、二人しか共有できない気持ちもある。そういった流れがしっかりとあるので、やることは自然と決まっていきましたね。

――今回は、原作ファンが歓喜する要素はもちろんのこと、テレビシリーズを見ている方にとっても、伏線が回収されるお話でもあります。細かい部分でいうと、禪院真希が使っていた三節棍(さんせつこん)など…。

櫻井:そうですね。しかし三節棍って、渋い武器ですよね(笑)。

夏油のバトルシーンでいうと、「パンダVS坊さんの闘い」が見られる最初で最後のアニメだと思うので、そこだけでも皆さんに劇場で見ていただきたいです(笑)。やっぱりああいうシーンは、心をくすぐりますよね。パンダの戦闘シーンなんて、普通だったら笑っちゃうじゃないですか。名前も「パンダ」ですし(笑)。でもそれが、ちゃんと成立している。

――パンダの「コイツ体術もいけるクチか‼」というセリフで、夏油の強さが示される重要な場面でもあります。

櫻井:そうそう。カッコいいとすら思っちゃいますよね。それはきっと、作品のリテラシーをわれわれがちゃんと分かっていて、「この作品はこういう世界観なんだ」と理解した上で見ているからなんだと思います。ある種、術にかかっているような状態とも言えますね。

その要因の一つである『呪術廻戦』のディテールへのこだわりは、見る者の心をくすぐりますよね。ジャンプ漫画の文脈もありますし、難読苗字だったりこの作品のためだけに存在している言葉がいっぱいあって、何だろうなと興味を惹(ひ)かれちゃったらもう最後というような“沼感”があります。

――『呪術廻戦』に流れるジャンプイズム、ぜひ幼少期からのジャンプ愛読者である櫻井さんにご意見を伺いたいです。

櫻井:『呪術廻戦』ってジャンプっぽさとジャンプっぽくなさの両方を兼ね備えていると思います。昔はジャンプ、サンデー、マガジンといった少年漫画誌それぞれにはっきり色分けがあって、ジャンプは「友情・努力・勝利」のような熱血のイメージがありました。

『呪術廻戦』はそことはストレートに結び付かないですが、不思議と読んだときに「ジャンプっぽい」と感じたんです。それはきっと、自分が見てきた作品のエッセンスがちょっとずつ含まれており、良い意味でのサンプリングが巧妙に入れ込まれているからな気がします。その上で、“呪い”や“呪術”といったおどろおどろしいものをスタイリッシュかつ素晴らしいデザインで表現されているので、すごくカッコいい作品だと思っています。(取材・文:SYO 写真:松林満美)

 『劇場版 呪術廻戦 0』は全国公開中。

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