『ミックス。』新垣結衣&瑛太インタビュー

ドラマ「リーガルハイ」などを手がけた人気脚本家・古沢良太がオリジナルで書き下ろした映画『ミックス。』。主演には、古沢脚本の『リーガルハイ』でもコミカルなヒロインを務めた新垣結衣と、日本映画界には欠かせない実力派俳優・瑛太が顔をそろえた。これまで数々の作品に出演している二人だが、意外にも今回が初共演。そんな新垣と瑛太が、お互いの印象や、撮影現場でのエピソードなどを語った。

――これまでたくさんの映画やドラマに出演している二人ですが、意外にも初共演なんですよね?

瑛太:ガッキーは過去の作品を観させていただいていて、いつか共演したいなと思っていたので、出演依頼をいただいたときは二つ返事で「出たいです」と言いました。
 

新垣:初めてお会いしたのが、卓球の練習のときだったのですが、まだ始めたばかりであまりうまくできなかったんです。でも指導の先生と「ミックス(混合ダブルス)っぽく打ちあってみよう」という話になったとき、瑛太さんがすごく大きな声で「すごく楽しい! この映画いける気がする」って言ってくださったんです。瑛太さんって静かな印象を持っていたので、驚いたというか、作品に対してすごく熱い方なんだなって感じました。
 

――そんなに熱い入り方だったのですか?

瑛太:この作品はライトなコメディであり、スポコンものでありラブもあるといういろいろな要素が詰まっている作品なのですが、根本はミックスペアとしての信頼関係が大切だと思ったんです。そこの距離感がしっかりしていないと嘘っぽく見えるし、ラストまでひきつけられない。だから自分のなかでは、この作品は元気良く、楽しく純粋に心からガッキーのことを信頼しようと思いで臨みました。チャンスがあればとにかく話しかけましたね。
 

新垣:発信もしてくれましたし、こちらの発信も受け取ろうとしてくれていたので、私も「ちゃんと向き合ってやっていきたい」という気持ちにさせていただけました。とてもありがたかったです。

――お互いの役柄のどんな部分に惹かれましたか?

新垣:(瑛太が演じた)ハギ(萩原久)はすごくやさしい男だなって思いました。(新垣演じる)多満子はしっかり受け止めてくれる人だとわかっているから心が許せて、ハギの前では素直でいられるんだろうなって感じていました。

瑛太:車のなかでの最初の出会いがひどいのですが、その後、卓球場でまた偶然再会するなど二人は運命的なものを感じていたと思います。そのなかで、徐々に多満子が抱えているものを解消してあげたいという気持ちが芽生えていくところは理解できたし、ゆっくりと信頼関係も築ける相手だという思いも強くなっていきました。あとはガッキーが演じているということが最大の魅力です!(笑)。

――新垣さんは古沢さんの作品には以前にも出演されていますが、どんなところに魅力を感じていますか?

新垣:たくさんありますね。演じていても、出来上がった作品を観ても爽快感があるんです。キャラクターは割と癖がある人が多いのですが、自分たちが蓋をして心の奥底にしまっておきたいような感情を吐き出してくれたりするので、スッキリするんです。それでいて停滞しているわけではなく前に進む力もある。今回は初めてラブストーリーというジャンルで出演しましたが、ラブとミックスのペアという側面のバランスが絶妙で、照れくさくない素敵な関係になったと思います。その化学反応も古沢脚本ならではだなと思いました。

――そんな魅力的な脚本のなか、アドリブもいいスパイスになっていたようですね。

瑛太:アドリブというと新しいセリフを付け加えているみたいな印象を持つかもしれませんが、どちらかというとセリフよりも、そのとき感じた衝動的な行動を付け加えるみたいなニュアンスなんです。多満子と萩原の関係で僕なりに感じた気持ちが、動きを通してお客さんにわかりやすく伝わるといいなという思いだったんです。本番で急にやったら、ガッキーがどんな顔するのかなという楽しみもありました。

――現場はかなり和気あいあいとした雰囲気だったようですが、印象に残っている共演者はいましたか?

新垣:本当に個性的な人たちが多かったのですが、やっぱりエスメラルダを演じた生瀬(勝久)さんですかね。過去にも何度かご一緒させていただいているのですが、登場シーンがほぼ一瞬にもかかわらず、あれだけのインパクトを残せるのはすごいです。私はひたすら生瀬さんのお芝居についていくことだけ考えていました。エスメラルダの勢いに負けないようにしようという戦いは楽しかったです。
 


――卓球のシーンはかなり見応えがありましたが、お二人とも初心者だったんですよね?

新垣:実際の動きと、カメラのレンズを通しての見え方は多少違ったりするので、卓球監修の方がしっかりと指導してくださいました。私はなるべくその動きを忠実に再現しようと心がけました。最初は難しかったのですが、やっていくうちに、スッと体に馴染んだ瞬間があったんです。そこからは楽しくなりました。

瑛太:僕は大胆で大きく見せる卓球スタイルだったので、大きなアクションを意識しました。物語の途中でサウスポーになる設定だったのですが、最初は「この部分は変えられませんか?」って言うぐらいプレッシャーだったんです。でも卓球は未経験で、変な癖がなく、左手で打ってみたら意外とスムーズにできて、だんだん楽しくなってきましたね。

 

――先ほど、いろいろな要素が詰まった作品とお話されていましたが、登場人物が「自分の居場所」を探し求める姿も胸にジーンときます。お二人は俳優業を10年以上やられていますが、「演じることが居場所だ」と感じたことはありますか?

瑛太:もともと映像とか写真が好きで、この仕事に入ったから、今はその延長線上にいるという感じですね。居場所を強く意識するというより、できるだけ毎現場、毎作品、新鮮な気持ちで臨みたいという思いが強いです。作品が変わればスタッフも共演者も変わるので、あまり自分のスタンスに縛られず、放浪している感じを大切にしています。
 


新垣:多満子ほど早くはないですが、私も10代の学生のころから、このお仕事をさせてもらっていて、アルバイトとかもしたことがないんです。だから単純に「他の世界を知らないな」と実感することはあります。あとは、作品のオファーをいただき、作品が出来上がったとき「いい作品ができたな」と評価していただいたり、言葉ではなくても、そういう思いが伝わってきたりすると「ここでいいんだな」と感じることがあります。

――ベタではないロマンティックが魅力の作品だと思いますが、お二人にとって“ロマンティック”という言葉から連想されることは?

新垣:ネオンとかのキラキラしているイメージ、落ち着いた空気のなかに垣間見えるキラキラした感じかな。

瑛太:パッと思い浮かぶのが、夜景のなかにいる男女ですかね。なんとなく横浜のイメージがあります。でも、この映画での萩原と多満子の関係って、決して恋愛の話をしていないのですが、客観的に観るとロマンティックだなって思う部分が結構あるんです。そこがすごく不思議でいいんですよね。
(取材・文:磯部正和 写真:坂本碧)

『ミックス。』
「ミックス。」

人気脚本家・古沢良太のオリジナル脚本を、『エイプリルフールズ』の石川淳一監督が映画化。幼少期から卓球のエリート街道を突き進んでいたが、母の死によって断念、その後もパッとない人生を送っている女性・多満子(新垣結衣)と、元プロボクサーだったが、ある事件をきっかけに妻と子どもと別れ、くすぶっている萩原(瑛太)が、卓球のミックスペアを組むことによって、人生を再生していく姿を描いたロマンティックコメディ。

映画『ミックス。』は10月21日より全国公開。

新垣結衣
1988年6月11日生まれ、沖縄県出身。2001年にモデルデビューを果たすと、2005年にはドラマ「Sh15uya」で女優としての活動を開始。2007年には映画『恋するマドリ』で映画初出演にて初主演を果たすと、その後も、『恋空』(07年)や『フレフレ少女』(08年)、『ハナミズキ』(10年)などの映画で主演を務める。2016年に放送された主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は社会現象となる大ヒットとなり、数々のドラマ賞を受賞した。

瑛太
1982年12月13日生まれ、東京都出身。2001年放送のドラマ『さよなら、小津先生』で俳優活動を開始すると、翌2002年公開の映画『青い春』でスクリーンデビューを果たす。2005年には初主演映画『サマータイムマシン・ブルース』が公開。その後もコンスタントに映画やドラマに出演し、実力派俳優として高い評価を受ける。2017年は、本作のほか『リングサイド・ストーリー』、『光』にも出演している。

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