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『BLEACH』福士蒼汰&杉咲花インタビュー

映画

世界で累計発行部数1億2千万部を誇る久保帯人の大人気コミックを、『GANTZ』『図書館戦争』シリーズ、『いぬやしき』の佐藤信介監督が実写映画化した『BLEACH』がいよいよ公開。2018年公開作の中でも特に熱視線が注がれる本作で、死神代行をすることになったユウレイが見えること以外は普通の高校生である黒崎一護役で主演を務める福士蒼汰と、死神の朽木ルキア役の杉咲花にインタビューした。幾度も共演し、互いに心を許している福士と杉咲が、超人気原作からくるプレッシャーや作品の魅力を語り合う。

――とても人気のあるコミックの実写化ですが、オファーを受けたときはいかがでしたか?

福士:本当に大人気の原作なので、驚きと同時にプレッシャーと責任を感じましたが、一護という役がとても魅力的なので、演じられることが楽しみでもありました。

杉咲:私もプレッシャーでした。学生時代、同級生たちが『BLEACH』の話をしていましたし、私自身は原作を読んだことまではありませんでしたが、もちろん知っていました。大人気の作品で、ルキアという役を自分が演じさせてもらうんだと思うと、うれしさもありましたが、ドキドキの方が強かったです。

――感情面で大切にされたのはどんなところですか?

福士:一護は情に厚い人物だと思います。ちょっとでも情を感じると、「見捨ててらんねー」となる。それは元から彼が持っている資質だと思いますが、母親を守り切れなかったという過去から現れている部分もあるんだろうと感じました。そしてルキアは、自分が助けられるかもしれない存在として今、目の前にいる。人を守るとか、情という部分を大切にしました。

――戦いの最後の一護のつぶやきがとても印象的でした。

福士:一護はヒーローなんですが、自分で意識せずにヒーローになっちゃっているんです。完全無欠でもないし、逆にそこが魅力的で。結構やられていますし。未熟なヒーローというか、すごく人間味があるヒーロー像で好きです。

杉咲:私は一護と過ごしていく時間で生まれてくるものを、全部大事にしなきゃという思いでやらせていただきました。ラストシーンを撮り終えたとき、やっと「ああ、ちゃんと一護と向き合えていたな」と思えて、ホッとしたというか、不安がなくなりました。ルキアとして、ちゃんと過ごせていたという気持ちになりました。

――杉咲さんは佐藤監督と初の仕事になりましたね。

杉咲:すごくうれしかったです。漫画の実写化をたくさんされてきていますが、全部佐藤監督の世界がある。CGのすごさもですが、佐藤監督の生み出す世界に、すごいな! ってとにかく興奮していたので、ご一緒できてうれしくて。現場では、CGの悪霊・虚<ホロウ>はこんな感じになりますというのを見た監督が、大興奮して少年のように喜んでいて(笑)。

――護とルキアの関係性だからこそ、現場で、あえてコミュニケーションを取るようにしたといったことはありますか?

福士:杉咲さんのことは、かなり前から知っているのですが、今回は一緒にいる時間が長かったので、すごく話して笑っていた記憶があります。

杉咲:そうですね。これまでで一番話したと思います。私、福士さんとの共演が一番多いんです。5回くらい。でもここまで向き合う役は初めてでした。すごく優しくしていただきました。お世話になりました。

福士:こちらこそ(笑)。撮影の合間での会話もですが、お芝居を通じて感じる部分もありました。

 

――やはりアクションがすごかったです。一護とルキアの修行シーンも。福士さんは『曇天に笑う』で現場取材に行った際、アクション監督さんが福士さんはすごいと褒めていたのを思い出しました。

福士:『曇天に笑う』のときもそうでしたが、普通の刀を扱う役がないんです。『無限の住人』では重い斧(おの)のような武器でしたし。

杉咲:そうですね!

福士:今回の(武器である)斬魄刀(ざんぱくとう)も巨大なものですし。だからアクションという意味でも、まずは剣に慣れていくのが一番でした。どのくらいのリーチなんだろう、どのくらい重いんだろうとか。普通の日本刀の振り方とは全然違うので。撮影で使用している斬魄刀は何パターンもあるんです。引きの画には軽めのものを使って早く動いて、寄りには見た目重視で重いものといった具合に。そこは難しかったです。ルキアとのアクション稽古のシーンでは、木刀で戦うことも多かったので、楽しかったです。

 

――杉咲さんのアクションも迫力がありました。

杉咲:本当ですか! ありがとうございます。本当に難しかったです。本気でやっているように見せつつ、危ないのでちゃんと調節するように言われていたのですが、どうやって調節したらいいのか分からなくて。何度も力づくでやってしまって、危なっかしかったと思います。テストでは本番よりもゆっくりのスピードでと言われても、しっかりやらなきゃと思って、どんどん早くなっていったり。慣れていなかったので、迷惑をかけっぱなしでした。

福士:そんなことなかったと思います。

杉咲:福士さんをケガさせてしまうかもと感じて、ひやひや、ドキドキしっぱなしでした(苦笑)。何度も福士さんが練習に付き合ってくださったので、そのおかげでなんとか乗り切れました。

福士:とてもカッコよかったです。

杉咲:本当ですか。ありがとうございます(照)。うれしい。

――悪霊・虚<ホロウ>との戦いの感想を聞かせてください。

福士:やっぱり相手がいないのは難しいです。自分はCGの相手の戦いには慣れているつもりでしたが、今回、予想以上のものが多かったです。完成した映像は、佐藤監督の描く、日常と非日常のバランスが本当に絶妙で。出来上がった悪霊・虚<ホロウ>も本当にいそうだな、触ったらこんな感じだろうなと思える質感で。得体のしれない獣のようで、気持ち悪さとリアルさがありました。

杉咲:難しかったです。ざっくりと描かれた悪霊・虚<ホロウ>の絵を見せていただいて。棒の先に絵を付けて、それをスタッフさんが持っているのを見ながらリアクションしたり。なかなかイメージが湧かなくて、難しかったです。出来上がりを見て、こんな風になっていたんだ! っと。毛の感じとか、やっぱり佐藤監督の映画でしか観られないようなCGの作りになっていて、すごい! と思いました。

――最後に福士さんから観客へメッセージをお願いします。

福士:大迫力のアクションはもちろん見どころですし、キャラクターたちの関係性や心情の変化といった部分も丁寧に描かれているので、そうした点も注意して観てもらいたいです。ルキアと一護についても、予想以上にステキな二人になったと思います。
(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)

『BLEACH』
『『BLEACH』

久保帯人による全74巻におよぶ世界的人気コミックから、「死神代行篇」を中心に実写映画化。幽霊が見えること以外は普通の高校生の黒崎一護(福士)は、ある日、死神を名乗る朽木ルキア(杉咲)と出会う。悪霊・虚<ホロウ>に襲われた一護を救うために戦ったルキアだったが、深手を負い、一護に死神の力を与えることに…。力を譲り受けた一護は、死神代行として、ホロウとの死闘を繰り広げていく。『図書館戦争』シリーズでも福士とタッグを組んだ佐藤信介が監督。

映画『BLEACH』は全国公開中。

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