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井川比佐志

井川比佐志 出演映画作品

  • 峠 最後のサムライ

    峠 最後のサムライ

    制作年:2022年6月17日(金)公開

    司馬遼太郎のベストセラー小説『峠』を、『雨あがる』の名匠・小泉堯史が映像化した歴史ドラマ。幕末・明治維新の動乱の中で、多勢の敵軍に対して決死の戦いを挑んだ“最後のサムライ”たちの知られざる姿を描く。役所広司が主演を務め、EXILEのAKIRA、松たか子、香川京子、田中泯らが出演。また、歴史に名高い北越戦争の再現は圧巻だ。

  • 続・深夜食堂

    続・深夜食堂

    制作年:2016年11月5日(土)公開

    路地裏にひっそりたたずむ“めしや“に訪れる人々の悲喜こもごもを描いた映画『深夜食堂』の続編。マスター役の小林薫を始め、ドラマ版でもおなじみの常連客役で松重豊、光石研、安藤玉恵らが出演するほか、本作で新たに佐藤浩市、河井青葉、池松壮亮らが登場。個性豊かな役者陣とおいしそうな料理の数々が温かな人情ドラマをさらに盛り立てる。

  • FOUJITA

    FOUJITA

    制作年:2015年11月14日(土)公開

    カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞した『死の棘』などで知られ、寡作ながら海外でも高い評価を受ける小栗康平監督が10年ぶりに発表する伝記ドラマ。第二次大戦などがおきた20世紀初頭の激動の時代、フランスを拠点に活動した画家、藤田嗣治の人生を描き出す。藤田役をオダギリジョーが、その理解者で妻の君代を中谷美紀が演じる。

  • くちびるに歌を

    くちびるに歌を

    制作年:2015年2月28日(土)公開

    アンジェラ・アキのヒット曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』をモチーフにしたベストセラー青春小説を映画化。島の中学校を舞台に、”現代版『二十四の瞳』”といえそうな、若い女性教師と合唱部の生徒たちの交流のドラマを爽やかに描く。新垣結衣がヒロインを務め、ぶっきらぼうだが愛情あふれる女性教師をはつらつと演じている。監督は三木孝浩。

  • 蜩ノ記〈ひぐらしのき〉

    制作年:2014年10月4日(土)公開

    直木賞を受賞し、時代小説としては破格の50万部を突破するベストセラーとなった葉室麟の原作に基づく時代劇。10年後の切腹を命じられ、幽閉中の武士の秘密を解き明かしながら、人と人の強い結びつきを温かく浮かび上がらせる。『雨あがる』の小泉堯史が監督を務め、深みのある人間ドラマを演出。役所広司と岡田准一の実力派共演も見逃せない。

  • 春を背負って

    春を背負って

    制作年:2014年6月14日(土)公開

    日本映画史を支えた伝説的カメラマンであり、初監督作『劔岳 点の記』も絶賛を浴びた木村大作が74歳にして再び立山連峰での過酷な撮影に挑んだ監督第二作。都会で暮らしていた男が亡き父の山小屋を受け継ぎ、自然の厳しさと美しさに触れながら生きる力を取り戻していく。豪華キャストによる演技合戦を、CGに頼らない荘厳な大自然が包み込む。

  • 悪人

    制作年:2010年9月11日(土)公開

    芥川賞作家・吉田修一の同名長編小説を映画化。九州北部の地方都市を舞台に、ある殺人事件を巡る加害者と被害者、そして残された家族たちの揺れ動く日常を背景に、殺人を犯してしまった青年と、共に逃げる女の切ない逃避行を描く。主演は原作を読んだ時から出演を熱望していたという妻夫木聡。脚本は吉田修一と李相日監督が共同で担当した。

  • バレット・バレエ プレミアバージョン

    制作年:2010年5月15日(土)公開

    『鉄男』で衝撃的なデビューを飾り、独特の世界観を描き出す作風から、海外にも多くのファンを持つ塚本晋也監督。彼の待望の新作『鉄男 THE BULLET MAN』の公開を記念し、『バレット・バレエ』の映画祭バージョンを特別上映。'00年の日本公開時よりも11分長いバージョンとなっており、新旧ファンの両者が楽しめる1作だ。

  • 劔岳 点の記

    劔岳 点の記

    制作年:2009年6月20日(土)公開

    数々の名作を手掛けてきた名カメラマン、木村大作の初監督作。原作は「八甲田山 死の彷徨」「武田信玄」などで知られる新田次郎の同名小説。前人未到の山、剣岳山頂に命賭けで挑んだ測量隊の勇姿を通して、日本人の魂を描き出す。実際に山に登って収めた雄大な景色、浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオルら、豪華俳優陣の共演にも注目を。

  • その木戸を通って

    制作年:2008年11月8日(土)公開

    今年2月に亡くなった名匠・市川崑監督が1993年に日本初の長編ハイビジョンドラマとして製作した幻の1作がついに公開。城勤めをしながら、出世のための縁談をすすめる侍と、彼の屋敷に突然現れた記憶喪失の女・ふさの物語を描く。陰影に富んだ撮影や、個性的な配色の美術、ユーモラスな人物造形など、崑監督の美学が隅々まで感じられる作品だ。

  • 博士の愛した数式

    制作年:2006年1月21日(土)公開

    『雨あがる』の小泉堯史監督が、芥川賞作家、小川洋子の同名ベストセラー小説を映画化した感動作。交通事故の後遺症で80分しか記憶がもたなくなった数学博士と、若い家政婦とその息子が育む交流を丹念に描き出す。『半落ち』の名優、寺尾聰が主人公の天才博士役で圧倒的な存在感を放つ。

  • 男たちの大和/YAMATO

    制作年:2005年12月17日(土)公開

    世界最大の戦艦として建造されながらも、無謀な特攻に送り出された戦艦大和の最後の航海を通じて、反戦の熱いメッセージを伝える戦争大作。実寸大で再現された巨大セットを使って撮影されたクライマックスの戦闘シーンは必見。『プライベート・ライアン』を彷彿とさせる迫力に圧倒される。

  • 半落ち

    制作年:2004年1月10日(土)公開

    作家、横山秀夫のベストセラー小説を完全映画化。元警部が愛する妻を殺害した。自首するまでの“空白の2日間“について決して語ろうとしない犯人を巡り、次々と謎が浮かび上がる……。警察内部や報道メディアなど事件を取り巻くさまざまな人々の心理を浮き彫りにしながら、ラストは号泣必至の一大メロドラマへとなだれ込む。掟破りの感動サスペンスだ。

  • 陽はまた昇る

    制作年:2002年6月15日(土)公開

    NHK『プロジェクトX』でも取り上げられた“ベータ対VHS戦争“の裏側を、日本ビクター側の奮闘を中心に描き出す再現ドラマ。劣勢状態から一気逆転に賭ける男たちの情熱を謳い上げる。

  • ホタル

    制作年:2001年5月26日(土)公開

    「鉄道員〈ぽっぽや〉」の降旗康男監督と高倉健が再タッグを組んだ人間ドラマ。特攻隊の生き残りである漁師が昭和の終焉に直面。不治の病に侵された妻とともにある“旅”に出ることを決意する。

  • BULLET BALLET/バレット・バレエ

    BULLET BALLET/バレット・バレエ

    制作年:2000年3月11日(土)公開

    「TOKYO フィスト」以来4年ぶりとなる異才、塚本晋也が放つバイオレンス・ドラマ。塚本自身が主演を兼任し、銃弾と死にとりつかれた男の狂気を、ドキュメンタリー風に描き出す。

  • 雨あがる

    制作年:2000年1月22日(土)公開

    今は亡き黒澤明の遺稿脚本に基づく人間ドラマ。“見終わって、晴々とした気持ちになるような作品にする“という巨匠の言葉にのっとり、心温まる時代劇を展開させていく。

  • SADA

    制作年:1998年4月11日(土)公開

    “阿部定事件“のヒロイン、定の恋の情熱をスキャンダルにかたよることなく、叙情的に描写。「失楽園」に続いて黒木瞳が“宿命の女性“に扮し、美しき情念を鮮やかに体現する。

  • 三毛猫ホームズの推理〈ディレクターズ・カット〉

    制作年:1998年2月14日(土)公開

    今月21日にシリーズの新作も放映される、大林宣彦によるTVドラマのディレクターズカット版。刑事と猫が追いかける、殺人事件の悲劇的な真相を、哀感あふれるタッチで描く。

  • 戦争と青春

    制作年:

    ヒューマニズムに裏打ちされた数々の名作で知られる今井正が、昭和20年3月10日未明の東京大空襲を背景に、戦争によって運命をほんろうされた一人の女性の姿を描いた早乙女勝元原作を映画化。工藤夕貴が現代の女子高生と、戦争の傷跡を引きずる叔母の青春時代の二役を熱演している。

  • どですかでん

    制作年:

    山本周五郎の小説『季節のない街』を映画化した黒澤明監督作品。電車バカの六ちゃんを狂言回しにして、牧歌的な夫婦交換の話、浮浪者の親子の話、悪妻の話など、市井の人ーの8つのエピソードが、互いに入り組みながら現実の時間の推移を軸にして展開していく。木下惠介、市川崑、小林正樹そして黒澤明という日本を代表する巨匠4人で結成した“四騎の会”の第1回作品で、黒澤初のカラー作品でもある。ギラギラした人間像を描き続けてきた黒澤が、ここでは彼本来のやさしさに立ち戻り、市井の人ーへの温かいまなざしを投げかけ、観る者の心を和ませた。芸達者ぞろいの演技陣のなかでも、渡辺篤と伴淳三郎の好演が光る。

  • 3-4x10月

    制作年:

    「その男、凶暴につき」で好評を得た北野武による監督第2作。ヤクザに刺された草野球の監督の仇をとるため、拳銃を手に入れようと沖縄に渡った二人のチームメイト。彼らはそこで地元の暴力団からはみ出したヤクザと知り合いになるが……。大胆な二部構成、そして全く音楽を使用しない演出など、北野武の美学が感じられる。

  • 月山

    制作年:

    山形県の庄内平野の奥にあり、古くから修験道の霊場として知られる月山の寺に、特に目的もなくひと冬を過ごしにやって来た青年の心の内側を描いた作品。外面的な動きに乏しい題材を、村野監督が朴訥な語り口と骨太の造形力でみせてくれる。

  • 八月の狂詩曲〈ラプソディー〉

    制作年:

    1965年の「赤ひげ」以降、ほぼ5年に1本のペースで撮っていた巨匠・黒澤明が、前作より1年という短期間で撮り上げた注目の第30作。長崎の片田舎で暮らす老婆・鉦のもとにハワイの大富豪となった兄から突然エアメールが届き、息子たちは大喜びでハワイへ行く。その間、夏休みを利用して鉦のもとに訪れた4人の孫たちは、彼女の昔話から原爆の悲惨さを理解していく。やがてハワイから鉦の甥にあたるクラークがやって来るのだが……。村田喜代子原作『鍋の中』を映画化した反核映画。クラーク役にR・ギアを起用したりと話題が多かったが、その反核を意図する描写は米国のマスコミを大いに騒がせた。

  • 豪姫

    制作年:

    古田織部は、秀吉によって死罪となった利休の代わりに茶事を任されることになる。秀吉の養女・豪姫と下人ウスは追われ、豪姫は豊臣が徳川に敗れたことにより生家預かりの身となった。そして時が流れた。ウスはもう40を過ぎてはいるが、まだ美しさを残した豪姫に再会する。また、織部は徳川家の茶の指南役になっていたが、彼と家康との関係は、利休が死罪になる直前の秀吉との関係と酷似していた。そんな頃、豪姫は利休の命日に織部を招いて茶会を開くが……。勅使河原監督の前作「利休」の姉妹編とも言える力作で、宮沢りえの老け役も話題になった。

  • 深い河

    制作年:

    「海と毒薬」に続き、またしても遠藤周作の世界に熊井啓が挑んだ1本。成瀬美津子は、満たされぬ心を埋める“何か“を求めてインド・ツアーに参加した。美津子は自由奔放な学生時代に、クリスチャンである大津と出会い、誘惑して信仰を捨てさせたことがあった。“神に勝った“ものの心の空虚さは埋められず、結局、美津子は大津を捨てる。今回の聖地ベナレス行きは、傷心のまま美津子の前から姿を消した大津を探すための旅でもあった。ベナレスの町で、大津との再会を果たした美津子は、雄大なガンジスの流れの中で自分の人生の意味を理解していく……。

  • 曽根崎心中

    制作年:

    近松門左衛門の浄瑠璃が原作。堂島新地の遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛は深く言い交わした仲であるが、夫婦になるには幾多の障害がある。この二人が心中を決意し、互いに刺し違えて死ぬまでを描いている。原作ではお初を、進退きわまった徳兵衛に同情して心中を決意する女として描いているのに対し、増村監督は、愛する男と夫婦になれなければ心中しか道はないと決意する女として描出。女の意地の凄まじさを梶芽衣子が美しく体現している。徳兵衛が女郎屋の床下に隠れる動作、セリフのやり取りなど、歌舞伎の演出がそっくり生かされていて、作品に奥行きを与えている。

  • あした

    制作年:

    「ふたり」に続く大林宣彦監督の新・尾道三部作の第2作。小型客船呼子丸が乗客9人を乗せて行方を絶ってから3ヵ月たったある日、家族や恋人を失った人々の元に、“今夜午前0時、呼子浜で待っている“という不思議なメッセージが届く。半信半疑ながらも浜に向かう人たち。そこに偶然居合わせた旅行中の女子大生、法子は、孫に会いに来たヤクザの親分の子分が幼なじみの貢であることを知る。消えた人と残された人との約束、法子と貢との約束、それぞれの思いを胸に午前0時を待つ。やがて約束の時間となり、海面から呼子丸の姿が現れ……。束の間の再会と永遠の別れを体験する彼らの、多彩な人間ドラマを描いたファンタジー。

  • 黒木太郎の愛と冒険

    制作年:

    気弱なくせに冒険好きでおせっかいな42歳の映画スタントマン、黒木太郎を主人公に、東京の片隅に生きる庶民群像の姿を力強く描いた秀作。都会の裏のゴミゴミした風景、風物のシーンにリアリティーがあり、極貧の夫婦の岡本喜八、杉本美樹が印象的。

  • 故郷〈1972年〉

    制作年:

    山田洋次は“男はつらいよ”シリーズのほかに、素朴な庶民を描いたリアリズム映画を何本か撮っている。「家族」(1970)、「同胞」(1975)、「幸福の黄色いハンカチ」(1977)などとともに本作品もそちらの系譜に属するもの。瀬戸内海の小島に住む夫婦は、家族ぐるみで楽しく砕石運搬船の仕事をしていたが、産業の近代化によって、自営ではやっていけなくなる。呉の造船所を見学して島を離れる決心を固めたあと、一家は最後の運搬のために船に乗り込むのだった……。美しい自然とそれを脅かす工業化社会とを対比させながら、日本の高度経済成長とは何だったのかを問い直す力作。

  • 動脈列島

    制作年:

    新幹線がもたらす公害に抗議し、これを爆破しようと狙う若者と、それを阻止する警察側との息詰まる駆け引きを描いた極上のサスペンス映画。日本推理作家協会賞を受賞した清水一行の原作を、増村保造がスピーディーな画面展開で映像化。近藤正臣が迫真の演技を見せる。

  • 青べか物語

    制作年:

    山本周五郎の名作を、川島雄三が散文詩的に描いた叙情味あふれる作品。映画の舞台となった浦安は、今では東京ディズニーランドができてにぎやかだが、当時はさびれた漁村だった。その田舎の人間の生活感や、美しい水辺の風景を捉えた映像が秀逸。

  • 不毛地帯

    制作年:

  • 戦争と人間・第2部・愛と悲しみの山河

    戦争と人間・第2部・愛と悲しみの山河

    制作年:

    軍部が権力を強めるなか、伍代産業は積極的に満州に進出する。そんな時期、俊介と人妻・狩野温子の激しい恋は悲劇的な別離に終った。標耕平は、俊介の妹・順子の愛を感じながらも、反戦運動に身を投じる。大陸では、日本軍が盧溝橋で攻撃の火蓋を切った。ビデオは前篇と後篇がある。

  • 家族〈1970年〉

    制作年:

    九州・長崎の小さな島を出て、北海道の開拓部落へ向かう5人家族の姿を描く異色のロード・ムービー。途中子供が急死する事件以外、あくまで日常的な、ドラマ性を排除したシナリオ。そして、まるでドキュメンタリーのような冷めたカメラワークが秀逸だ。1970年に開催されていた万国博覧会を観光映画的な描き方ではなく、高度経済成長の象徴としてストーリーに組み入れ、主人公一家の貧しさと対比させた演出も実に的確。山田洋次の力量が感じられる。ラストで、北海道にたどり着いた一家が祖父の死にもめげずたくましく生きていく姿が、この作品のテーマを十分に伝えている。

  • 乱

    制作年:

    シェイクスピアの『リア王』を原案に、これを戦国時代の毛利3兄弟の話とダブらせて描く、黒澤明監督の豪華絢爛たる戦国絵巻。製作費26億円という数字は日本映画としては超巨大予算のため日・仏合作作品とせざるを得なかった。しかし、その美術や衣装が素晴らしく、黒澤明の力強く清洌な演出とともにこの作品に崇高なる気品を与えている。ことにワダエミがデザインした衣装の美しさは同年のアカデミー衣裳デザイン賞を授与されるに至った。年老いた一文字家の主・秀虎が3人の息子に家督を譲り、城を一つずつ与えて引退すると宣言したところから起こる息子たちの反逆と骨肉の争い。やがて秀虎は発狂し、3人の息子は次々と死んでいく。美しく荘麗なる悲劇。戦闘シーンを敵対味方の血わき肉おどるアクションドラマにせず、次々に殺りくされる無名兵士の地獄絵として演出したところに、人間の愚かさへの老匠の祈りに似た視線がうかがえる。

  • ひかりごけ

    ひかりごけ

    制作年:

    昭和18年の冬、北海道で4人を乗せた船が座礁し、船長一人が生還した。しかし船長には、残りの3人の死体の肉を食べて生き延びたのではないかと疑惑がかかる。果して極限状況下で4人に一体何があったのか。人間の生と存在に鋭く問いかけた力作。

  • 鬼の詩

    制作年:

    明治末期、グロテスクなまでの珍芸で人気を得た芸人・桂馬喬の破格な人生を描き、直木賞を受賞した藤本義一の同名小説を、大映を離れてフリーとなった村野鐵太郎監督が借金しながら映画化。芸人の執念と映画人の執念が画面にだぶり、観る者を圧倒していく。主人公の妻役の片桐夕子が好演。

  • 火宅の人

    火宅の人

    制作年:

    長年温めていた企画を、深作欣二が思いのたけをぶつけて映画化。自らがファミリー・アクション映画というように、文芸作とは思えないほどのテンポとスピード感あふれる上質の人間ドラマとなり、興行的にも好成績を残した。先妻に先立たれた桂一雄は、ヨリ子を後妻に。けれども、子供が障害児になってから妻は怪しげな宗教に凝りだす。一雄は新劇女優の恵子の虜となりアパートで同棲するが、恵子の浮気のため喧嘩がたえない。東京を逃げ出した一雄は旅先で薄幸の女と知り合う……。放浪の作家・檀一雄の名作を雄大な風景をバックに撮影。

  • 帝都物語

    制作年:

    荒俣宏の長編伝奇小説を、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』のTVシリーズを手掛けた実相寺昭雄監督で映画化。明治45年から昭和初期までを背景に、東京壊滅をたくらむ魔人・加藤保憲と、それを阻止しようとする人々との戦いを描く。陰陽道を操る加藤の投げた紙がカラスに変化するといった最新のSFX、関東大震災を再現した、円谷プロの名残を残すミニチュア・セットなど、近年の邦画のなかでも全編の特撮処理のうまさは光る。その他、美術を手掛けた木村威夫のこだわりが現れた、昭和初期の銀座を完璧に復元したセットが見もの。

  • エイジアン・ブルー 浮島丸サコン

    制作年:

    1945年8月24日、青森での厳しい労働から解放され、帰国の途にあった数千人の朝鮮人たちを乗せた輸送船、浮島丸が京都・舞鶴湾で爆沈した。戦後50年を経て、在日韓国・朝鮮人の大学講師・林は、教え子の姉妹とともに当時を知る人々の話を聞いていくうち、韓国・朝鮮人たちが置かれた過酷な環境を追体験する……。平安遷都1200年記念映画を作るべく、京都市民が始めた製作支援募金運動に支えられた作品。“戦後50年を問う”という視点が貫かれ、浮島丸事件を通して反戦の痛みと重さが伝わる。堀川弘通が6年ぶりに監督に当たり、ここでも誠実さと堅実な力量を発揮している。

  • 切腹

    制作年:

    武家社会の非人間性、権力者の体面を取りつくろう偽善を“切腹”という形で鮮烈に描いた作品。小林正樹監督にとっては初の時代劇である。彦根藩邸で津雲半四郎と名乗る男が、生活に困窮し、いっそ武士らしく切腹して果てたいので玄関先を借りたいと申し出る。どこの武家屋敷でも玄関先を血で汚されてはかなわぬと、いくばくかの金を与えて追い返す。つまりこれは当節流行のたかりであった。井伊家の家老はこれを聞くと、しばらく前に同じような申し手をした若い武士のことを思い出し、半四郎に話して聞かせる……。物語はふんだんに回想形式を取り入れ、半四郎の真の目的を明らかにしていく。

  • 純愛物語

    制作年:

    不良仲間から足を洗おうとしてリンチを受けそうになっていたミツ子は、ふとしたことから貫太郎に助けられる。二人は組んでスリをして稼ごうとたくらむが、警察に捕まり、貫太郎は鑑別所へ……。新人の中原ひとみを主役に起用し、みずみずしいタッチで描いて大ヒットした青春ドラマ。

  • 女殺油地獄〈1992年〉

    制作年:

    大阪の油屋の次男与兵衛は、元締の娘小菊と許されぬ恋仲になっていた。与兵衛の乳母がわりとして油屋に奉公していたお吉は、二人を別れさせるために手をつくすが、そこには血ぬられた悲劇が待っていた……。女の情念を描き続けた五社英雄監督が、そのきわめつけともいえる近松文学に挑戦した意欲作であり遺作ともなった。

  • 白と黒

    制作年:

    弁護士・宗方治正の妻が殺され、不審尋問にかかった前科4犯の脇田が殺人を自白した。死刑廃止論者である宗方は、若手弁護士の浜野と組んで脇田の弁護を買って出るが、真犯人は、浜野自身であった。そして捜査が進むうち、事件は意外な方向に……。社会派で知られる橋本忍のオリジナル脚本を、堀川弘通が監督した推理ドラマ。

  • 男はつらいよ 望郷篇

    制作年:

    1作、2作とメガホンを執った山田洋次が、久々に復帰。TV版でさくら役だった長山藍子が美しい美容師で登場、かつて世話になったヤクザの親分を訪ねた寅次郎は、今や落ちぶれた親分をみて、義理のすたれた任侠道に失望し、ヤクザ渡世から足を洗おうと決意する。さっそく浦安の豆腐屋に就職し、順調に行くかに見えたが、店の娘に恋して……。

  • 同胞

    制作年:

    高度経済成長の波から取り残された岩手県の過疎の農村に、移動劇団の公演を村の青年団に依頼するため、東京から一人の女性がやって来る。しかし、65万円という高い公演費用に青年団長は二の足を踏み、なかなか話は進まない。だが、やっとのことで説得に成功するや、青年団の団員たちはあふれる情熱を演劇のPR、切符売り、会場の確保などに注ぎ始め、村は徐々に活気づいていく。岩手県・松尾村で実際にあった話をモデルに、“統一劇場”という新劇サークルを実際に登場させたドキュメンタリー・タッチのシリアスドラマ。プロに混じって村の青年団員たちも多数出演している。

  • おとし穴

    制作年:

    不況に追い込まれた北九州炭鉱地帯で、互いに抗争する第一組合と第二組合。やがて2つの組合の双方に疑惑を持たせるような事件が次々と起こり、その影にはいつも、不思議な坑夫の姿があった……。安部公房の『煉獄』をベースにした、ドキュメンタリー出身・勅使河原宏の長編劇映画第1作。DVDは「勅使河原宏の世界 DVDコレクション 」に収録。

  • 忍ぶ川

    制作年:

    料亭“忍ぶ川”で出会った哲郎と志乃。哲郎は料亭の看板娘である志乃に惹かれ、何度も足を運ぶ。二人はそれぞれの過去を語り合い、やがてお互いの将来についても語り始める……。純愛映画の佳作。第44回芥川賞に輝く三浦哲郎の同名小説を、社会派の熊井啓が映画化。異才・木村威夫による美術も秀逸。

  • 刑事物語5 やまびこの詩

    制作年:

    舞台は群馬県沼田市。ある日の早朝、パラコート入りの牛乳で牛乳配達の少女が倒れる。犯人の狙いは真咲直子・真子の姉妹だった。事件には町の資産家・大神の遺産が絡んでいるのだ。姿を消した直子を追って片山は山荘へと急ぐ。

  • タンポポ

    制作年:

  • 霧の子午線

    制作年:

    高樹のぶ子の同名小説をもとに、強い絆で結ばれた女性二人の友情と愛の葛藤を描く岩下志麻と吉永小百合の初共演作。クローン病という難病に冒された沢田八重は、ちぎり絵師として第二の人生を送るため、学生時代の親友・鳥飼希代子のいる函館にやってきた。40代を迎えた二人は大学時代からの友人で、学生運動のリーダー・淡路新一郎をともに愛し、希代子は未婚の母となっていた。再会を喜ぶ二人だが、希代子は息子・光生が、死んだことになっている父親が生きているとの噂を聞き真実を問いただしてくるという悩みを打ち明け、八重に新一郎の

  • 次郎物語〈1987年〉

    制作年:

    母親の体が弱かったために田舎の家に預けられ、自然のなかでのびのびと育てられた主人公・次郎。6歳の時、躾が厳しく士族の格式を守る本家へ連れ戻されるが、すでに母と子の間に愛情らしきものはなかった……。親子のふれあいを描いた古典的名作の映画化。

  • 潤の街

    制作年:

    「君は裸足の神を見たか」で知られる金秀吉の1981年度の城戸賞受賞作を、新人、金佑宣が映像化した硬派の青春ドラマ。在日朝鮮人の高校生・潤子と日本人青年・雄司の交際を通して日本にはびこる差別と在日朝鮮人たちの哀しみを浮き彫りにしている。数ヵ月の主役捜しの結果選ばれた姜美帆が、はつらつたる好演を見せる。

  • 走れジュリー

    制作年:

    資金難で経営不振に陥り、動物たちに食物も与えられない動物園。その窮状を知った小学生の児童たちと獣医が、動物を救おうと情熱を傾けて活動する姿を描いた感動的な物語。ジュリーを演じる(?)チンパンジーのほか、犬やシカ、カラスなど約200匹にも及ぶ動物たちが登場する。

  • まぼろしの邪馬台国

    制作年:

    【壮大な歴史の謎にたったふたりで挑んだ夫婦の物語】 現在もなお、その全貌が明らかになっていない古代の王国・邪馬台国。その探求に人生を捧げた実在の学者・宮崎康平と、盲目の夫を支え続けた妻・和子の物語を吉永小百合、竹中直人主演で描く話題作。邪馬台国の謎を探る壮大な物語と、どんな時も支えあう夫婦の繊細な物語を、『明日の記憶』の堤幸彦監督が絶妙なバランスを持って演出している。

  • キトキト!

    制作年:

    【笑いあり涙ありの“生きのいい“家族ドラマ】 富山県高岡市を舞台に、肝っ玉母ちゃんと、子供たちの成長を描いた、温かい家族ドラマが登場。タイトルの“キトキト“とは、富山弁で“生きのいい“こと。自分の将来に悩む長男に『夜のピクニック』の石田卓也、元スケバンの姉に『バックダンサーズ!』の平山あや、そして母役には大竹しのぶが扮し、“生きのいい“親子のやり取りを見せている。

  • 県庁の星

    制作年:

    【織田&柴咲、白熱の演技合戦】 『踊る大捜査線 THE MOVIE2…』以来となる織田裕二の主演映画。エリート県庁マンが研修先のスーパーマーケットで出逢った年下のパートタイム女性から“意識改革“の手ほどきを受ける姿を、新鮮な表情を多数見せながら好演。

  • 8月のクリスマス

    制作年:

    【人生の最後に訪れた純愛のゆくえ 】 韓流ラブ・ストーリーの名作『八月のクリスマス』を、舞台を日本に移してリメイク。余命いくばくもない主人公と小学校の臨時教員の女性との恋を、優しい眼差しで描き出す。人気ミュージシャンの山崎まさよしが、主演、音楽、主題歌を担当。映画全体のトーンを決める素晴らしい活躍をみせる。

  • キープ・オン・ロッキン

    制作年:

    【元ロックスターの青年が挫折を乗り越えて得たもの】 『ナースのお仕事/ザ・ムービー』の両沢和幸による青春ドラマ。ロックバンドのヴォーカル青年が、栄光と挫折を味わい、故郷で新たな人生を歩み始めるまでを丁寧に描き出す。自信過剰で傲慢だった主人公が、自分自身と向き合うまでの心の変化を、ロックバンドto be continuedの元ヴォーカル岡田浩暉が熱演。主題歌と挿入歌2曲の作曲も手がけている。

  • 童謡物語

    制作年:

    季節の移り変わりとともに、花を求めて日本中を旅する養蜂家。そんな彼らが信州の田舎町で出会った人々との触れあいを描いた作品。信州の山里のひっそりとした美しい自然と、バックに流れる郷愁を誘う懐しい童謡がほのぼのとした印象を与えている。

  • 嗤う伊右衛門〈わらういえもん〉

    制作年:

    【誇り高きヒロイン、お岩! 新解釈による「四谷怪談」】 昨年22年ぶりに『青の炎』でメガホンを握った蜷川幸雄が早くも新作を発表。舞台でも全面的な信頼を置いている唐沢寿明を主演に、かつて『魔性の夏』でも取り上げた「四谷怪談」の世界に、京極夏彦の大胆な解釈で、再び挑む。美しく高貴な女としてまったく新たな生を与えられたお岩を『ラスト・サムライ』でも気を吐いた小雪が、力強く演じている。

  • さよなら、クロ

    制作年:

    【多くの青春を見届けた 野良犬クロの感動実話】 高校に迷い込んだ野良犬・クロがそのまま校内に住みつき、12年もの時を生徒たちと共に過ごす。そんな嘘のような実話を、温かいタッチで映画化した感動作。クロの存在に励まされ勇気づけられながら成長していく生徒たちを、妻夫木聡、伊藤歩らフレッシュな面々が好演。少年から大人へ成長を遂げていく生徒たちと対照的に、年老いていくクロの姿が涙を誘う。

  • 13階段

    制作年:

    【階段の果てにあるのは? 反町隆史主演の異色作】 反町隆史が従来の豪放なイメージを一転、センシティブな新境地を見せるミステリー。ある死刑囚の冤罪を晴らす仕事を請け負った仮出所中の青年が、刑務官の男とともに真実に迫っていく。

  • 阿弥陀堂だより

    制作年:

    【信州の大自然の中で生を再発見する夫婦の物語】 『雨あがる』の小泉堯史の監督第2作。都会暮らしに疲れたエリート女医と、売れない作家であるその夫が信州に移り住むことを決意。奥信濃の村の人々とのふれあいに癒されていく。

  • ブラックボード

    制作年:

    川底から母子家庭の中学生の遺体が上がる。警察は他殺と断定するが、校長や教師は狼狽、生徒の多くは無関心で無表情というなかで、恐るべき“いじめ“の実態が次第に明らかにされていく。いじめをテーマに、ホールなどの公的施設で自主上映、東京では春休み期間に公開された問題作。

  • ほとけ

    制作年:

    【“ほとけ“と呼ばれた男初めての怒りの行方】 「千年旅人」に続く辻仁成の劇場長編第2作。高校時代を過ごしたという函館でロケを敢行、神話を思わせる悲劇的な愛のドラマを展開。“鬼神“のような変貌ぶりを見せる武田真治が出色。

  • どぶ川学級

    制作年:

    非行に走った少年少女たちが、青年労働者とのふれ合いを通して自立に向かっていく姿をつぶさに見つめた作品。自主製作だが、本当の教育とは何かを改めて考えさせられる真摯な教育映画であり、噛み応えのある社会派ドキュメンタリーである。

  • 夜叉ヶ池

    制作年:

    歌舞伎界の女形の大スター・坂東玉三郎を起用して、鏡花の幻想的世界を映像化した篠田監督の意欲作。越前・三国嶽の山中にある夜叉ヶ池。そこにある鐘楼の鐘を鳴らさないと竜神の化身が現れ、大洪水を起こすという伝説にまつわる一組の男女とその友人の物語。シュールな感覚の映像に彩られて、玉三郎が世にも美しい化身を演ずる。池に棲む魚、カニなどに扮した役者陣の演技も印象深い。イグアスの滝にロケを敢行したラストシーンも圧巻。

  • 銃殺 2・26の叛乱

    制作年:

    1954年の「叛乱」と同じ立野信之の『叛乱』を原作とした昭和史問題作。丹波哲郎扮する相川中佐の軍務局長暗殺から2・26事件の勃発、そして青年将校たちの処刑までを描いていく。慎重派の安東大尉を鶴田浩二が熱演。撮影の仲沢半次郎は、のちに同テーマの「動乱」も手掛けている。

  • 泣きぼくろ

    制作年:

    安部譲二の同名短編小説を工藤栄一が忠実に映画化。“泣きぼくろのある女“を追って東京から名古屋まで旅をする3人の男たち。どこか世間からはみ出したような彼らの道中を、人間味あふれるタッチで描く。劇中に使われる松田優作の歌が効果的だ。

  • 組織暴力

    制作年:

    利権をめぐって激しい対立をする赤松組と矢東組。関西から、赤松組のバックアップをうけた新生会も乗り込んできた。連合軍に対抗すべく矢東組は武器集めを始めていく。そこに組織解体を求め警察が介入してくるのだが……。拳銃密売をめぐる暴力団同士の闘いと警察の暗闇をリアルなタッチで描いた作品。黒幕に扮して月形龍之介が貫禄をみせる。

  • 墨東綺譚〈1992年〉

    制作年:

    永井荷風の小説をもとに、荷風自身を主人公に脚色して映画化。日本的な官能美が話題となった。大学教授でありながら、粋な遊蕩生活に明け暮れる荷風は、玉ノ井の娼家でお雪と名乗る娼婦に出会う。生まれて初めて理想の女性と出会った荷風は、57歳にして結婚の約束をする。しかし東京大空襲の炎に追われて二人は別れ別れに……。

  • 上方苦界草紙

    制作年:

    村野鐵太郎が「鬼の詩」に続いて、再び藤本義一の原作に取り組み、明治時代の上方芸人の生き様を描いた意欲作。伊勢参宮の旅人でにぎわう伊勢路で人気を博した“お杉、お玉“と呼ばれる旅芸人姉妹の旅を、義父との愛憎関係を軸に綴っていく。姉妹に扮する葉山レイコと原田和代の力演が見もの。

  • 友情/Friendship

    制作年:

    【少女の短い生涯のなかで生まれた確かな“絆“を描出】 急性リンパ性白血病に冒された少女と、クラスメイトの交流を描いた感動のドラマ。これがデビュー作となる、三船敏郎の愛娘、美佳がヒロインに扮して、爽やかな好演を披露。

  • まあだだよ

    制作年:

    黒澤明が、敬愛する随筆家・内田百間とその門下生たちのふれあいを描いたヒューマニズムあふれる一作。黒澤の遺作となった作品。教え子たちのたまり場である百間先生の家を舞台に、自由な人生を謳歌する先生と弟子をめぐる様々なエピソードが人情味豊かに描かれていく……。黒澤映画の常連に所ジョージを加えたユニークなキャスティングに注目。

  • 顔役暁に死す

    制作年:

    1950年の「暗黒街」に始まる東宝の“暗黒街“ものの一編。アクション映画で名高い岡本喜八監督が大薮春彦の『火制地帯』を翻案、スピーディーで歯切れの良い独特の語り口で、地方暴力団の抗争を描いている。主演の加山雄三をはじめ、岡本組の俳優たちがみな好演。

  • 四十七人の刺客

    制作年:

    元禄14年(1701年)の春。江戸城で播州赤穂藩主・浅野内匠頭が勅使響応指南役・吉良上野介と刃傷沙汰を起こし、浅野は即日切腹、藩は取り潰しと処断された。しかし吉良は無罪。この一方的な処遇の裏には、時の宰相・柳沢吉保と上杉家江戸家老・色部又四郎の策謀があった……。「十三人の刺客」などの脚本家・池上金男が、別名で発表した時代小説の映画化で、おなじみ「忠臣蔵」の物語に新解釈を施し、一種の情報・経済戦争として扱っている点が異色。吉良邸討ち入りを胸に誓った大石内蔵助が、まず塩相場を操って資金を得るくだりや、意図的な流言で“吉良憎し“の世論を高めるなど、これまで“涙“や“義理“でごまかしていた部分を合理的な解釈で埋めている。高倉健が挑む4度目の時代劇で、市川崑との初顔合わせになる。日本アカデミー賞では色部を演じた中井貴一が助演男優賞に輝いたほか、美術・録音・編集の計4部門で受賞。

  • ひめゆりの塔〈1982年〉

    制作年:

    1953年の同名映画を、おなじ今井正監督、前作の水木洋子のシナリオをそのまま用いてリメイク。昭和20年、沖縄の女学生によって結成されたひめゆり部隊の悲劇を描く。前作に比べ、感銘度の薄い平凡作。

  • 日本の熱い日々 謀殺・下山事件

    制作年:

    アメリカの占領下にあった昭和24年7月5日に起こった下山事件を、大胆な推理で“謀殺“とした当時の朝日新聞社の著作をもとに、社会派・熊井啓が描いた作品。国鉄労働者の大量リストラを前にして、下山国鉄総裁が轢死体で発見された。疑問を抱いた記者の追及が始まる……。熱いドキュメンタリー・タッチで目が離せない。

  • 化石

    制作年:

    ヨーロッパ周遊旅行に出かけた建設会社の社長が、自分がガンであり、あと1年あまりしか生きられないということを知る。そんな時彼は、フランスでのパーティーの席上、フランス人と結婚しているマルセラン夫人を知り、彼女のなかに自分が心の中に描く理想の女性像を見いだすのだが……。死と対決し、自問自答を繰り返す男の前にマルセラン夫人が幻想となって現れる。ガンを宣告され、死の近いことが確実と知って動揺する男の心象風景を見事に映像化した作品。TVで放映されたシリーズものを再編集、ロケ時に別に撮ったフィルムも使用し、映画用に十分考慮されている。

  • 3-4×10月

    制作年:

  • わが青春のとき

    制作年:

    第二次大戦下の朝鮮半島の小都市を舞台に、現地人の信望厚い日本人青年医師と、金と権力志向のかたまりのような夫との生活に疲れはてた人妻との悲恋を描いた反戦色濃いメロドラマ。名門大映の破産から3年の歳月を経て新スタートを切った新生大映映画の第1回作品。

  • 座頭市海を渡る

    制作年:

    座頭市はこれまで斬った人々の菩提を弔うため、四国の札所巡りを続けていたが、図らずも栄五郎という男を斬ってしまった。市は彼の妹・お吉を訪ね、彼女の土地を狙う暴力一家と闘う。

  • 天平の甍

    制作年:

    日本仏教界確立のため、唐の高僧・鑑真に渡日を要請する使命を帯びて遣唐船に乗った4人の青年僧の波乱に富んだ人生を、本格的な中国ロケでスケール豊かに描いた、壮大な歴史ロマン。日本・中国間の文化的交流のルーツを知るうえでも恰好の作品といえる。

  • 最後の弾丸

    制作年:

    日本・オーストラリアの合作映画であるにもかかわらず、日本では未公開の作品。1945年7月、ボルネオのジャングルでは、オーストラリア軍に攻めたてられた日本軍が捨て身の攻撃を仕掛けていた。激しい戦闘が繰り広げられ、生き残ったのは、新米のオーストラリア兵スタンレーと狙撃の名手の日本兵、山村だけだった。生き残るには相手を殺すしかない。命を懸けた二人の戦いが始まる。

  • 鹿鳴館

    制作年:

    三島由紀夫の同名戯曲を市川崑が演出した。明治中期、日比谷の鹿鳴館で催された舞踏会に集った人々と、それを襲撃しようとたくらむ自由党残党の群像を描いた大作。市川崑の演出は原戯曲のムードを、錦絵のごとき絢爛豪華な美術の中に再現することに成功している。

  • K○YA 澄賢房覚え書

    制作年:

    現代女性の眼を通して、聖僧、破壊僧、それぞれの姿を描いた伝奇ロマン。“女人禁制と女犯“というテーマの論文を書くため、美術史家・秋月洋子は、高野山を訪れる。彼女は、資料から、女犯の戒に触れて山を追われた、破壊僧・澄賢の存在を知った。洋子は、澄賢が書いた、“理趣経“に興味を覚えて……。名取裕子が、時空を超えて澄賢と対面する洋子をはじめ、4役を演じている。

  • アナザー・ウェイ D機関情報

    制作年:

    西村京太郎のスパイ小説『D機関情報』を映画化。第二次大戦中、特殊爆弾買い付けのため、ヨーロッパへ派遣された海軍中佐・関谷直人の活躍と、彼を取り巻く戦略組織の陰謀を描いた大作。役所広司、初の主演映画でもある。

  • 海に降る雪

    制作年:

    芥川賞作家・畑山博が描いた都会の片隅で知り合った男と女の同棲物語を、「八甲田山」などの助監督だった中田新一が映画化した作品。小説発表後、女優の出演志望や企画申し込みが殺到し、一時は原田美枝子が自ら主演・監督して製作に入ったというエピソードも。美保純の好演が光る。

  • 夏の別れ

    制作年:

    高校卒業後も両親のもとでぶらぶらしている少年が、とある帆船の中で男女の激しいラブ・シーンに遭遇。その女に憧れて彼女を追いまわすが、男女の複雑な過去を知り驚嘆する。短編小説的な味わいで描いた、少年のひと夏のスケッチ。

  • 遠い一本の道

    制作年:

    昭和35年の安保の年、かつて最も恵まれた職業だった国鉄マンにも高度成長の波が押し寄せ、合理化の名のもとに労働者の生活は次第に貧窮化、主人公・市蔵の職場も人員整理の対象となる。市蔵は労働者としての誇りを捨てずに立ち上がるが……。女優・左幸子の第1回監督作。田中絹代に次ぐ女優出身監督となった左幸子の、骨格のしっかりした堂々の演出ぶりが評判となった。当時の国労が全面的に援助。

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