刑事のジェーンと検視官のモーラは、多くの犯罪者を逮捕してきた最強の女性コンビ。性格や生まれ育った境遇は正反対だが、2人の絆はとにかく深い。だが、フォース・シーズンに入って、様々な変化が彼女たちの周囲のみならず、ジェーンとモーラ自身にも起こり、人生の岐路までも訪れる。今後のシーズンを占う意味でも、今シーズンは要注目なのだ。そんなフォース・シーズンの見どころを紹介していこう。(文:安保有希子)
最強の女性コンビ、ボストン市警の刑事ジェーン・リゾーリと、検視官のモーラ・アイルズ。かつて、ジェーンがモーラの実の父を撃ったり、ささいな隠し事や余計なひと言からギクシャクしたりと、友情の危機もあったが、様々な出来事や喧嘩を経て絆はより強固に、ジェーン&モーラの物語が常に描かれてきた。だが、今シーズンからは、個々にも焦点がより一層当たるようになっている。そのカギを握る人物が”C”。その”C”は、2人にどういった変化を与えるのだろうか。
高校時代の恋人だったケイシー(Casey)と付き合い始めたジェーン。彼女はケイシーを愛し、彼もまたジェーンを愛している。だが、ジェーンは刑事の仕事を、ケイシーは軍の仕事も愛している。一緒にいたいし、結婚のことも考える。だが、結婚のために、大好きな仕事を捨てることはできないジェーンとケイシー。だったら、別れるしか道はないのか。悩みに悩む2人が出した結論とは? そして、起こってしまった驚きの出来事とは――。2人のロマンスの行方にご注目。
実母ホープから頼まれ、義理の妹のケイリン(Cailin)に腎臓を提供したモーラ。だが、それでお礼を言われるでもなく、実母との距離が縮まるわけでもなくと、ずっとモヤモヤしていた。しかし、ケイリンからきちんとお礼を言われ、わだかまりが溶けだしたころ、なんと、ケイリンがしばらく泊めてくれと、モーラの家を電撃訪問。妹を知るいい機会だと受け入れてみたものの、あまりに性格や生活環境が違いすぎて…。モーラを振り回し、キレそうにさせるティーンエイジャー、おそるべし!!
姉のジェーンに憧れ、警察官になったフランキー。もちろん、夢はジェーンのような刑事になること。そのため、刑事課にはしょっちゅう顔を出し、雑用や仕事を頼まれることもしばしば。ジェーンの相棒フロストや、元相棒のコーサックとも仲が良く、まさに、マスコットキャラ的存在。そんな彼が、遂に昇進試験に合格! 晴れて刑事となったのだ。着るものも制服からスーツとなり、”ニュー”フランキーに。だが、問題がひとつ。殺人事件が捜査したいのに、配属されてしまったのは、なんと麻薬捜査課。しかも、その上司が、かつてのジェーンの同僚で、ある出来事をきっかけにジェーンとは険悪の仲という、大変な門出となってしまったのである。「姉ちゃんのせいだ!」と、フランキーは口にするが…。がんばれ、フランキー!!
血を見るのが苦手なジェーンの相棒バリー。そのため、最初は現場で吐くひ弱な刑事だったが、徐々に血や死体に慣れ、さらに、IT知識も豊富とあって、頼りにされる刑事に。突っ走る熱血漢のジェーン、動物大好きなベテラン刑事のコーサックという、2人の個性的な面々に囲まれているため、多少個性は控え気味ではあるものの、絶妙な立ち位置で刑事課になくてはならない存在であった。だが、2013年8月にバリーを演じるリー・トンプソン・ヤングが亡くなり、今シーズンを最後にバリーは刑事課から姿を消すこととなった。家族同様に仲が良かった本シリーズの共演者、スタッフは悲しみに暮れ、製作はいったん中断。誰からも好かれていたリー・トンプソン・ヤングを偲び、シーズン5の第1話、第2話は彼に捧げるエピソードとなっている。