映画、海外ドラマ、ゲームなど、様々なジャンルで盛り上がりを見せる“DC”。8月の注目作は、DCヒーローがレゴになって活躍する長編アニメ『LEGOスーパー・ヒーローズ:ジャスティス・リーグ』を始めとして、世界的大ヒットの映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』、セカンド・シーズン製作決定のTVドラマ『SUPER GIRL/スーパーガール』、全米大絶賛アニメ『バットマン:キリングジョーク』と、多種多様なラインナップが揃った。それぞれの見どころを探っていこう。(文:安保有希子)

DCを代表するスーパーヒーローが共演する本作を楽しむに際し、まずはスーパーマンと最凶の侵略者ゾッド将軍との戦いを描いた『マン・オブ・スティール』だけはチェックしておきたい。というのも、スーパーマンとゾッド将軍のバトルによって破壊されていくメトロポリスのシーンで物語がスタートするからだ。この戦いでスーパーマンを単純に正義の味方とは思えなくなってしまったバットマンこと、ブルース・ウェイン。一方、スーパーマンはレックス・ルーサーの策略で虐殺の罪に問われてしまう―。もちろん、ヒーロー2人による超ド迫力バトルは必見だが、タイトルに“ジャスティスの誕生”とあるように、DCのヒーローチーム“ジャスティス・リーグ”発足のきっかけとなる。そう、ワンダーウーマンの登場だ。“地上最大級の力を備えた”と言われるだけあって、その強さ半端なし! そんな彼女の一挙手一投足に注目だ。

従弟のカル=エルとともに、クリプトン星を脱出したカーラ・ゾー=エル。しかし、脱出カプセルに起こったハプニングにより、カーラが地球に到着したときには、既にカル=エルはスーパーマンとして活躍。カーラは特殊能力を封印し、普通の女の子として生きてきた。だが、予期せぬ災害でスーパーパワーを使用したことでヒーロー魂に火がつき、スーパーガールとなっての人助けを決意するが…。本作の最大の見どころはキュートなカーラだ。スーパーパワーを有しているとはいえ、ヒーロー初心者のカーラは、悪党が出てきても闘い方がわからず、ナショナル・シティの街を破壊することもしばしば。失敗の連続で落ち込んでいたところへ、スーパーガールのすべてを知りたい会社の上司とのトラブル、恋や家族の悩みなど問題続出!
さぁ、明るく前向きが取り柄のカーラはどうする!? スーパーガールの成長物語を応援したい。

バットマンの宿敵であり、最も愛されている悪役でもあるジョーカー。だが、彼のピエロメイクや狂気は知っていても、彼の素顔や生い立ちを熟知している人は、少ないのではないだろうか。本作では、そんなジョーカーに焦点を当て、ジョーカー誕生に隠された悲しい過去をつづっていくと同時に、ゴッサム市警本部長のゴードン警部と娘のバーバラを利用し、ジョーカーがバットマンを精神的に追い詰めながら、実は、2人は“絶望の淵”を覗いた似た者同士であり、ジョーカーの狂気とバットマンの正義は紙一重であることを描いていく。また、本作は非常に評価の高い1988年の原作刊行以来、初の長編作品化になることに加え、バットマン役にケヴィン・コンロイ、ジョーカー役にマーク・ハミルと、90年代のアニメシリーズ『バットマン』の声優陣が再登板! 往年のファンにとってはうれしい限りだ。

DCのヒーローたちがレゴのキャラクターとなり、悪と戦う姿を描いたユーモアたっぷりの長編アニメシリーズ最新作が登場! 今回はなんと、もしもバットマンがゴッサム・シティの番をジャスティス・リーグに任せ、バカンスに出かけてしまったら…? という驚きの設定で幕を開ける。悪党にしてみれば、厄介な人物がいのないのだから、大暴れのチャンス!! ジョーカーやアーカム・アサイラムから脱走した極悪人たちは好き放題し、街は大混乱。かたや、バカンス中のバットマンは旅先でデストロークとベインの2人が、悪の計画をしている姿を目撃してしまう―。レゴが好きというだけでもまったく問題ないが、やはりヒーローたちに詳しいほうが、実写版のあのシーン、コミックスのあのセリフ等、より楽しめるだろう。容赦なくバラバラにされるレゴ、随所に盛り込まれる小ネタと、大笑いを覚悟しておきたい。