元内科医のテス・ジェリッツェンの同名ベストセラー小説を原作に、「クローザー」「CSI:ニューヨーク」といった人気クライム・サスペンスを手がけるスタッフがドラマ化しただけあって、骨太なだけでなく、スピーディーかつスリリングに展開していく物語が、今作の見どころのひとつだ。例えば、第1話で“外科医”と呼ばれる連続殺人犯が登場し、主人公リゾーリと因縁深からぬ関係にあることがわかるのだが、それほど詳しい説明がないまま、ストーリーは進んでいく。つまり、視聴者は置いてきぼり状態。だが、映像とちょっとした会話だけで要点がつかめ、主要キャラクターの立ち位置や性格までもきっちりとわかるように工夫されているため、あとは物語に引き込まれるだけ。上手い! としか言いようがないストーリーテリングなのである。また、扱う題材は凶悪な殺人事件を筆頭に、悪魔祓いや同性婚、名門一族絡み、汚職警官など多岐に渡り、描きづらいところまで踏み込んでいく。ただ、こういった内容が続くと、重たいだけのドラマに感じるかもしれないが、熱血女刑事ジェーン・リゾーリと冷静沈着な検視官モーラ・アイルズが繰り広げる小気味よい会話、ユーモラスなリゾーリ家の描写、ダメになることが多いが、リゾーリとアイルズそれぞれのロマンス等、抜群のタイミングで息抜きシーンがはさまれるため、緩急のバランスがバッチリ。本格的内容であっても、さくさくと見進めていけるのだ。ベテランたちの経験と技術がぎっしりつまった「リゾーリ&アイルズ」、本格派の冠に相応しい1本と言えよう。

「リゾーリ&アイルズ」のタイトルどおり、中心となって動くのが、ボストン市警唯一の女刑事リゾーリと、理詰めが大好きな検視官アイルズである。武闘派のリゾーリは、勘の良さと大胆さで事件を解決に持ち込む一方、アイルズはリゾーリのように推測で判断することが大嫌い。自身が検視官ということもあって、証拠からしか結論を導き出さない。このように水と油のように正反対の2人だが、正反対ということもあって、お互いが足らない部分を補い合えるだけでなく、正反対だからこそ仲が良いのである。事件のことを忘れたいからと2人で飲みに行ったり、ロマンスの一部始終を話したり、本音でぶつかったりと、うらやましくなるほどの関係を築けているのだ。そんな2人の会話はストレートで嫌味なく、物語の1つの見どころと言えよう。そんなリゾーリとアイルズを演じているのが、アンジー・ハーモンとサッシャ・アレクサンダーの2人。アンジーは90年から放送されているドラマ「LAW&ORDER」のシーズン9から11までアビー・カーマイケル役にふんしていたため、彼女の顔を知っている人は多いことだろう。また、モデルだった母親の影響もあり、幼少時からモデルとして活躍、ランウェイ・モデルとして一世を風靡したこともある人物。だからこそ、納得のこの美貌なのである。一方のサッシャは「NCIS~ネイビー犯罪捜査班」のシーズン1から3までケイトリン・トッドを演じ、「M:i:Ⅲ」「そんな彼なら捨てちゃえば?」など、映画出演も多数。ほかにも、プロデューサー、バラエティ番組のライター等、数多くの顔を持つ才色兼備な女性。もちろん、そんな2人には、同作で日本ブレイクの肩書きも加わりそうだ。

女刑事リゾーリと主任検視官アイルズの「無敵」コンビを知れば知るほど、物語に面白さが追加されていく「リゾーリ&アイルズ」。さらに、2人を「無敵」につくり上げた(!?)と言っても過言ではない家族や仕事仲間をまずはチェック!

殺人現場での検証や自宅でくつろいでいるでも、常に完璧な着こなしのアイルズ。そんなアイルズのファッションアイテムを公開!

リゾーリ&アイルズ役のアンジー・ハーモンとサッシャ・アレクサンダーの2人の素が観れるNGシーン。<セカンド・シーズン>DVD-BOXに特典映像として収録されている“爆笑間違いなし”のNG集をちょこっとだけ公開!

本作で声優を務める、朴ロ美(リゾーリ役)と井上喜久子(アイルズ役)。共に大人気の声優であり、アニメや外画の吹き替えに限らず多くの作品に携わってきている。アニメ、外画ともに声を“あてる”ことに変わりはないのだが、そのアフレコに違いはあるのだろうか。また、演じている役柄について、演じ始めと現在とを比べて変化などはあるのだろうか。
さらに、収録現場は「体育会系」と暴露したその理由とは?