「クローザー」を語る上で欠かせないのが、主人公ブレンダ・ジョンソンの存在だ。そして、彼女が同作一番の見どころと言えよう。どのような難事件でも解決=クローズさせてしまう、“クローザー”の異名を持つブレンダ。優秀なのは間違いないのだが、私生活はというと、優秀とはほど遠いところに位置している。例えば、事件や仕事のことは理路整然と考えられるのに、自宅はなぜか片付けられず、鞄のなかという小さな空間ですら、どこに何があるのかわからないほどぐちゃぐちゃ。もはや、仕事以外で頭を使うことを放棄しているのでは? そう思われてもしょうがないくらい、違いは歴然! ただ、このようなギャップがあるからこそ、ブレンダは人間くさい女性として映り、自然と応援したくなるのである。また、本格クライム・サスペンスと銘打つだけあり、物語自体も見どころのひとつ。王道のサスペンスがあるかと思えば、ブレンダの部下プロペンザ&フリンが中心となるコメディタッチ回があったり、ブレンダの家族が登場するホロリとさせられる回があったりと、様々なパターンで構成されている。だからこそ、「クローザー」は飽きないのである。

気になるファイナル・シーズンの注目ポイントは、ブレンダに訪れる最大のピンチである。きっかけとなったのが、シックス・シーズン第8話で、免責になった殺人犯を、ギャングに殺されるとわかっていながら保護せず、放置してしまったという、彼女なりの正義を覗かせた出来事。その事実を知った弁護士のゴールドマンは、ブレンダと重大犯罪課(以下重犯課)の面々を追いつめ、さらにその情報を洩らしたのが、重犯課のメンバーだという疑惑まで浮上。チーム内が疑心暗鬼状態でぎくしゃくするなか、ブレンダはこの危機を切り抜けられるのか。そして、ある人物の死が、ブレンダの精神を不安定にさせていく…。このように、次から次へとブレンダに難題が突き付けられるファイナル・シーズン。基本1話完結のスタイルは変わらないが、ブレンダの危機が同シーズンの大軸となり、物語は最高潮の盛り上がりを見せる。果たしてブレンダは有終の美を飾れるのか。本当に最後となる彼女の一挙手一投足を見逃すな!!

「前シーズンってどんな内容だっけ?」「あの出来事って何シーズンだっけ?」と思った方へ…シーズン毎にあらすじをちょこっとだけご紹介!これで思い出した?

ロサンゼルス市警に新設された“殺人特捜班”のチーフとして、アトランタ市警から引き抜かれた“クローザー”の異名を持つブレンダ・ジョンソン。突然やってきた女性上司に、叩き上げの刑事たちは猛反発し、全員が移動願いを提出する騒ぎに。だが、ブレンダの優秀さを目の当たりにした同僚たちに、徐々に変化が現れ始める―。

ブレンダの優秀さはもちろんだが、自分の身を呈して部下を守る姿に心打たれた殺人特捜班の面々は、次第に最強のチームとして機能するようになっていた。そんなとき、FBI捜査官2人と保護していた証人が死亡する銃撃戦が起き、ブレンダは休職、部下は配置換えなど、殺人特捜班は事実上解体されてしまい…。

凶悪な事件が多発するロサンゼルス。見事復活を遂げた殺人特捜班のメンバーたちは、ブレンダに叩き込まれ、それぞれが優秀な人材になりつつあった。しかし、そんな殺人特捜班に異変が! なんと、ブレンダが更年期障害になってしまったのだ。そして、ブレンダの判断が、いたたまれない事態を引き起こしてしまう。

殺人特捜班の一員であるサンチェスの弟が殺害され、ガブリエルとダニエルズの破局は泥沼化など、多くの内輪問題が勃発し、どうにも険悪なムードがチーム内に漂っているなか、タイムズ紙の記者リカルドが書いた記事によって、殺人特捜班は解散に陥ってしまう。こんな状態で、ブレンダとフリッツは結婚式を迎えられるのだろうか。

重大犯罪課と部署名を変え、日々、様々な事件に取り組むメンバーたち。ある日、ガブリエルが起こした発砲事件を調査するために現れたのが、ロス市警武力犯罪調査課の女性捜査官レイダー。遠慮無い物言いと態度に加え、一筋縄ではいかない優秀な女性だけあって、同じく優秀なブレンダは、ことあるごとにレイダーと対立してしまう。

ブレンダが新副本部長!? 新庁舎に変わり、心機一転の重大犯罪課。それに伴い、新本部長選に立候補した副本部長のポープだったが落選。ブレンダには新本部長から副本部長就任のオファーが来てしまう。そんなとき、司法取引で無罪となったギャングを、別のギャングから報復間違いなしの場所に放置。このブレンダ独特の正義感が、思わぬ波紋を呼び起こす。

第7シーズンで最後となる「クローザー<ファイナル・シーズン>」。ファンにとっては、寂しい気持ちで観ることになる本シーズンだが、最後のDVD-BOXは笑顔にしてくれる特典が付いてくる。それは、“「クローザー」スタッフ&キャストによる座談会”。「番組の人気の高まりは予想通りだった?」という質問に「いいや、ヒットする自信も望みもなかったよ」など今だから語れる“ぶっちゃけトーク”から、舞台裏や制作秘話まで目白押し。さらに、思わず笑ってしまうNG集なども特典映像として収録。今回は、DVD-BOXを買わないと観れない貴重な映像をちょこっとだけ公開!