――映画『Michael/マイケル』を見て、最も印象に残ったシーンはどこですか?
中村:ライブの舞台裏の廊下で、ジャクソン5としての活動からマイケルがソロに切り替わるシーンです。マイケル本人の決意が強く固まったところで、ものすごく鳥肌が立ちました。アーティストの強さを感じましたし、マイケルの唯一無二のオーラが再現されていました。
山田:オープニングのまだ本人が映っていないけれど、声が聴こえた瞬間のシーンが一番印象的でした! 本当にライブを見にきたみたいで、自分がその場にいるような感覚になれました。
――中村さんはボーカリストとして、MJの歌声・歌唱表現の描かれ方をどう感じましたか?
中村:メロディーが特徴的な幼少期から、青年期への移り変わりとともにリズムがどんどん足されていく様子が、細かく描かれていてすごくステキでした。変声期を迎えたアーティストの中には、「幼少期のあの声がよかった」と過去に執着してしまう人もいると聞きます。しかしマイケルは、その変化をさまざまな音楽的要素へと昇華させ、「今」を肯定できるパフォーマンスを常に更新し続けていたのではないか、と見ていて思いました。
――山田さんはパフォーマーとして、心躍ったダンスの再現シーンはありましたか?
山田:モータウンで初めて「ビリー・ジーン」を披露し、ムーンウォークをしたシーンです。きっと誰もが見たことのある名場面ですよね! 観客のリアクションからも、実際に生でパフォーマンスに触れて刺激を受けるということは、どの時代も変わらない普遍的なものなのだと感じました。
――お二人とも大のマイケル好きですが、きっかけは何でしたか?
山田:僕の場合は熱烈なマイケルファンの両親の影響が大きいですね。家ではエンドレスでマイケルが流れていました。実際にライブにも行ったことのある母親は、マイケルが「Smooth Criminal」で投げたハットを隣の人と奪い合った…という逸話があって(笑)。
中村:えー!?
山田:そこで優しさを出して、ハットを手放したらしく…。その時だけは「何やってるんだ!」と声を荒げそうになりました(笑)。
中村:僕は「キャプテンEO」(東京ディズニーランドにあったアトラクション)きっかけでした。アトラクションを見て「かっこいいな~」と思い、キーホルダーを買って帰って。その後、ダンスをやりたい友達がいて自分も、と始めました。後々、幼き自分がダンス欲をかき立てられたきっかけがマイケルだったんだなあと、ダンスをやっていく過程で気付きました。
――その後、ボーカリストとしてはMJの歌からどんな影響を受けましたか?
中村:歌うということは、ただメロディーをなぞるだけではないのだと教えてもらいました。マイケル自身、歌が大好きで歌ってはいるものの、どこか「しゃべっている」ような感覚があるんです。自分の頭の中でイメージを広げ、ただただ大好きな音楽を誰かに共有するような、まるで友達に話しかけるような感覚で、ステージから何万人もの人へ届けているのではないかと感じました。僕自身もアーティストだからこそ、ただ歌うのではなく、伝えたいメッセージをしっかりと込めて歌っていきたいと常々思っています。
――ダンスについて、「ここがすごい」というポイントはどこですか?
中村:ダンスで自分のスタイルを確立されていることですね。マイケルは自分自身をきちんと理解しているからこそ、ステージで誰よりも魅せることができているのだと感じました。その人にしか表現できない「何か」を持っているということは、誰にでもできることではありません。それを身に染みて感じているからこそ、彼を本当に尊敬しています。
