2018年から1988年にタイムスリップした頭脳派刑事が、“当時の刑事”たちと共に事件を解決していくミステリードラマ『ライフ・オン・マーズ』。英国発の名作ドラマをリメイクした本作の“質の高さ”は、折り紙付き! チョン・ギョンホを主演に、パク・ソンウン、オ・デファン、ノ・ジョンヒョンといった演技派が脇を固め、韓国ドラマらしいユーモアや情を交えたストーリーが展開してく。その見どころを今から紹介していこう!
BBC制作のドラマ『LIFE ON MARS』(2006年)は、海外ドラマの賞の最高峰「エミー賞」で、「国際エミー賞ベスト・ドラマ賞」を受賞した傑作。『時空刑事1973 LIFE ON MARS』の邦題で放送されていたことから、知っている方も多いことだろう。本作は、そんな名作を大胆にリメイク! 手掛けたのは、 『エイリアン』シリーズのリドリー・スコットが製作総指揮を務めた人気ドラマ『グッド・ワイフ 彼女の評決』のリメイクを担当したイ・ジョンホ。元々の作品の良さに“韓国テイスト”を抜群のさじ加減で加え、オリジナリティー溢れる作品に仕上げる手腕は今回も健在。本家以上に熱く激しく、ユーモアに満ちた、クオリテイと満足度の高い作品となっている。
2018年から1988年の世界へとタイムスリップした主人公、ハン・テジュ刑事を演じるのが、韓国で一大ブームを巻き起こした2004年のドラマ『ごめん、愛してる』への出演で注目を集めたチョン・ギョンホ。また、テジュとは正反対の捜査方法で、犯人逮捕のためなら何だってやるベテラン刑事カン・ドンチョル役を、40歳になってから大ブレイクした遅咲きの演技派パク・ソンウンが熱演。他にも、オ・デファンや ノ・ジョンヒョン、コ・アソンなど、韓国ドラマではお馴染みのイケメン&美女が出演し、物語を盛り上げてくれる。
本作のメインの舞台となるのが、1988年の世界だ。ソウルオリンピック開幕を控えてにぎわうソウルの街を始めとして、小物や衣装、セット、雰囲気がばっちり味わえるロケーションなど、1988年を忠実に再現。さらに、捜査方法や感性までも1988年にタイムスリップ! 中でも、当時の大人気刑事ドラマ『捜査班長』のチェ・ブラムが話かけてくるシーンは必見。また、80年代初頭にプロモーションツアーでソウルを訪れた“クイーン”の楽曲が微かに聞こえてくるシーンなども。驚きの芸の細かさだ。
■韓国にどう馴染ませるか悩んだ
―― ハン・テジュはどんな役柄?
僕が演じるハン・テジュという人物は原則主義者で、科学捜査隊の微細分析証拠チームに所属している2018年の刑事です。とある事件を任されながら、その事件に関する手がかりを追っている際に事故に遭い、30年前に戻ることになります。なぜ自分が30年前に戻ることになったのか、その理由を暴いていくという役柄です。
もともと原作があったため、韓国にどう馴染ませるか、韓国式にしたらどうなるかというのを悩みましたね。韓国人の特徴は“情”だと思います。人物同士の間で生まれる互いの関係性とか…。原作ではテジュとドンチョルという人物の間にそこまで情は生まれないんです。でも今作では、仲良くなったり、別れるのを嫌がったり、そういう情が感じられます。原作との違いにも注目してみてください。
■セットや小道具がすごく印象的
―― 撮影中、印象に残っていることは?
撮影が行われた釜山には、プライベートや映画祭でもよく行きますが、30年前と言っても全く違和感がない路地があって、なんか不思議な感じでした。あとは、本当に30年前の1988年にいるみたいに感じられるようなセットや小道具がすごく印象的でした。
ただ、僕は1人での撮影が多かったので、正直(一人の撮影は)あまり楽しくありませんでした。捜査チームの5人が集まると、撮影が進まないくらい笑って、はしゃいだりしていました。ムードーカーはソンウンさんとデファンさん。2人には本当に笑わされました。