『虐殺器官』山本幸治プロデューサーが思う、スタジオ倒産と現在のアニメ業界

『虐殺器官』山本幸治プロデューサーインタビュー

『虐殺器官』山本幸治プロデューサーインタビュー クランクイン!

 「大変なことが起こった…」。約1年前の出来事をこう答えたアニメーション映画『虐殺器官』のプロデューサー山本幸治。制作スタジオ・マングローブの倒産により一時は制作中止の危機に陥った同作を、新スタジオ・ジェノスタジオが引き継ぎ、自身はツインエンジンという会社を立ち上げ、公開までこぎつけた。紆余曲折を経て、いよいよ公開を迎える『虐殺器官』について話しを聞いた。

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 『虐殺器官』は、夭折の作家・伊藤計劃氏の原作小説3作を連続劇場アニメ化していく一大プロジェクト「Project Itoh」の1作。成熟していない主人公の一人称で戦争を描き、リアルで鮮烈な戦闘シーンと、内省的で繊細な心理描写を映し出していく。物語の舞台は、9.11以降の徹底的なセキュリティ管理体制が敷かれた世界。あるとき、アメリカ情報軍特殊部隊のクラヴィス大尉に、世界各地で起こる紛争の首謀者とされる謎の言語学者・ジョン・ポールの暗殺ミッションが下る。クラヴィスは、ジョンの元教え子ルツィアに近づき、“虐殺の王”とされるジョンに近づいていく…。

 「いくつかのことが同時に起こった」と、昨年のマングローブ倒産により制作中止が危ぶまれた当時を振り返った山本。ただ、スタジオが倒産していなければ「どういうクオリティで公開するのかという不安もあった」と明かし、「一度(制作が)止まったことで、安心というわけではないですが、ひどいものを世に出さずに済んだということは思いました。(スタジオが)潰れて公開中止になる可能性もあった中で、制作を続けられた現状からみると、止まってよかったのかなと。これが続けられていなかったら、こうも言ってられなかったのかなとは思います」。

 元フジテレビの社員であり、同局の人気アニメ枠“ノイタミナ”を手掛けていた山本。「経営と言いますか、もう少し大きな枠組みから(アニメ)を作ってみたい」という思いから同社を退社。現在は「制作現場が頑張っていいものを作ったことを活かせるビジネススキームを作ることが仕事」だと話す。経営の立場になり、いざ舵を取る最初の作品として「Project Itoh」を選んだ山本。その理由を尋ねると、いくつかの出来事が重なった結果であることが浮かび上がってきた。

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