「ホラー秘宝まつり」でルチオ・フルチ『野獣死すべし』が日本初上陸 手に汗握る予告解禁
8月に開催される映画祭「夏のホラー秘宝まつり 2022」でスクリーン初上映を果たす、ルチオ・フルチ監督作のスプラッター・マフィア映画『野獣死すべし』の予告編が解禁された。
【動画】スクリーン初上映! ルチオ・フルチ珠玉のエンタメ作『野獣死すべし』予告編
「ホラー秘宝まつり」は、2014年からキネカ大森(東京)にて開催がスタートした観客参加型のホラー映画祭。9回目を迎える今年は、映画祭史上最大規模となる4都市・7劇場同時開催を実施する。
本映画祭にてスクリーン初上映を果たす『野獣死すべし』は、『サンゲリア』で大成功を収めたイタリアン・ホラーの巨匠ルチオ・フルチが手掛けたギャング映画。密輸組織が暗躍するナポリの港町で、麻薬組織に因縁を持つ密輸業者の男が報復のため立ち向かう姿を描く。新旧犯罪組織の対抗という図式ながら、ルチオ・フルチ特有の人体破壊描写も光る快作。フルチ自身もカメオ出演している。
密輸組織の拠点である港町。縄張りの拡大をもくろむ麻薬組織に兄を殺された密輸業者の男が報復のため、彼らに接近。密輸組織内部に潜む裏切り者が幹部暗殺の手引きをしていたことが発覚し、やがて事態は組織全体を巻き込んだ大がかりな抗争へと発展していく…。
約4分間の予告編は、水面を駆け抜ける数隻のボートと、それを双眼鏡で注視する男たちの登場で幕を開ける。霧の中から登場し密輸の合言葉を口にするルカが本作の主人公だ。
ルカと彼の美しい妻とのいさかい、密輸を何者かに密告され撤退を余儀なくされる一幕、その裏切者はいったい誰なのか…疑念と焦りから仲間の真意をあぶり出そうと躍起になる男たちの姿など、次から次へと物語の核になる要素が画面に映し出されていく。
そして中盤以降は、怒濤(どとう)の銃撃事件が教会、競馬場などあらゆる場所で勃発。家族と同様に大切に思っている仲間の死、仕事への誇りと直面している現実、そこに急浮上する利権争い…たまりにたまったフラストレーションがド派手なアクションへと昇華していく。
初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーを思わせる主演ファビオ・テスティの、時にりりしく時に切ない表情や、ガンアクションや大胆な跳躍など、ドラマ面もアクションも見どころが満載。そしてルチオ・フルチ監督の真骨頂である肉片飛び散る破壊描写ももちろん健在だ。
本作上映にあたり、映画評論家の高橋ヨシキ氏は、「ナポリの密輸マフィア対フランスの麻薬ギャングの、文字通り血で血を洗う抗争を描いたルチオ・フルチ版『仁義なき戦い』とでもいうべき作品である」と推薦コメントを寄せている。
「夏のホラー秘宝まつり 2022」は、東京・キネカ大森にて8月12日~9月1日、アップリンク吉祥寺にて8月12日~9月1日、ヒューマントラストシネマ渋谷にて8月12~25日(『野獣死すべし』を単独上映)、名古屋・シネマスコーレにて8月、大阪・第七藝術劇場とシアターセブンにて8月13日から、京都・アップリンク京都にて8月12日~9月1日開催。
<高橋ヨシキ氏推薦コメント全文>
ナポリの密輸マフィア対フランスの麻薬ギャングの、文字通り血で血を洗う抗争を描いたルチオ・フルチ版『仁義なき戦い』とでもいうべき作品である。もちろん、フルチのトレードマークともいえる残酷描写も大盤振る舞い。物語が進むにつれて残虐度がどんどんと増していく、血まみれローラーコースター・ライドとしての側面もある。一方、謀略と裏切り、怒りと愛と復讐が交錯する物語は堂々たるマフィア映画の風合いを感じさせる。実際にナポリの密輸マフィアが製作に協力したことで醸し出される異様な迫力も特筆に値する。冒頭を飾る、圧巻のボート・チェイスに登場する高速ボートは密輸団が使っている本物なのだそうだ。愛するナポリをフランスのギャングに蹂躙されてたまるかと、引退した老マフィアが次々と立ち上がるクライマックスは本当に熱い! 魂を揺さぶるフルチ一世一代のギャング映画を見逃すな!
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