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SCANDAL、映画『私ときどきレッサーパンダ』で感じた“大切なこと”とは? 「自分のままでいることが一番素敵」

映画

提供:ディズニー

  • SCANDALの(左から)TOMOMI、HARUNA、RINA、MAMIも映画『私ときどきレッサーパンダ』を絶賛!

     ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』が3月11日(金)からディズニープラスにて独占配信開始となる。本作は、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』など、ユニークな“もしも”の世界を描き、数々のヒット作を生み出してきたディズニー&ピクサーが、モフモフの“レッサーパンダになってしまう女の子”を描く最新長編アニメーション作品。今回クランクイン!編集部は、昨年結成15周年をむかえたガールズバンドSCANDALのメンバー、HARUNA・MAMI・TOMOMI・RINAにインタビューを実施! 鑑賞後「本当に素敵でした!」と声をそろえる4人が、作品の魅力から思わず共感した学生時代の“思い出”まで熱く語ってくれた。

  •  親の前では本当の自分を出せないが、友達といるときはありのままでいられる。本作はそんな「自分らしさ」に悩む少女・メイが、ある日突然レッサーパンダに変身してしまったことで起こる騒動や変身の裏に隠された秘密を描く。日本のアニメやカルチャーにインスパイアされた表現や演出にも注目したい作品だ。

    ピクサー作品は“かっこいい大人”になるための道しるべ

    ――まずは、作品をご覧になった率直な感想をお聞かせください。

    HARUNA

    HARUNA:「自分は自分でいいんだ」というメッセージを感じ、すごく勇気づけられました。私自身も30代になってから、自分のアイデンティティーを守って生きていくことを大事にしています。今の自分の人生に寄り添ってくれる作品だと思い感動しました。

    TOMOMI:最高でした! 多様性という言葉が使われるようになった今の時代にすごくフィットした作品だなと思いました。ジェンダーの問題、国籍、年齢。人との違いを感じながら生きている人もたくさんいると思うのですが、そういう人の背中を押してくれる作品です。「こんなことを感じている自分ってちょっと変わっているのかな」と思うことって誰しもありますよね。自分は自分のままでいることが一番素敵なんだということを改めて教えてくれる、共感できる作品でした。

    RINA

    RINA:見終わった後に本当に優しい気持ちになれる映画だと思います。いろいろな立場から、いろいろな気持ちが描かれていて、誰1人取り残されることのないストーリーでした。“自分を解放すること”を描いた象徴的な場面が劇中に出てくるのですが、そのひとつとして「ライブ会場」が出てきて、私自身の想いとリンクして気持ちが高まりました。やっぱりライブは自分の気持ちをすべて解き放てる大事な場所だと実感しました。

    MAMI:一度涙が出たらエンドロールまでずっと止まらないほど感動しっぱなしでした。私の友達はもうお母さんになっていて、メイと同じ年ぐらいの子供がいる人もいます。なので、より共感できたというか、もしかしたら自分もバンドという道を選んでいなかったら、親になってメイのお母さんみたいに自分の理想を押しつけるような子育てをしていたかも……とか想像してしまいましたね。

    でも、実際は音楽という自分の好きなことを仕事にして、中高生の頃から好きなことを続けていた身としては、そんな私を母はどう思っていたのかなと子供側からの視点も持てたり。色々な年齢の女性の立場から考えられる作品だと思いました。

  • ――過去のピクサー作品で特に好きな作品があれば教えてください

    HARUNA:私は割とたくさん見ているほうだと思うんですけれど『インサイド・ヘッド』はブルーレイを買うくらい好きでした。自分と向き合うという点では『私ときどきレッサーパンダ』と通じる部分がありますね。

    30代になってから特に、“これまで向き合ってきた自分をどう解放していくのか”というところにフォーカスして、自問自答しているので、私が抱えている悩みや想いはピクサー作品のテーマに共通するところが多いと思っています。いつもピクサー作品に背中を押してもらっています。

    TOMOMI

    TOMOMI:ピクサー作品は全作好きなのですが『あの夏のルカ』が特に好きです! 禁止とされているものを飛び越えていく冒険物語が大好きなんですよね。ダメと言われても、それを飛び越えないとわからないことがあると思いますし、そこで手に入れた友情や本当の自分って、一番大切なものになってくると思うんです。失敗を繰り返しながら、自分のウィークポイントやコンプレックスに直面して、いずれはそこを愛せるときがくるような気がしていて。

    私がかっこいいと思っている大人はみんな自分のことが好きで、ちゃんと“セルフラブ”している人たち。そういうかっこいい大人になるための道しるべのようなピクサー作品がすごく好きだし、ファンなんです。

    「共感することばかり」 自分らしくいたからこそ、今がある

    ――『私ときどきレッサーパンダ』をご覧になって、みなさんの思春期の頃と通じる部分はありましたか?

    RINA:メイと友達のように、中高生の時から4人でバンドをずっとやってきているので、やっぱりメンバーのことが思い浮かびましたね。今のメンバーが一番の仲間、一番の理解者だし何回でも許し合える関係です。特に10代の頃はそういう仲間が側にいてくれるからこそ乗り越えられたことや、自分を許せたことがいっぱいあったなと…思い返していました。(SCANDALは、)大切な場所ですね。

    HARUNA:メイと同じように思春期の頃はたくさん母親と衝突したな、と作品を観て思い出しましたね。音楽を始めるときも、習い事ではなくちゃんと「デビューしたい!」という夢を持ってはじめようとしたのですが、やはりそこにはお金がかかったり、家から遠いスタジオに通わなければならないという問題があったので、最初は反対されました。

    夢を夢だと思ってもらえなかったこともあって、泣きながら喧嘩したこともありました。でもそれをちゃんと貫き通して自分らしくいたからこそ、今があるんだと思います。作品には共感することばかりでしたね。

    MANI

    MAMI:スクールに入るときは私も母に駄々をこねて入らせてもらいました。音楽を本気でするということは、時間もお金もかかる、ただの習い事じゃない。しかもこの先がどうなるかわからない。

    通い始めたのはメイと同じくらい、中学1年の時だったので、やらせていいのか?そりゃ母親も心配だっただろうという気持ちは今になってすごくわかります。でもスクールでの仲間との交流や、友達ができることですごく世界が広がったということを母は喜んでくれました。母も音楽をやりたかった人なので、私が音楽の道で夢を叶えるという親孝行もできました。

  • ――メイと友達の4人の関係性について、SCANDALの皆さんが「似ている」と感じたところがあれば教えてください。

    RINA:性格はバラバラだけど分かり合える共通言語がいっぱいあるという部分は、私たちと全く一緒ですね(笑)。私たちも4人全員、趣味も性格もバラバラで似てないんです。だけどひとつの塊になれるんです。そして、バラバラなのに1つになったら心地いいんですよね。

    HARUNA:ちょっとしたことで喧嘩しちゃっても、メイと友達はお互いを思いやっていましたよね。メイが落とした携帯育成ゲームを友達が拾って、代わりに大事に育てていてくれたシーンがあったじゃないですか。あそこはグッときました。

    あんなふうにちょっと喧嘩っぽくなったとしても、やっぱり相手への思いやりが勝るところは、すごくわかるような気がします。私たち4人だってずっと仲がいいわけじゃなくて、制作の面でぶつかったり言い合いになることもあるのですが、絶対にそれで嫌いにはならないです。お互いのいいところをみんなちゃんとわかっているから。絶対に見放さないっていうところはものすごく共感しましたね。

  • 自分のことを愛せるか―― 大切なことを教えてくれる映画

    ――では、人生の中で「この4人でいてよかった」と思う瞬間を教えてください。

    TOMOMI:うーん……(4人でいることが)あたり前になっているので、改めて「よかったこと」をあげるのがむずかしいですね(笑)。でも、まずこの4人じゃないと15年もやってこれていないですね。やはり音楽を作るという仕事は孤独との闘いだと思うんです。正解がないですし、自分たちが納得できるところまで作り続けるというのはあまりに孤独なことなので、それを1人でやるとなったら私だったら1日も持たない。4人の個性がバラバラな中で、助け合ったり補いあったりしながら15年やってこれたなという感じです。

    MAMI:ライブもまさにそうですね。1人で大きなステージに立てと言われたらきっと無理だと思う。見に来てくれる人も、いろいろな感情があって来てくれているわけじゃないですか。それを全部受け止められないかも…って思っちゃうときもあります。でも4人の円が重なってさらに大きな円ができたときに、全部を受け止めてお返しもできるくらいのパワーになるのだなというのは、ステージを重ねてきたからこそ実感しますね。

    ――では最後に、本作の見どころを改めてお願いします。

    HARUNA:どうやって自分のコンプレックスを受け入れて、自分を愛せるか。10代はもちろんですが、私たち世代にも大切なことを教えてくれる作品です。嫌いな部分や未熟なところも自分だと認めることで自分が何者かわかってくる。そうすると自分のことをもっと好きになって、友達のことも好きになって、家族のことも好きになって、すごく生きやすくなると思います。色々な自分をまっすぐに見つめる、ということに注目して観ていただければと思います。

    MAMI:個人的には、“推し文化”について描かれているところにもグッときました。メイが推しに会えた時に、嬉しくて泣いちゃいました(笑)。今は推しに会えていない人たちがたくさんいると思いますが、メイが会ってくれたことで、晴れる気持ちもあると思います! ぜひ、そんなメイと推しにも注目して観てください。

  • 映画『私ときどきレッサーパンダ』は、3月11日(金)よりディズニープラスにて独占配信。


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取材・文:Nana Numoto、クランクイン!編集部/写真:松林満美

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