「受け入れながら生きていく」 KANA-BOONの谷口『ムーンナイト』で描かれる“人間の二面性”に共感!
提供:ディズニープラス
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KANA-BOONの谷口鮪がマーベル・スタジオの新ドラマ『ムーンナイト』を鑑賞!
マーベル・スタジオが贈るオリジナルドラマシリーズ『ムーンナイト』がディズニー公式動画サービス「Disney+(ディズニープラス)」で日米同時配信中だ。ギフトショップの店員をする心優しいスティーヴン(オスカー・アイザック)はある日、自分の中に“自分以外の誰か”が潜んでいることに気付く。コントロールできないその男の正体はマークという名の暗殺者だった。マークに狂気が宿るとき、白いスーツのダークヒーロー“ムーンナイト”が誕生する。今回、クランクイン!ではKANA-BOONの谷口鮪に 『ムーンナイト』の魅力を存分に語ってもらった。
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全身白いスーツで出てきたとき、鳥肌が立ちましたよ!
――『ムーンナイト』の率直な感想を聞かせてください。
これまでと全く違う、新しいヒーローが登場したと思いました。ヒーローと言い切れるのかもまだわからない。やっぱり第1話のインパクトはすごかったです。普通だったら、つかみとしてふんだんにアクションを入れ、キャラクターによってはヒーローの能力を先に見せるところを『ムーンナイト』はあえて見せない。人格が入れ替わってマークが戦っている姿が描かれていましたが、気がついたら人格がまたスティーヴンに戻っていて。いったい何が起きたかを本人もわかっていないし、もちろん僕たちもわからない。でも物語は進んでいく。ちょっと、今までにないサイコスリラー・アクション、サスペンスみたいなテイストでしたね。
――コスチュームの感想を聞かせてください。
第1話の最後で、いきなり全身白いスーツで出てきたときに「カッケー……」と鳥肌が立ちましたよ。“スーツ”を身にまとうという意思を持つことで、ヒーローの姿になる。二種類のコスチュームがありましたが、マークはいろいろな戦いを経験し、スティーヴンはただの歴史オタクで“スーツ”がどういう力を内包するのかわかっていないという違いがよくわかりました。二人の衣装だけでなくアクションもそれぞれのキャラクターによって違うし、ちょっと余裕のある演出もあったりして、そういう点も面白かったです。
――コンスの件も、気になるシーンがたくさんありましたね。
この作品の面白さは特殊能力だけじゃない。第3話から舞台がエジプトになり、エジプト神話を深く知ることができるところにもあると思います。ツタンカーメンとかファラオとか、造形も含めてワクワクしましたね。
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これからの音楽でもマイノリティを感じている人に届く音楽をやりたいと思いました
――スティーヴンとマークの演じ分けはいかがでしたか?
最初は暗転して完全にシーンが切り替わることで、不器用なスティーヴンからタフなマークへ、またマークからスティーヴンへと入れ替わりました。ところが第2話と第3話ではマークが「俺に替われ」と言って変異し、オスカー・アイザックの表情の演技だけで入れ替わるようになる。別の人格に乗り移る瞬間がわかるというのがすごい。全くの別人ですよ。 さらに吹替の関智一さんの声の演技もすごかった。切り替えのときのキャラクターの個性がとてもわかりやすかったですね。声の部分もまた、作品の見どころになってくるのかなと思いました。
――同じ役者でも、スティーヴンとマークでの印象はガラリと変わります。谷口さんも楽曲によって歌い方や声色を変えることがありますか?
基本は自然体ですが、変える部分もありますよ。普段、僕が「この歌詞はこう歌いたい」と感じている部分が、俳優さんにとっての「このセリフはこう演じたい」になるのかなと思いました。
――この作品からインスピレーションや、クリエイティブに繋げていけるような発見はありましたか?
“二つの人格を受け入れて生きていく”という部分に共感しました。スティーヴンとマークが切り替わりながら冒険していくというのは、一人の人間の中に二人の人格があるってことじゃないですか。人間の二面性は、実は人それぞれにあると思いますし、その二面性の光と闇を、どうつないで生きていくかだと思うんです。どちらかに完全に振るというのではなく、どちらも考え、それを受け入れながら生きていくにはどうしたらいいのかなというところが通じますね。“ずっと光っていなくてもいい、悩みを抱えながら生きていいんだ”というのを、僕自身も感じましたし、これからの音楽でもマイノリティを感じている人に届く音楽をやりたいと思いました。
――MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の根幹となる考え方と『ムーンナイト』の展開にもやはり繋がりを感じますよね。
MCUには、“誰もが問題を抱えている。でも、大丈夫。それでいい。”というメッセージがあると思っています。そして、それを観た人が自分を重ねることで、“同じような人がいるんだな”ってちょっと心が楽になれる。『ムーンナイト』は、今までのMCUの中で一番デリケートな人の心の在り方を描いていると思いましたね。キャストの演技や演出方法にその“想い”を強く感じます。
――今のところ、別の作品と世界線は繋がっていませんが、そこについて感じることはありますか?
世界線が綺麗に分けられているのは、それはそれでいいなと思います。まだMCUを観たことがない方に対して、今回の『ムーンナイト』からマーベルの世界に触れてもらうことは、他の作品との繋がりがない分、すごくいいかもしれませんね。
――今からマーベルを好きになってもらいやすいというのはいいですね。
『ムーンナイト』という作品だけでしっかり楽しめる。今後、他のMCU作品と何かしらの繋がりが出てくるとしたら、それもまた楽しみになりますね。MCUのドラマ作品は登場するキャラクターの個性や背景を時間かけてとことん深堀して描いているので、知れば知るほど、どんどんハマっていけると思っています。
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自分から一歩踏み込むことで広がる楽しさ
――今後のMCUへの期待はありますか?
MCUは『アイアンマン』を中心として、近未来だとか、“テクノロジー”を中心にして展開してきたことに対し、フェーズ4からは『ドクター・ストレンジ』を主軸に“マルチバース(別次元の世界)”の方向に進んでいるように感じます。『ワンダヴィジョン』もそうですし。神話や、多次元の世界に向き合う姿勢は、可能性が無限に拡がってすごく面白いですね。
――最後にもう一度、『ムーンナイト』の魅力をお願いします。
『ムーンナイト』は冒険物語として、初めてMCU作品を観る人にも観やすい作品です。テーマの部分では、“人間”というものについてとても考えさせられる。(でも、そんなに重たい気分にならずに観ることができる。)あとはアバターという概念ですね。スティーヴンとマークは、コンスという神様に体を貸している状態です。コンスからアバターとしての役割を与えられていますが、そもそも人間は、それぞれが何かしらの“役割を持っている”ものです。それは人から与えられるものかもしれないし、生きていく上で自分が見つけるものなのかもしれない。なにか“役割を持って生きていく”ということでは、僕は去年、自分で見つけました。それをエンターテインメント作品で描いてくれているところに見応えを感じます。自分から一歩踏み込むことで、さらに見えてくるものがあり、楽しめる作品だと思いました。
『ムーンナイト』はディズニープラスにて独占配信中。
(C)2022 Marvel
取材・文:nana numoto、クランクイン!編集部/写真:小川遼
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