“映画大好き芸人”こがけん絶賛の『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』、「ディズニーの本気が見える」
提供:ディズニープラス
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『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』を鑑賞したこがけんにオンラインインタビューを実施!
ディズニーの人気コンビ「チップとデール」が初の主演を務める長編映画『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』が、ディズニー公式動画サービス「Disney+(ディズニープラス)」で好評配信中だ。アニメーションシリーズ『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』(1989年)から約30年の時を経て、チップとデールがカムバックを果たす。本作では“2D”のチップと“3D”のデールが“実写”の世界で物語を繰り広げ、まさに3つの世界が入り混じるディズニーの新境地となった。さらに本作を盛り上げているのが、映画好きを唸らせるユーモアたっぷりのパロディやオマージュの数々だ。今回、クランクイン!では“映画大好き芸人”として知られ、多数の映画評論なども執筆している、おいでやすこがのこがけんに『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』の魅力をふんだんに語ってもらった。 ※以下、本編のネタバレを含みます。
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アニメーションシリーズ『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』をきっかけに、一世を風靡したチップとデール。一緒に出演する仲間と夢のような暮らしを送っていたが、ある事情でシリーズは打ち切られてしまう。その後チップは保険会社に勤務し、デールはCG手術を受け、かつての栄光に思いを馳せつつも再ブレイクを夢見ていた。だがある時、レスキュー・レンジャーズに一緒に出演していた仲間が謎の失踪を遂げる……。友人を救うため、チップとデールは再び手を取り立ち向かう。
こがけんが注目する「ディズニーの3つの本気」
――『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』の感想を聞かせてください。
こがけん:めちゃくちゃ笑っちゃいました。とにかく楽しくて。事前情報で話題になっていたのは、本作が実写とアニメーションを融合させた作品だということ。それを聞いて、僕はディズニーの名作『メリー・ポピンズ』や『ロジャー・ラビット』のような作品を想像していたのですが、本作はさらに突き抜けていましたね。なんと、出てくるキャラクターがいわゆるセルアニメだけではなく、ありとあらゆるアニメーションの手法によって描かれているんです。CGアニメやクレイアニメ、パペットのキャラクターまでもが作中に混在している。これには興奮しました。本作には、他にもタブーをものともしない斬新さが随所に詰まっていて、僕は“ディズニーの本気”を感じましたね。
――今までのディズニー作品に言及するようなシーンや、他スタジオの映画作品のキャラクターも登場していましたね。
こがけん:そうなんです。僕が「ディズニーの本気」を感じた1点目は、出てくるキャラクターのジャンルレス、ボーダレスっぷり。作中には無数のキャラクターが登場しますが、登場するのはディズニーのお抱えメンバーだけじゃなく、ディズニー以外のキャラクターもたくさん登場します。ディズニー作品で、かつてこれほどまでに思いきったキャスティングがあったでしょうか。よく権利関係をクリアできたなあと感心しました。
2点目は、ディズニーキャラクターたちに手を加えることも厭(いと)わない攻めの姿勢です。みんなにとってお馴染みのキャラクターたちが、まさかの姿になっちゃう(笑)! “笑い”や“ユーモア”のために、ディズニーがここまでやるとは…。これには本当に驚かされました。
そして3点目は、チップとデールが立ち向かう相手、悪党スウィート・ピートの設定です。彼は人気者のキャラクターを誘拐し、自作の偽装ソフトに強制的に出演させて大儲けします。それって、実はリアルの世界でも(偽造版という形で)実際に映画スタジオや配給会社が頭を悩ませてる問題のひとつですよね。それを物語のスパイスとしてディズニー自身が取り入れるという、セルフパロディ的ブラックユーモアのセンス! この3点に、僕は「ディズニーの本気」をビシビシと感じました。――これまでのチップとデールのキャラクターにはどんな印象を持っていましたか?
こがけん:チップとデールは知名度こそあれ、それぞれの個性となると一般的には伝わりにくかったと思うんです。「どちらがチップでしょう?」がクイズの問題になったりしますよね。でも本作を観ると、彼らが持っている個性は全く別のものだと分かります。本作ではチップがセルアニメタッチ、デールがCGアニメタッチとビジュアル面でも思い切った描き分けをされ、各々の選んだ人生の違いがより際立つような演出がされています。しかも、ふたりが同じ画面にいても混同しないという利点もあって、上手いですよね。きっと今後はチップ推し・デール推しと、それぞれのファンもさらに増えるんじゃないですかね。
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やっと浮かばれた“あの”キャラクター
――オマージュやパロディがたくさん盛り込まれていますが、特に気になったキャラクターを教えてください。
こがけん:ハリウッドの子役が成長した後にちょっとヤサグレちゃう「子役あるある」ってあるじゃないですか。それをまさか、あの“大人にならない少年”ピーター・パンに投影するとはオーマイガーでした!
あとは、なんといってもアグリー・ソニックですかね。『ソニック・ザ・ムービー』が公開された当時、映画版ソニックの“人間みたいな歯”にソニックファン、映画ファンがザワザワしたことを覚えていて(笑)。当時あの作品に携わったスタッフの方たちは、まさかあんなカタチで自分たちの苦労が報われるとは想像もしなかったでしょうね。シニカルではありますが、あのビジュアルが“笑い”で成仏できてよかったです。――映画好きにとって熱い展開がたくさん隠されていましたよね。
こがけん:そうなんですよ! 本作のチップとデールは劇中劇『レスキュー・レンジャーズ』を演じる往年の人気俳優という設定ですが、物語が進むにつれ、本当にレスキュー・レンジャーズとしての活躍が求められていく。この“偽物が本物みたいに活躍する”展開って、『チャップリンの独裁者』『サボテン・ブラザース』『ギャラクシー・クエスト』などにも似ていて、名作映画のひとつの黄金パターンだと思うんです。特に僕は、本作の下敷きには『ギャラクシー・クエスト』があるんじゃないかと思っています。デールが電話でヒントをもらうシーンなんて『ギャラクシー・クエスト』に似ていて、胸がアツくなりましたね。
――2回目、3回目と見たときに、まだ見つけていなかったネタが見つかるところも本作の魅力ですよね。
こがけん:本作はキャラクターの数だけ無数のパロディが存在する作品です。観るたびに新たな発見がありますし、配信作品なので元ネタを調べながら繰り返し楽しむこともできますよね。子どもと大人が一緒に観れて、それぞれのポイントで楽しめる点も魅力的です。同じディズニープラスで、アニメーションシリーズ『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』(本作では劇中劇の位置付け)を観てから本作を見返してもいいかもしれませんね。
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「レスキュー・レンジャーズ」は人生の話
――この物語ではコンビ間の複雑な関係性も見どころになっていたかと思います。コンビで芸人さんをしていることで共感できる部分はありましたか?
こがけん:ありますね。今の若手は仲の良いコンビも多いので一概には言えませんが、僕が昔コンビを組んでいた頃など、初めのうちは「売れたらこうしよう」なんて夢や展望を語り合うのに、3、4年目くらいからそういう会話がなくなっていって…というのが“あるある”だった気がします。だからデールが自分の正直な気持ちや不安をチップに上手く伝えられずにふたりの関係性が拗(こじ)れてしまったのは、すごく共感できました。
――チップとデールのような関係性の変化はコンビ芸人さんだとよくあることですか…?
こがけん:うーん、けっこう多くの芸人が一度は通る道なんじゃないですかね。コンビをやっていて順調でも、しばらく続けていると「このままでいいのか」と不安になる。売れないと余計にそう思うわけです。相手のせいにしてみたり、解散して他の人と組もうなどとジタバタしてみたり。実際に何が正解かは分からないんですけどね。
あと、僕の周りの芸人を辞めた人って、その後、営業畑で活躍する人が多い印象で。おそらく一般の方に比べてお喋り上手・プレゼン上手だからではないでしょうか。本作で保険会社の営業マンを勤めるチップの姿は、まさにそんな姿と重なって、リアリティがありました。――最後に改めて、本作の一番のおすすめポイントを教えてください。
提供写真
こがけん:アニメーションシリーズ『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』の彼らの印象って、かわいらしいイメージでしたよね。それが30年の齢(よわい)を重ね、本作のチップとデールはすっかり大人なうえ、「人生これでよかったのか」という迷いを抱えている。すなわち「中年の危機」にあるんです。保険会社で良い成績を残しても満たされなかったり、将来のことを考えてCGの整形手術を思い切ってしてみたり……表には露骨に出さないものの、実は迷走しまくっている彼らの姿に僕はすごく共感できました。まさかチップとデールの新作がこんなにも胸に刺さるとは…不意打ちでしたね(笑)。
魅力的なキャラクターと沢山の小ネタで笑わせてくれるうえ、大人が抱える切実な問題にも実は刺さりまくる痛快作。ぜひ幅広い世代の方に楽しんでもらいたいです! -
映画『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』はディズニープラスにて独占配信中。
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© 2022 Disney Enterprises. Inc.
取材・文:Nana Numoto、クランクイン!編集部
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