「トイ・ストーリー」で誰よりも仲間思いのバズ・ライトイヤーの、知られざるルーツを描く感動のファンタジー・アドベンチャー。有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。地球に帰還するため、バズは猫型の友だちロボットのソックスと共に不可能なミッションに挑む。その行く手には、ずっと孤独だったバズの人生を変える個性豊かな仲間たちと、思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた──

――映画『バズ・ライトイヤー』はいかがでしたか。

本田：実は「トイ・ストーリー」シリーズで、ずっと気になっていたことがありました。主人公のアンディは、ウッディのことが大好きでしたが、バズのおもちゃをもらってからはバズにも夢中になっていましたよね。だから、そんなアンディがバズに夢中になるきっかけになった“アンディが観たバズの映画”というのがどんなストーリーなのか、知りたかったんです。今回、自分がその映画『バズ・ライトイヤー』を観ることができて純粋にとてもうれしかったです。

――印象的なシーンはありましたか？

本田：ネタバレになってしまうので、あまり詳しく言えないのですが物語の終盤で、ソックス（超ハイスペックなバズの友だちロボット）とバズの心が繋がるシーンがあるんです。何気ないシーンですが、ソックスはちゃんとバズのことを見てたんだと思う感動的なシーンで、そこでとても心が動きました。

――どんなところが本田さんの心を動かしたのでしょうか？

本田：過去とか未来の自分じゃなくて“今、目の前にいる自分”を見てくれて、好きでいてくれる感じですかね。私もバズのようにこれからもどんどん新しいことに挑戦しようと思っています。メイクも毎日違ったメイクをして、ファッションも好きなジャンルを決めずにいろいろな洋服を着て、いろんな自分を見てもらいたいと思っています。挑戦していくことで自分も知らなかった自分と出会えるし、そこで新たに自分を好きになってくれる方もたくさんできると思っています。

でも、新しいことに挑戦する時はもちろん不安になることもたくさんあります。そんな時にちゃんと今の自分を見てくれているファンの方から「ひぃちゃんが努力している姿が、頑張るための源になっているよ」とか温かいコメントをいただけることが本当にうれしいです！

――本作を観て、これまでのおもちゃのバズと印象が違ったところがあれば教えてください。

本田：今回の映画で、バズはすごく責任感が強いキャラクターなんだなと思いました。「トイ・ストーリー」シリーズのおもちゃのバズは陽気でちょっと抜けている感じの印象が強かったんです。でも今回おもちゃのバズの原点であるスペース・レンジャー“バズ・ライトイヤー”にスポットライトが当たった時に、人にあまり頼らずに自分で責任を背負って、みんなのためにいろいろと頑張っている姿を見て、すごく頼もしいなと思いました。同時にバズの人に頼れない部分は、私と似ているなと感じました。今年初めてAKB48のセンターをやらせていただいたのですが、今まで以上に責任感やプレッシャーを感じることもあり、余計にバズが置かれている状況に共感してしまいました。

――本田さんも誰かに頼ることは、あまりしないほうですか？

本田：最近は頼られる側になりたいと考えていたので、自分が頼る側になることは少なくて……。でもこの映画で、仲間がいるからこそできることがたくさんあると感じました。私も自分一人で抱え込むんじゃなくて、周りに助けてもらいながら一緒に夢を叶えていけばいいんだと、勇気をもらいました。

――ほかに気になったキャラクターやシーンはありますか？

本田：私、食べることが大好きなので（笑）、バズがサンドイッチを食べるシーンがずっと気になってるんですよ！　「パン・ハム・パン」じゃなくて、パンをハムでサンドしている「ハム・パン・ハム」のサンドイッチが出てきましたよね！　パンが真ん中なの!!って（笑）。でも、もしかしたら、本当にそういう時代が来るかもしれないですからね。

それに、このシーン1つとってもディズニー／ピクサーのこだわりが詰まってるなと思ったんですよね。バズが「ハム・パン・ハム」のサンドイッチを食べるんですけど、いい感じの脂感で光沢が出ていて、本当においしそうなんですよ！　ディズニー／ピクサーの映画は食べ物やちょっとした小物がいつもリアルで、そういう細かいところまで楽しめるように描いているのが本当にすごいなと改めて感じました。

あと、今回吹き替え版で鑑賞させていただいたのですが、実は私、イジー役の今田美桜さんが大好きでいつもドラマを拝見していたので、今田さんの声のお芝居の素晴らしさにも感動しました！

――本作には「失った時間があるからこそ得たものがある」というメッセージが込められていたと思います。これに関して、本田さんが感じたことがあれば聞かせてください。

本田：私は韓国で活動していましたが、はじめから活動期間が2年半と決まっていたので一日一日を大事にしようと思い、できる努力は全てやってきました。どんな些細な時間も、もったいないと思って色々詰め込んでしまっていたんですよね。ですが今回、バズの時間が一瞬で過ぎてしまうことや、アリーシャが長い年月をかけて大切な家族を築いていく姿を観て気付いたことがありました。一日一日を大切にすることももちろん大亊なのですが、長いスパンで見たときに時間と共に育まれるものもあるのだと。休みの日に一日中寝ちゃったときに時間を無駄にしてしまったと後悔することもあるのですが、今の自分には休むことも必要だという考え方に変えていきたいと思いました。これからは、少し長いスパンで将来の自分を考えてみたいなと思います。

――毎日を大切に過ごしながらもしっかり前を向いている本田さんですが、前向きに日々を過ごせる工夫はありますか？

本田：毎日、日記をつけるようにしています。「この日はすごくいい日だったな」と思うことがあっても、何年か経つと忘れてしまう。それはもったいないことなので、しっかりと日記につけています。落ち込んでいるときにそういう日の日記を振り返ると、自分はこんなに恵まれていて幸せな瞬間がたくさんあったのだから、くじけないでまた明日から頑張ろうと思えるんですよ。この日記をはじめたのは韓国にいた頃でした。語学の勉強もかねてスタートした日記だったので、今でも韓国語で書くこともあるんです。

――バズもことあるごとに＜航星日誌＞をつけていましたよね（笑）。忙しい中で毎日書くのは大変じゃないですか？

本田：私の場合は、文字の量も多くないですし、何もなかった日は食べた物を書くだけなんて日もあるので全然苦じゃないですね。それに、落ち込んだことがあった日とかは「こういうことで失敗したけれど、明日からはまた頑張ろう！」というふうに、締めの言葉を明るくポジティブな言葉で終わらせることで、前向きな言葉を自分に言い聞かせる効果もあるんです。そうしたら、不思議と自信がつくような気がするんですよね。

――最後に、これから『バズ・ライトイヤー』を鑑賞する方に向けて、おすすめのポイントを改めてお願いします！

本田：ディズニーランドに行くような気分で、映画を観に行ってほしいなと思います。観終わった後も、パークのアトラクションから降りた後のようなワクワク感や臨場感を味わえるので楽しみにしてほしいですね。あとは私と同じように自分だけで悩みを抱え込んでしまう人にも、ぜひ観てほしいなと思います。映画を観終わった時には、もっと周りに頼っていいんだと改めて思えるようになるんじゃないかな。いろんな人におすすめしたい映画ですね！

映画『バズ・ライトイヤー』は、7月1日（金）より全国公開。