【映画・エンタメライターのレビュー大公開!】『WOWOWオリジナルドラマ ワンナイト・モーニング』、“エモすぎる”一夜の恋と<朝ごはん>が胸にささる……
提供:WOWOW
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話題の漫画を実写化 『WOWOWオリジナルドラマ ワンナイト・モーニング』 放送、配信中!
ある男女が一夜を過ごす中で心と体を交わし、ささやかな“朝ごはん”をともにする時間を描いた奥山ケニチの漫画『ワンナイト・モーニング』。連載開始と共に瞬く間にSNSで話題となった大ヒット漫画が全8話のオムニバスドラマとして実写化され、WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて放送、配信がスタートした。そこで際どく刺激的ながら、エモさの詰まった8本のグルメラブストーリーを、8人のエンタメライターが率直レビュー。各話の見どころ、魅力に迫っていく!
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各話のシンボルとなる“朝ごはん”がタイトルを飾る人気漫画を実写化。ワンナイトの恋と共に、悩み、もがきながら生きる輝きまでを描き出した本作。“ふと思い出すあの夜と朝の物語”として、視聴者の記憶に寄り添うドラマとして完成した。
主人公となるカップルたちの事情は、10年間想い続けた同級生との再会、童貞卒業を目指しマッチングアプリで出会った女の子との初デート、ドライな関係を続けるセフレ…など様々。あらゆるTVCMやMVを手掛け、映画『恋する寄生虫』も話題を呼んだ新進気鋭の柿本ケンサクが監督・撮影を務め、大人になりきれない主人公たちの時に甘酸っぱく、時にほろ苦いラブストーリーを紡ぎ出す。キャストには、第1話『梅干しのおにぎり』の上杉柊平&芋生悠を皮切りに、今後の日本のエンタメを背負っていくであろう、若手実力派たち16名がズラリと集結した。 -
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キャスト、ストーリー、演出…絶賛! <全8話>のレビューを公開!!
【1話】「梅干しのおにぎり」
梅干しはすっぱい! でも味わい深い恋の味
食事は誰と、どんな状況で食べるかによって味わいが変わってくる。冒頭、“存在感の薄かった高校時代の同窓会に参加”という暴挙に出た村田(上杉柊平)は、なんともつまらない表情で枝豆を口にしている。思い切った行動の理由は、ずっと大好きだった真奈月さん(芋生悠)に会いたかったからだ。ささくれた心を持ち寄った二人が過ごすワンナイトは、ツンとした切なさと、まろやかなやさしさに包まれた、まさに梅干しの味。一夜明け、村田が梅干しのおにぎりを頬張る表情にグッとくる。現実と過去回想が交わるシーンは、戻れない高校時代、前進しようとする未来への輝きにあふれエモさマックス!
成田おり枝(映画・エンタメライター)
梅干しのおにぎりがつなぐ過去、現在、未来
全8話の重要なトップバッターは、まるで1本の長編映画のように密度が濃い1作。同窓会で再会する同級生という手垢のついた設定を、既視感のない新鮮なストーリーテリングで魅せる。『モエカレはオレンジ色』の上杉柊平と、『牛首村』の芋生悠というポテンシャルの高い俳優2人が、ほろ苦い青春期と、人生に立ち止まった28歳の今を繊細に行き来。時空をつなぐキーアイテム、梅干しのおにぎりが、まさかの“エロス”を放つ。
山崎伸子(エンタメライター)
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【2話】「ハニートースト」
うぶな大学生が味わう“ほろ苦い”ハチミツの味
うぶな大学生・須藤(望月歩)が一夜にして経験した極上の甘さと究極のほろ苦さが描かれる。偶然引き寄せられた須藤とリリー(伊藤万理華)だが、気づいた頃には誰よりもお互いの深い部分を知っていただろう。不思議な絆で結ばれた2人の朝ごはんは、いつも以上にたっぷりとハチミツのかかったハニートーストだった。鑑賞後は不思議な余韻に包まれ、須藤の家に未だに残るハチミツの意味をずっと考えてしまう。
Nana Numoto(エンタメライター)
伊藤万理華のポテンシャルに驚愕
『サマーフィルムにのって』で時代劇オタクの女子高生をハツラツと演じるなど、俳優としての活躍目覚ましい伊藤万理華。マッチングアプリで出会った童貞の大学生・須藤(望月歩)に「私、今日エッチな気分なんです」とささやくなど、大胆な金髪女子のリリー役でまたしても新境地を開いている。小悪魔系と思われたリリーの仮面がどんどん剥がれ、彼女の不安や悲しみがむき出しになった瞬間、須藤と一緒にこちらも涙、涙。伊藤のポテンシャル、それを引き出すような望月の安定した演技力に驚きつつ、“たっぷり泣いた後に食べるハニートーストの甘み”を想像してお腹が空いてきた。
成田おり枝(映画・エンタメライター)
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【3話】「そうめん」
栁俊太郎の“誠実”な一面を堪能!
圧倒的なスタイルでモデルとして活躍していた栁俊太郎。常人離れしたスタイルは俳優として、エキセントリックな役を演じることが多かったが、本作では「“優しい“と“頼れる”は僕、頑張ります」という誠実キャラを好演。本人は以前、見た目のイメージとのギャップを武器にしたいと話していたが、まさにこれまでのイメージとは異なる栁の“誠実キャラ”が冒頭からさく裂。イケイケだが実はピュアという役がハマる浅川梨奈とそうめんを食べる姿は非常に牧歌的だ。
磯部正和(ライター)
運命の赤い糸ならぬ、ピンクのそうめん
価値観が正反対の、桃川(栁俊太郎)と鬼ヶ島(浅川梨奈)のワンナイト。だがその先には、鬼ヶ島にとって思いもよらない「しあわせのかたち」が広がっていた。男女の朝食シーンとしては異例の母親の登場に驚きつつも、心の底から満たされるとは、どういうことなのかを考えさせられた。そうめんに時折交じるピンクや緑の色付き麺が、どれほど私たちに特別な気持ちを与えてくれただろうか。そんな夏の記憶が想い起こされる。
Nana Numoto(エンタメライター)
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【4話】「牛丼」
きっと誰かのことも救うパワーワード
5年ぶりの再会。「“そのまま”でパワーアップ」のパワーワードにやられる。変わりたいけど変われない、言いたいことを言えない自分に悩み続ける主人公・たまこの心の機微を、話題作の続く河合優実が繊細に演じ、変わらない同級生の牛尾くんを、藤原樹がまっすぐに魅せる。牛丼を美味しそうに頬張る牛尾くんの横顔が実にいい。牛尾くんがたまこに優しくしてくれるワケ、コンビニで牛尾くんが買ったアレと、ある種の謎解き要素も。
望月ふみ(ライター/インタビュアー)
口下手な二人を繋ぐ牛丼は最高の助演!
自分の思ったことをはっきりと言えない河合優実演じる主人公のたまこと、口数が少なく誤解されやすい藤原樹扮するヤンキーの牛尾。まったく共通点のない二人だったが、たまこが初めて牛尾を意識したのは、彼が食べる牛丼の匂いに惹かれたから。そこからたまこは牛尾を意識し始めるが、いつも牛尾のそばにあるのは牛丼。まさに助演賞級の存在感で物語を彩る。物語を作るのは人間だけではないと感じさせられる秀逸な作品だ。
磯部正和(ライター)
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【5話】「タマゴサンド」
“情けなさすぎて素晴らしい” ド直球青春ラブコメ!
もしかしたらWOWOWの歴史上No.1の“こっぱずかしい”ドラマなのでは…? 眠る池田朱那に顔を近づけていく前田旺志郎の姿が情けなさすぎて素晴らしい(しかも2度もチャレンジするところが最高!)。池田朱那の本気のバットスイング(左打ち!)&校門をひらりと飛び越える姿がカッコいい! 「甘酸っぱい」などという響きの良い言葉を通り越して、とにかくこっぱずかしいが(笑)、なぜか目が離せない!
黒豆直樹(映画ライター)
隠し味は砂糖。甘い青春にキュンキュン
ド直球に進む甘酸っぱい青春もの。どんでん返しがあるわけでもなく、主人公たちの気持ちも最初からわかるが、だからこその胸キュンモードに満たされる。スカートの下にジャージというスポーツ少女ルックがよく似合う、女子ソフト部エース役が眩しい池田朱那と、「恥ずい」男子高校生役が激ハマりの前田旺志郎が、光り輝く一瞬のときを切り取る。全力ダッシュに自転車、ふたりで忍び込んだ夜の学校、そして大切なお守り。ああ青春!
望月ふみ(ライター/インタビュアー)
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【6話】「カップラーメン」
夢と現実に翻弄される2人が迎える美しい朝
夢と現実、過去と現在、夜と朝etc…。幼なじみの再会を描く第6話は、さまざまな“対比”が主人公の心情や成長を活写する。アイドルを挫折した小麦(川島海荷)と漫画家志望の承(水沢林太郎)。2人は急速に距離を縮めながらも心の内が明かせない。舞台はカラオケボックスから夜の公園へ。そして互いに気持ちをぶつけ合う深夜を経て、2人は静かに朝を迎える。空が白む中、小麦と承が並んで湯気の立ちのぼるカップラーメンをすする場面は、2人の明るい未来を予見させる名シーンだ。
スズキヒロシ(映画・ドラマライター)
夢を挟んで向き合う2人をつなぐ温かいもの
アイドルという夢に挑戦し、敗れ去った年上のお姉さんと漫画家になる夢への一歩を踏み出す勇気を持てない青年。わかり合えそうに見えて、一夜を共にしても2人の間には超えられない明確な“一線”がある。それでもそんな2人を温かい思い出がつないでくれる。ラーメンをすする姿って、見ているだけでなぜかエネルギーを分けてもらえる気がする。
黒豆直樹(映画ライター)
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【7話】「月見そば」
月見そばに隠されていた秘密とは?
無性に人肌が恋しい。無性にセックスがしたい。そう思った時、余計に寂しくなりそうな気もするが、セフレがいるのは便利だろう。物語に登場する2人は、週末どう?と連絡を取り合い、セックスをする。燃え上がったわけでもないから、セックス後の朝ごはんが月見そばというのも、そこに店があったから入るといった感じで妙にリアルだ。薬味のねぎは食べない、好きな物は最後に食べるか食べないかなど、他愛もない会話に日常を感じていると、ある出来事をきっかけに、ガラリと物語が変わる。寂しい時は人肌よりも恋愛ドラマ! 心が満たされながら、そんなことを痛感する。あ~、月見そば食べたい!
安保有希子(映画・ドラマライター)
ヒロイン役・石橋菜津美の熱演に注目
大胆なベッドシーンで幕を開けるこのエピソードの主人公は“セフレ”としての関係を続けている会社員の詩織(石橋菜津美)と誠(水間ロン)。あえて身体だけの関係にこだわる詩織の“過去”が明らかになるとき、人が人を愛し続けることの奇跡や困難さに思わず胸が締め付けられる。坂元裕二脚本のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』でも鮮烈な印象を残した石橋が、複雑な過去を持つ女性を抑制の効いた芝居で体現。彼女の“静かな熱演”からも目が離せない。
スズキヒロシ(映画・ドラマライター)
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【8話】「肉まん」
「明けない夜はない」という希望を総括
最終話は、全8話すべてに出演してきた仏頂面のコンビニ店員が主人公で、これまでの主要キャストが再登場するというまさかのサプライズ! 彼と、筧美和子演じるアルバイトの巨乳女子が織りなす“コンプレックス”を題材にした物語だが「人は常に心の温もりと生きる糧を求めている」という全話共通のテーマがフィナーレで際立つ。蛭田直美による秀逸な脚色と、エモーショナルな映像を積み重ねてきた柿本ケンサク監督の粋を極めた演出に拍手!
山崎伸子(エンタメライター)
コンビニを舞台にした身につまされる物語
コンビニは生活に欠かせない物の1つとなっている。最終回となる第8話は、そんな身近な場所が舞台だけに、物語は身につまされることが多い。主人公は口数が少なく、目つきの悪い青年。そのせいでたくさんの損をし、勘違いもされてきた。だが、勇気を振り絞って、自分を変えようとする。しかし、これが、なかなか上手くいかない。無自覚な人たちの行動が、じわり、じわりと、彼の心を蝕んでいく。そこへ、彼とは正反対な性格のヒロインの登場! 物語がどう展開していくかは、見てからのお楽しみ。私は泣けた。自分に照らし合わせて泣いた。そして、希望をもらった。ラストにふさわしい、粋な計らいも◎。
安保有希子(映画・ドラマライター)
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放送、配信情報
『WOWOWオリジナルドラマ ワンナイト・モーニング』(全8話・オムニバス)
【放送】WOWOW プライム・WOWOW 4K 毎週金曜午後11:00より放送
【配信】WOWOW オンデマンド 1~8話<全話>配信中(無料トライアル実施中)「WOWOW オンデマンド」で今すぐ視聴 >
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