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“小説の世界”にいるような不思議な感覚―― 眞鍋かをりが語るドラマ『すべて忘れてしまうから』

ドラマ

提供:ディズニープラス

  • 眞鍋かをり、ディズニープラスの「スター」で独占配信中の『すべて忘れてしまうから』を鑑賞!

     「Disney+」(ディズニープラス)のコンテンツブランド「スター」で、日本発のオリジナルドラマシリーズ『すべて忘れてしまうから』が絶賛配信中だ。阿部寛演じる主人公が、ハロウィンの夜に突然失踪した恋人の“謎”に迫る本作。今回クランクイン!では、「共感できる部分がたくさんありました!」というタレントの眞鍋かをりにインタビューを実施! 『すべて忘れてしまうから』の魅力をたっぷり語ってもらった。

  •  『すべて忘れてしまうから』は、話題の作家・燃え殻の同名エッセイを基に、岨手由貴子、沖田修一、大江崇允が監督・脚本を務めたミステリアスなラブストーリー。ミステリー作家のM(阿部寛)と5年間交際していた恋人F(尾野真千子)はハロウィンの夜に突然姿を消した。MはFのことを探し始めるが、Fがどこにいるのか手がかりがなかなか掴めない。次第に「自分は本当はFのことをよく知らなかった」と気づくようになり……。Chara、宮藤官九郎ら豪華キャスト陣が織りなす“会話劇”にも注目だ。

  • 阿部寛さん演じるMに少しずつ共感していく

    ――眞鍋さんは以前から「ディズニープラス」に入られていたということですが、入ったきっかけは何だったんですか?

    眞鍋かをり(以下、眞鍋):最初は子どもが好きなディズニー・アニメーションを一緒に見ようと思って入りました。でも、配信ラインナップを見たら「こんなにいろいろな作品があるのか!」と正直驚きました。いわゆるディズニー作品の方が少ないぐらいですよね(笑)。

    ――そうですね! 今回ご覧いただいた『すべて忘れてしまうから』も「スター」というディズニープラスの新たなブランドで配信されているオリジナルドラマです。第1話~第3話までご覧いただきましたが、まずは率直な感想を聞かせてください。

    眞鍋:2話、3話と見進めていると“ドラマを観る”というより、“小説を読む”ような感覚になっていきました。普通にドラマを見るよりもリアリティのある没入感が味わえて、小説の世界にいるような不思議な、初めての感覚でした。言葉にするのが難しいのですが、このドラマ自体が<大人のための贅沢な空間>という感じなんですよね。

    映像もとても素敵なので、夜(部屋を)暗くしてお酒を飲みながら見たら、物語の中のみんなと一緒に「Bar灯台」で飲んでいるような気分になれそうです。私は、朝の家事がひと段落した午前中に見たんですけどね(笑)。

    ――阿部寛さん演じるMの印象はいかがでしたか。

    眞鍋:最初は不思議な人物だと感じましたが、見進めるにつれておちゃめな部分や愛されキャラな部分が見えてきましたよね。回を追うごとにMのことがわかったような気持ちになり、親しみも増していきました。そして3話のトークイベントの握手会のところで一気に好きになったんです。

    「そうめん〆太郎」が来たんじゃないかとMが怯えていたところは、一番共感したシーンでした! 実際にSNSをやっていると、ちょっと怖いなと思うコメントがくることもあって…。そういった時に人前に出るのって本当にドキドキするんですよ。そこの描写がとてもリアルでしたね。私もMと一緒で絶対あの人が「そうめん〆太郎」だと思っちゃいました(笑)。

  • 見終わった後も思い出す “余白のある作品”

    ――この作品は会話劇でもありますが、印象に残った会話はありましたか。

    眞鍋:「Bar灯台」でのカオル(Chara)とみんなとの会話は全部好きなんですけど、その中でも2話の冒頭、カウンターで飲んでいる人たちが“友達”について話していたシーンが印象的でしたね。大人になってから友達について考えることってあまりなかったので、短いシーンでしたがハッとさせられました。

    この友達の話だけじゃなくて、バーでの会話はいい意味でドラマらしくなくて、まるで自分もその場にいて盗み聞きしているようなリアルな感覚になれるのがいいですよね!

    ――「Bar灯台」でしか会うことのない人々の関係というのは、独特の人間関係なのかなと思います。

    眞鍋:でもよく考えたら、ああいう関係こそ“本物”かもしれない…と思ったんです。この作品は自分の周りの人間関係について考えさせられる瞬間がたくさんありますよね。Mにとってのバーのような場所が、昔、私にもありました。その店ではよく話もするし、今何の仕事をしているとか濃い話もするのですが、その人たちがどこで生まれ育ったのかは全く知らないし、あだ名しか知らない人もいました。なので、その“場所”がなくなると一切会わなくなるんですよね……。

    一瞬で消えてしまう関係だったんですけど、一方で本当の自分をさらけ出すことができていた関係でもあるのかなと思って不思議な気持ちになりました。

    ――まさに眞鍋さんが話してくれたことは作品にも重なる部分ですよね。

    眞鍋:作品を見ていると、どんどん自分の思い出がよみがえってくるんですよ。テンポよく話が進んでいくわけではないのですが、だからこそ思い出す“余白”があるんじゃないかなと思うんです。本当に素敵な言葉がたくさん出てきて……途中からカウンセリングを受けているような感覚でした(笑)。年齢を重ねて、さまざまな経験を積んでいる人の方がより心にしみてくる話かもしれませんね。私はこの作品を通して過去の自分と向き合うことができました。

    ――本作は、エンドソングが毎話ごとに変わるのも見どころとなっています。ライブシーンで気になった回はありましたか?

    眞鍋:私は3話の曲(ヒグチアイ 「シミ」)がすごく気になりました。歌詞が表示されるのですが、その歌詞でまたさらに考えさせられました。ドラマが続いているような演出もすごく斬新ですよね。一緒にライブに参加しているような気持ちになれるので、エンディングを見ているという感覚はなかったです。1人で作品を見た後って「あそこはどうだったのかな」と考えたりすると思うのですが、その時間をエンディングの中で過ごしているような感覚でした。見終わった後の余韻まで作品の中にあるんですよね。

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    『すべて忘れてしまうから』 振り返りMV 第3話 ヒグチアイ

  • ミステリー作品なのに癒される すごく新しいドラマ

    ――眞鍋さん自身は、1~3話を通してどういった部分が一番印象に残っていますか?

    眞鍋:“F”と、“バーの仲間たち”が対比のように描かれているような気がして、そこが印象的でした。バーの人たちはお互いのことをよく知らないはずなのに、ものすごくリアルな部分を知っている。それに対してMが一緒に住んでいるはずのFのことはぽっかりと抜けたように知らない部分がある。その対比がすごく面白いなと思いました。「どちらの関係の方がいいんだろう」というふうに考えましたね。家族ならば一蓮托生みたいなところがあるけれど、それ以外の人って、自分と繋がっている部分がそれぞれ全然違う。そこは、すごく考えさせられましたね。

    長い付き合いの中で少しずつ接する面積が増えてきていつの間にかよく知っている人もいれば、時間が経ってもずっと関係が浅いままの人もいる。たまにすごく踏み込んでくる人もいますが、そういう人ほどパッといなくなったりもします。どれくらいの濃度で人と付き合っているのかは、なかなか表面化しないものですが、身近な人、1人1人とちゃんと向き合ってみたいと思いました。

    ――最後にこれから作品を鑑賞する方に、眞鍋さんが思う本作のおすすめポイントを改めてお願いします!

    眞鍋:自分の内面と向き合う時間を作ってくれる作品だと思います。できれば夜の時間帯に1人でゆったり見ていただきたいですね。ミステリー作品なのに癒されるような、浄化されるような感覚になるんです。それがすごく新しいドラマだと思いますので、ぜひ体験していただきたいです。

    もちろんミステリーなので、「次のエピソードが気になる!」という感覚もあるのですが、そこもまた普通のミステリー作品とは違っていて、Fが消えた理由よりも、みんながどんな心の動きをしていくのか、人との関わりの中でどういう一面が見えてくるのかが私は気になっています。ぜひ“人間関係”に注目して鑑賞してみてください。

  • ドラマ『すべて忘れてしまうから』は、ディズニープラスにて独占配信中。

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取材・文:Nana Numoto、クランクイン!編集部/写真:高野広美

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