親子版『羊たちの沈黙』!? 品川祐が“斬新なクライム・スリラー”『プロディガル・サン』の見どころを語る!
提供:ワーナー・ブラザース
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自他ともに認める海ドラ好き、品川祐が話題のドラマ『プロディガル・サン』を鑑賞!
ハリウッドの名プロデューサーが手がけるクライム・スリラー『プロディガル・サン 殺人鬼の系譜 <シーズン1>』のDVDレンタル&デジタル配信がいよいよスタート! 本作の主人公となるのは、20人以上の命を奪ったシリアルキラーを父に持つプロファイラー、マルコム(トム・ペイン)。彼がトラウマと戦いながら事件を解決していく物語で、その斬新な設定とスリリングな展開で視聴者を釘付けにする。そこで芸人でもあり、映画監督、作家としても活躍する品川庄司の品川祐に本作を鑑賞してもらい、インタビューを敢行。海外ドラマファンとしての予想や監督視点を交えながら、本作の魅力を語ってくれた。
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いろいろな想像を掻き立てるドラマ
――まずは3話まで観ていただきましたが、ご覧になった率直な感想を教えてください。
品川: 1話完結型でひとつの事件の解決までを描きつつ、縦軸として、主人公マルコムの父親であるシリアルキラー、マーティン(マイケル・シーン)が関わっている事件が少しずつ明らかになっていく、その構成がよくできているなと思いました。マーティンの事件の謎は、マルコムが見る“悪夢”がヒントになっているところもあって、「これはどういう意味なんだ?」と考えさせられるシーンが序盤から散りばめられていますよね。視聴者を引き付ける展開がうまいなあと感じました。
――シリアルキラーの息子が、プロファイラーという設定も斬新です。
品川: “プロファイラーが事件の手がかりを求めて、刑務所にいるシリアルキラーに会いにいく”という設定は、『羊たちの沈黙』のようでもあって。ちょっと、『羊たちの沈黙』の親子版みたいな雰囲気もありますよね。さらになぜマーティンは、あんなに充実した収監部屋にいるのか、マルコムのお母さん、ジェシカ(ベラミー・ヤング)は何をどこまで知っているのかなど、謎ばかり。ニューヨーク市警の捜査協力をしているマルコムのお給料って、どこから出ているんだろう…と思ったりもしました(笑)。いろいろな想像を掻き立てるドラマですよね。
――マルコムとマーティンの関係性はかなり興味深いものですが、どのような印象を持たれましたか?
品川: ちょっと、『スター・ウォーズ』の父子関係を思い出す部分もありました。マルコムは、シリアルキラーの父親から洞察力や考察力を受け継いでいるからこそ、犯人目線でのプロファイルができるようになったとすると、その才能は、かなり危険なものでもある。一歩間違えると、マルコムもダークサイドに落ちる可能性があるわけです。
父親が逮捕されたトラウマや、自分もその才能を受け継いでしまっているかもしれないという怖さなど、そういった危うさが、マルコムの魅力にも繋がっているなと感じました。お父さんが、これまで描かれてきたシリアルキラーと一味違う雰囲気を持っている点も面白い。息子のことを溺愛していたり、なんだか元気なシリアルキラーですよね!――マルコムは、『ウォーキング・デッド』のジーザス役でも知られるトム・ペインが演じています。
品川: ええ!? ジーザスだったんですか!! あぁ、確かにそうだ。髪型が違うから、全然わからなかった(笑)! 僕、ジーザスも大好きだったんですよ。強くて、もっと活躍していくキャラクターなのかなと思っていたら、突然いなくなってしまったので…。もしかして、この主役が決まったから(笑)!?。
ジーザスも謎に包まれていながら、強さを秘めているという役柄だったので、トム・ペインは、そういった役を演じるのがうまいのかもしれないですね。ジーザスを演じていたときよりも、頬がこけているような印象もあります。闇を抱えているマルコムを演じる上で、相当な役作りをしたんじゃないかな。
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序盤から伏線が張られているのかも
――マルコムの上司となるニューヨーク市警のギル(ルー・ダイアモンド・フィリップス)や、マルコムに好意を寄せる監察医のイドリサ(ケイコ・アゲナ)など、彼の周りにも個性豊かなキャラクターがたくさん登場します。市警チームのコミカルなやり取りも見どころとなりますが、気になったキャラクターはいらっしゃいましたか?
品川: 観ているうちに、なんだかみんな怪しく思えてきてしまって(笑)。上司のギルは今のところすごくいい人に見えるけれど、マルコムの父親の事件解決に関わっている人物でもある。トラウマを抱えたマルコムをわざわざ市警に引き込んでくるということは、なにか裏に思惑があるのかもしれないですよね。イドリサはコミカルなキャラクターですが、ああいう人に裏の顔があったりすると、一番面白かったりするので、まだどうなるかわからない。
――確かにそう考えると、みんな怪しく見えてきます!
品川: 僕も脚本を書くときには、“ユニークな会話をしていたように見えるけれど、実はその中に物語のキーとなる伏線があった…”とか、そういったことをやりたいなと思っていて。本作も、3話までにいろいろなキャラクターを登場させて、過去の事件と現代とを絡ませていくんだろうなと思うと、もうすでに後半に活かされるような伏線が張られているのかもしれません。海外ドラマって、人気キャラクターが死んでしまったり、実は主人公を裏切るようなキャラだったりすることもあるので、油断ができないんですよね(笑)。でもそれが、海外ドラマの面白いところだと思っています。
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海外ドラマから大きな影響を受けている
――毎話、殺人事件が起こり、手に汗を握る展開となりますが、クライム・スリラーとしての印象的なシーンがあれば教えてください。
品川: ハラハラするのはやっぱり、マルコムの夢や記憶を通してお父さんの事件の謎が見えてくるところ。マルコムが小さな頃、箱の中に入れられた女の人を見てしまっているようなんですが、フラッシュバックで、視聴者に対して徐々に箱の中身を見せていくような手法を使っている。あの“少しずつ見せる”というやり方が、すごくうまいなと思いました。また、殺人鬼が登場する場面では、“手ブレ”がうまく使われていて、不安感や緊張感をあおるような撮り方をしているなと感じました。
――映画監督としても活躍されている品川さんですが、海外ドラマでの視聴者をハラハラさせる仕掛けなどを見て、刺激を受けることもありますか?
品川: 僕はすごく、海外ドラマから影響を受けています。本作もそうですが、海外ドラマってフラッシュバックの入れ方がとてもうまいですよね。あと一時期、海外ドラマではステディカムが使われていることがものすごく多かったんですが、僕も『サンブンノイチ』という作品ぐらいから、ステディカムを使うようになって。「これをどうやったら日本でできるか」と検証しながら、海外ドラマを観ていることも多いです。
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――殺人の被害者の口からヘビが出てきたり、寝ていたはずのマルコムが窓から落下しそうになるなど、ビックリするような展開もありました。
品川: 窓ガラスをぶち破っていましたからね。マルコム、どんな寝相をしているんだ!と思いました(笑)。マルコムは悪夢を見てしまうから手錠をして寝ているんですが、その前に、窓際で寝るのをやめたほうがいい(笑)。口からヘビが出てきたりするシーンもそうですが、スタッフの人たちが「これをやっちゃったら面白くない?」、「口からヘビが出てくるなんて、さすがに今まで誰もやってないんじゃない?」とか言いながら、楽しんで作っている気がします。僕もゾンビ映画を撮ったりしているんですが、そういった作品も現場はワイワイと楽しんで作っているものなんです。本作にも、そういったスタッフの熱を感じます。メイキングがあったら、見てみたいですね。
――今後の展開に期待することや、見どころだなと思う点を教えてください。
品川: マルコムの妹エインズリー(ハルストン・セイジ)も、何か鍵を握っていそうな気がします。さらわれたりしそう…。殺人事件の謎と親子関係がどのように結びついていくのか。きっと4話以降、またググッとこちらを引きつけてくる展開があると思うので、このあとが気になって仕方がないです!
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取材・文:成田おり枝/写真:高野広美
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