2020年、旅行始めは京都がおすすめ! “冬の京都”の魅力を堪能する「石庭」めぐり

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2020年1月9日 11:00
<編集部おすすめ特集>1泊2日の京都「石庭」めぐり【提供:JR東海】

 かけがえのない旅のできる場所、京都。古都京都が魅力を放つのは、桜や紅葉の季節だけではありません。凛とした空気が流れる冬から早春は、シンプルながら日本の伝統と美意識がつまった「石庭」鑑賞のベストシーズン。体も心も温めるグルメ&スイーツを楽しみつつ、フォトジェニックな写真も撮れる、石庭めぐりの旅へとお出かけしてみませんか? 今回は、クランクイン!トレンドおすすめの「石庭」めぐりプランをご紹介します。(取材・文:成田おり枝)

Day1

1.大徳寺龍源院

 禅の思想を反映し、石と砂だけで大自然を描いた枯山水。龍源院は時代もタイプも違う4つのお庭がいっぺんに楽しめるスペシャルな寺院。この石、砂の意味は?など想像を膨らませながら、お気に入りを探してみましょう。

2.大徳寺龍源院

 「東滴壺」は、日本で最も小さな石庭。白砂に描かれた丸い砂紋は一滴の水が滴り落ちた姿を表現しているとか。奥行きの感じられる空間はわずかに差し込む光も美しく、縦長の構図で撮るとクールな写真に!

3.大徳寺瑞峯院

 瑞峯院では、昭和を代表する作庭家・重森三玲さんによる「独坐庭」と「閑眠庭」を堪能。「独坐庭」の大きな石は仙人の住むと伝えられている蓬莱山を表し、砂で打ち寄せる荒波を表現。空間から、雄大な大自然を感じられます。

4.曼殊院

 “小さな桂離宮”と称され、美しい枯山水庭園を有する曼殊院。 日本を代表する歴史小説家の司馬遼太郎も「桂離宮と曼殊院は桃山の美意識の成熟と終焉を示している」と記しています。格式あるたたずまいにうっとり。

5.曼殊院

 虎や竹、孔雀が描かれた襖絵、幽霊の掛け軸も見応えたっぷり。虎の間の襖絵は、狩野永徳によるもの。おそらく想像で描かれたため、虎の胴が長いのだそう。歴史ある、たくさんの宝物を目にすることができます。(特別な許可を得て撮影させていただきました。)

6.石庭スイーツ

 石庭のタイプがわかってきたところで、スペシャルなスイーツづくり。3月8日、3月14日の2日間、曼殊院にて人気の和洋菓子屋さん「一乗寺中谷」とコラボした“石庭スイーツづくり”が体験できます。真っ白な生クリームに砂紋を描いて、石を置いて…。楽しい! そしてなめらかでおいしいー!

7.南禅寺順正 湯豆腐

 石庭めぐりで冷えた体を温めてくれるのは、京都の澄んだ水で作られた湯豆腐。お湯の中でコトコト煮込んだお豆腐を、ふぅふぅ、パクリ。優しい味わいのお料理を楽しんでお腹いっぱいになったら、美しい庭を散歩するのもgood。(その時季の食材の仕入れによりメニュー内容が変更します。)

Day2

1.妙心寺退蔵院

 室町期の画家・狩野元信が作庭した枯山水庭園「元信の庭」を鑑賞できるのが、妙心寺退蔵院。敷砂の色が異なる2つの庭「陰陽の庭」も禅の心を伝えています。なんと宮本武蔵も修行したお寺なのだとか。

2.坐禅体験

 妙心寺退蔵院では、特別な朝が過ごせるプランも実施されます。まずは副住職・松山大耕さんのレクチャーで坐禅を体験。心をからっぽにして静かな時間を過ごしていると、頭もスッキリと冴え渡るよう。背筋もピシッと伸びました!

3.朝がゆ

 そのあとは、朝がゆの登場。シンプルながら、お出汁の匂いが食欲をそそるメニューでほっと体も温まります。とりわけ、焼きおにぎりのおこげを使ったお茶が美味。身も心も美しくなった気分で、京都旅を続行! (妙心寺退蔵院坐禅体験と朝がゆプランは2月9日、3月8日、4月5日に開催。要事前予約。その時季の食材の仕入れによりメニュー内容が変更します。)

4.天龍寺臨川寺

 京都屈指の観光地・嵐山まで足を伸ばし、天龍寺の塔頭寺院である臨川寺へ。嵐山のにぎわいの中、静寂が訪れたかのような荘厳なたたずまい。3月15日のバスプランに参加すれば、通常非公開の「龍華三会(りゅうげさんえ)の庭」をお坊さまの案内とともに鑑賞できます。貴重…!

5.天龍寺弘源寺

 弘源寺も歴史の重みをじっくりと味わえるスポット。本堂からの眺望がすばらしく、嵐山と溶け合うような枯山水が楽しめます。また堂内の柱には、蛤御門の変の際に長州藩士がつけた刀傷が。華麗な壁画もため息が出るような美しさで、隅々まで見逃せません。

6.ランチ 京 翠嵐

 散策の疲れを吹き飛ばす、この日のグルメは翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都 レストラン「京 翠嵐」のランチ会席。会石料理のスタイルと技法に、フレンチの美意識を融合させたスタイルのお料理に舌鼓。季節のお花が添えられた一品など、目にも美味しいゴージャスランチ!(その時季の食材の仕入れによりメニュー内容が変更します。)

Pick UP! ここだけは行きたいおすすめスポット

 とりわけ妙心寺退蔵院では坐禅体験もできたので、じっくりと日本の美を味わうとともに、身も心も洗われたような気持ちになりました。またこちらで販売している「ひと粒の禅」は、飴玉で禅の世界を体験できる興味深い一品。瞑想効果のある薬草ゴツコラのエキス、食べられる杉パウダーに退蔵院で採れた柚子オイルが加えられており、「ふわっと杉の香りが漂い、お寺の存在を感じられる」と副住職。舐めながら境内をまわるのも楽しく、お土産にもオススメです。

 どの石庭も、それぞれの魅力があって見応えたっぷり。仙人の住む場所を表した岩、亀や鶴で不老不死を表現した石、水の流れを感じられる砂など、見方がわかってくるとどんどん楽しくなってくるのが、石庭めぐりの醍醐味。とはいえ、どのように見たって自由! 想像を膨らませながらゆっくりとお庭を眺めていると、心穏やかになってくるのが実感できました。1年のスタートにはぴったりの石庭めぐりを、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。