USJのゾンビは一体どうやって誕生したのか? 新事実明かされるアトラクション「ファクトリー・オブ・フィアー」がアツい〈取材レポ〉

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2025年9月5日 07:15
USJのゾンビは一体どうやって誕生したのか? 新事実明かされるアトラクション「ファクトリー・オブ・フィアー」がアツい〈取材レポ〉
「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」の様子  クランクイン!

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの秋の風物詩「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が、9月5日(金)からいよいよスタートする。「ハロウィーン・ホラー・ナイト」といえば、やっぱりゾンビ! 今年は「ゾンビ・デ・ダンス」がKing Gnuとコラボレーションして一新されるなど開催前から大きな注目を集めているが、実はもう1つマニア的に熱いのが新アトラクション「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」。パークに出現するゾンビたちにはそれぞれに物語があり、ゾンビが発する言葉やショーの演出からその背景を考察するという楽しみ方もファンの間で広まっている。そんな文化ができつつある中で今回誕生した「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」は、「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のゾンビがどうやって誕生したかに迫るというホラーメイズ。先行体験してみたところ「このまま映画化できるのでは」と思うほどの真実が隠されていたので、物語の核心に触れない程度にあらすじを紹介しつつ、今回のアトラクションの魅力をレポートする。


■「そうだったのか!」の連続

 本アトラクションの舞台となるのは、ゾンビの製造工場「ファクトリー22」(22は開催場所の「ステージ22」に由来するのだろう)。ここでは<ブレインロッド>と呼ばれるゾンビを生成する注射を検体に注入し、蘇生させ、希望のゾンビにカスタマイズするという3工程でゾンビを製造している。

 <ブレインロッド>にはゾンビを制御する機能があり、<安全で恐ろしいゾンビ>を労力や商用資源として活用することを目的とし、ゾンビを製造し続けているのだとか。しかし世間からは「娯楽のためにゾンビを栽培するのはどうなのか?」と批判的な声も出ているらしい。

 この計画を生み出したのが、「ファクトリー22」の責任者でゾンビ化の専門家であるコープス・クラフターという女性。幼い頃から重い病を抱えてきたが、8歳で外科手術の資格を取得、10歳で細胞蘇生を成功させたという天才で、ゾンビの制圧部隊にいたこともあるというが任務中にゾンビに襲われたことが2010年10月31日に公式発表されているらしい。ちなみに、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が始まったのは2011年。このピンポイントな日付にもなにか意味があるのかもしれない。

「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
 そしてゲストは、この不気味な工場の見学ツアーに参加することになる。ゾンビに襲われたはずのコープスが責任者を務める本工場の見学ツアーには、2種類のハンドスキャナーが設置されており、ゲストが実際に押すこともできる。緑色のハンドスキャナーは「施設の説明が聞けるボタン」、赤色のハンドスキャナーは緊急事態に備えた「セキュリティーを作動させるボタン」で点滅していたらすぐに押すように説明される。しかし2つ同時に押すと、回路がショートし「非常にまずいことになる」そうで「絶対に押さないように」と念押しされる。

 ここまでがメイズが始まるまでのキューラインで明かされる部分だ。不穏なポイントを挙げると<ブレインロッド>を注入されても「ゾンビは飢えたまま」であることと、「ファクトリー22」は規格外のゾンビが生まれたとしても無駄にしないサスティナブルな施設であるという点。プリズンゾンビやサイバーゾンビなどの「ハロウィーン・ホラー・ナイト」でおなじみの残虐なゾンビたちが工場に現れることはすでに明かされているが、“規格外のゾンビ”も存在することもここで発覚し、この先にどんなゾンビたちが待ち受けるのか、列に並んでいる段階でいろんな想像が膨らむ。

「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
 実際メイズに入ると恐怖でパニックになってしまい、ついさっき聞いたはずの物語が頭からすっぽりと抜け落ちてしまうが、とにかく目の前に広がる工場のクオリティーの高さに感動が止まらない。まるでホラー映画の主人公になったかのような気分を味わえる光景が広がる。「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のゾンビファンにとっては、むしろご褒美と感じられるかもしれない。

 また、工場に響き渡る絶叫の奥でかすかにコープスが淡々と施設について語っており、ここが意外と重要ポイントだったりもする。耳をすませると「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のゾンビの世界を読み解くヒントのような情報も聞こえてくるので、何度も足を運びたくなる。淡々と続く説明と目の前に広がる惨状のギャップがとてもいい。

「ユニバーサル VIP エクスペリエンス・グループ・ツアー ~ハロウィー ン・ホラー・ナイト R.I.P. ツアー~」の様子
 ちなみに「ハロウィーン・ホラー・ナイト」を専任ツアー・ガイドが案内する「ユニバーサル VIP エクスペリエンス・グループ・ツアー ~ハロウィーン・ホラー・ナイト R.I.P. ツアー~」では、なんとこの<ブレインロッド>をゾンビに注入することが可能! しかもパークで人気の「ポゼッスド・プレイシングス」と呼ばれる人形のゾンビたちに注入し、写真撮影もできるので「ハロウィーン・ホラー・ナイト」マニアには溜まらない体験となっている。

 「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のゾンビたちのオリジンを知ると、「ストリート・ゾンビ」をさらに楽しめること間違いなし。

合同会社ユー・エス・ジェイのストリート・ゾンビ統括プロデューサーの池崎達也氏 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
 合同会社ユー・エス・ジェイのストリート・ゾンビ統括プロデューサーの池崎達也氏に話を聞くと、恐怖と没入感を感じられるようにさまざまな演出を詰め込んでいるとのこと。「ゾンビ1体ずつにバックストーリーがありまして、物語の登場人物としてその場に登場しています」「ゾンビの動きや歩き方、視線まで細かく調整をしているんです」「ゲストの反応に合わせて制作チームがリアルタイムにゾンビの動きを調整しています」とありとあらゆる場所に細かな演出を施していると話す。

「ストリート・ゾンビ」 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
 毎日のように「ハロウィーン・ホラー・ナイト」に通うファンが絶えないのは、こういった小さな演出を集める楽しさがあるからかもしれない。パズルのピースのように、いびつな形に見えても、実はなにかとつながる可能性を持っているゾンビたちの背景。今年のゾンビは“大量&最凶”が一つのキーワードで、治安部隊すら戦闘不能なほど厄介者ぞろいだという。今年もまだまだファンたちが知らない新たなストーリーが秋の夜のパークに散りばめられそうだ。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ハロウィーン・ホラー・ナイト」は、いよいよ9月5日(金)にスタート。最悪で最高な夜に全身で沈んでいきたい。


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