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妻夫木聡と池松壮亮の共通点は? 石井裕也監督が新作『ぼくたちの家族』を語る

映画

石井裕也監督の新作『ぼくたちの家族』
石井裕也監督の新作『ぼくたちの家族』(C)2013「ぼくたちの家族」製作委員会

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 『舟を編む』では興行的ヒットと共に、米国アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表に選出され、いまや国内外から注目される存在となった石井裕也監督。彼が20代最後の作品に選んだテーマは──ずばり「家族」。

【関連】妻夫木聡と池松壮亮が兄弟に扮した『ぼくたちの家族』フォトギャリ―

 母親が余命わずかと突然宣告され、団結を余儀なくされる一家の物語を子供たちの目線から描いた映画『ぼくたちの家族』は、早見和真の同名小説が原作だが、完成した映画には石井オリジナルの味が濃厚に渦巻く。本作に込められた真意とは? 石井裕也監督へのインタビューが『TV Bros.』5/23発売号(東京ニュース通信社刊)に掲載されている。

 映画化に踏み切った動機について聞いてみると…。

 「最初、プロデューサーから原作を渡された時は、忙しい時期だったんで、まず信頼している大学の後輩に読んでもらったんですよ。それで感想聞いたら『いやー、なんか普通で』って答えが返ってきた。でも、そのわりにプロデューサーの熱が凄いんで、今度は自分で読んでみたら……『俺がやるべき映画だ』と思ったんです。つまり他の誰かに任せたら、本当に普通の映画になっちゃう可能性がある。でも自分ならこの原作の肝心な部分を引き出せる、と。実体験にも重なる点が多々あって、『まるで僕自身の話だ』と思えたほどなんです」。

 7歳のときに母親を亡くしているという監督にとって、本作は“第2ラウンド”だったと語る。

 「自分の家族では、母親という存在は早くに欠落している。一方、『ぼくたちの家族』では母親が脳腫瘍だと医者に宣告されて、今まさに欠損しようとしている。まずそこに興味が湧いて。つまり7才の時の僕は母ちゃんに対して何も出来なかったわけですよ。でも今の自分だったら何か出来るっていう自信があって。だから〝第2ラウンド〞みたいな感じ。ただのシンクロじゃないんですよ。この映画を撮ることで、もう一回チャンスを与えられたような気持ちになったんです」。

 長男役に妻夫木聡、次男役には池松壮亮と、キャストも抜群だ。

 「妻夫木さんとは今回初めてですけど、う、なんかね、……(沈黙)……『男』を感じる。それは池松君も同じですけど。妻夫木さんは物憂げに考え込んでいる様子とか、すごく色っぽいなぁと思っていて。実際にお会いすると同世代人としても非常にできる人で。池松君とはいずれ勝負の時に一緒にやろうって決めてたんです。WOWOWのドラマ『エンドロール~伝説の父~』に出てもらって、その打ち上げで『次の新作、次男坊は池松君でいくからね』って言いました」。

 映画を撮るにあたりいつもテーマを設定していたという石井監督だが、今回は初めて明確なテーマを持たずに映画を撮ったという。

 「最初はいろいろ考えたんですよね。例えば“本音”ってこと。要するにバブル期を経て、日本社会の規範が崩壊している現状、今の時代の家族はぶっ壊れていて当たり前で、そこから本音でぶつかり合ってやり直すしかないっていう……。それがテーマだと思って、十何稿と改訂していったんです。

 だけど、そんな理屈で家族に向き合っても負けるなって。これは裸一貫で真正面からぶつかっていくしかない。だからテーマをとことん考えた上で、全部捨てようと。ただ、多分捨て切れていないものが映画にはたくさん出てると思うんです。それは意図したものじゃなく、全部お漏らしです」。

 『舟を編む』が人気作になり、取材では「プレッシャーは?」と聞かれるようになったという。しかし「自分の周りにいる人たちの僕の評価って、実は以前と変わってないんです。もし仮に僕に対する世間の期待っていうものがあるのだとしたら、期待を裏切らない程度に逃げ続けたいですね」と語ってくれた。

 『TV Bros.』5/21発売号では他に「小林賢太郎テレビ6 記憶の庭」に出演の小林賢太郎と松重豊の対談や、様々なジャンルで活躍する1973年生まれの共通点を検証する「花の73年組の歩んだ道」、英国男子インタビュー、『方言彼女。』特集などを掲載している。

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