韓国発ホラー『層間騒音』霊の出現音が聞こえる――恐怖の予告解禁 人ではない“何か”が映りこむポスターも

韓国発のホラー映画『層間騒音(そうかんそうおん)』(10月10日公開)より、予告編、ポスタービジュアル、場面写真が解禁された。
【動画】「これ以上聞くと、死ぬよ」――『層間騒音』予告編
ドン、バタン、カタカタ…。日常生活で耳にする何気ない生活音。しかし、もしその音の発信源が分からず、得体の知れない恐怖を伴う“怖音(ふおん)”だったとしたら――。タイトルにある「層間騒音」とは、集合住宅において上下階から聞こえてくる足音、話し声、ドアの開閉音、家電製品の音などの生活音を指す、韓国の言葉である。
原因不明の騒音が鳴り響く、古い団地を舞台とした本作は、2025年6月に韓国で封切られた。公開と同時に口コミが爆発的に広がり、韓国映画の中で3週連続第1位を獲得。現時点で今年1番ヒットしたホラー映画となっている(8月15日現在)。ジャンル映画に特化し、世界的権威のある第57回シッチェス・カタロニア映画祭のアンヘル・サラ・コルビ芸術監督からは「今年最高のジャンプスケア」と評され、他からも「『仄暗い水の底から』の再来」「韓国ホラーの新たなマスターピース」という高評価を得ている。
監督は、ミジャンセン短編映画祭「4万回の殴打」部門で最優秀作品賞の受賞歴を持つ実力派、キム・スジン。
聴覚障がいを持つソ・ジュヨン(イ・ソンビン)は、妹のジュヒが突然失踪したと知らされる。2人は以前一緒に暮らしていたが、ジュヒは騒音が聞こえると言い始め、ジュヨンには補聴器を付けてもその騒音が聞こえず、食い違いから喧嘩になったきり会っていなかった。
ジュヒが住んでいた団地の部屋に入ると、天井にはびっしりと防音シートが敷き詰められていた。直後に尋ねてきた隣人から、「夜は静かにしてもらえますか、これ以上うるさくしたらその口を裂く」と脅される。しかし、ジュヒが失踪した後の部屋には誰もいない…。
妹が見つかるまで団地の部屋に泊まることにしたジュヨンは、補聴器を介して奇妙な音を聞くようになり、やがて音だけでなく何かの存在も感じはじめる。これらは妹の失踪に関係しているのか、それとも…。
予告編は、ベートーヴェンの名曲「エリーゼのために」の電話着信音と、「韓国映画3週連続No.1。音系団地ホラー聴ヒット作」というナレーションと共に、不穏な光景を映し出すところから始まる。舞台となる団地の玄関ドアには、“静かにしてください”と殴り書きされた段ボールが。着信音に導かれるように受話器を取った団地住民のジュヒは、この世のものとは思えない“怖音”を聴いてしまい、叫び声を団地に響かせる…。
続いて、聴覚障がいを持つ主人公ソ・ジュヨンが登場。ジョヨンは、失踪した妹ジュヒが住んでいた部屋を訪れて、行方不明となった理由を探っていると、床一面に黒く変色した箇所を見つけてしまう。さらに、住民がいないはずの上階部屋から物音と足音が聞こえてきたり、窓から黒い人影が出現したり、包丁でドアをノックしてくる隣人男性が登場するなど、次々と怪奇現象が襲ってくる。
一体どうなっているのか。理解不能な状況に直面したジョヨンの前に、謎の少年が出現。 出血してしまうほどの勢いでジョヨンの補聴器を引き剥がした少年は、なんと手話で「これ以上聞くと、死ぬよ」と忠告する。
そして「93分の“怖音”体験」というテロップと共に、べートーベンの「運命・交響曲第5番」が流れだし、おぞましい状況が加速。手で触れていないスマホの画面には、“ヒヒヒ”という謎の文字が表示され、赤い血に染まった人の足元、テレビに映る出演者が歪みながら笑うといった気味の悪いシーンが次々映し出されていく。
終盤では誰かが団地から転落するなど衝撃的なシーンがたたみかけるように展開し、最後は「この音、聞こえてますか?」という問いかけと共に、ある一定の周波数に設定された得体の知れないモスキート音が聞こえてくる(※長時間聞くと、不快感を覚える可能性有り)。果たしてこの音は、怪奇現象を引き起こしている霊の予兆音なのか?聞こえたら、終わり。視覚と聴覚が刺激される93分の“怖音”体験に興味が高まる。
ポスタービジュアルは、団地の階層を連想させるデザイン。上段には、怪奇現象を目の当たりにしてしまい、手で口元を押さえている主人公ソ・ジュヨンのアップ。2段目には、失踪した妹ジュヒと思われる女性が暗い部屋の中で、椅子の上に立ち窓の方角を見つめる、薄気味悪いシーン。3段目では、謎の男がドア外で怪しげに立つ、静かな不気味さを漂わせるシーン。4段目には、恐怖の舞台となる団地カットを配置して、“呪われた団地”という舞台を突きつける。なおよく見ると、人ではない“何か”が4つ見えるという、面白い仕掛けも施されたビジュアルに仕上がった。
映画『層間騒音』は、10月10日より全国公開。