『ウチカレ』最終回迎え“心から祝福したくなる作品”に SNSでは“ゴンちゃん”に称賛の声も

カルチャー
2021年3月18日 22:45

■空、渉との恋に向き合う

 母・碧が二人の男性からプロポーズされている頃、空はこれまで恋仲だった渉周一(東啓介)との関係と向き合っていた。渉を呼び出し「ごめんなさい」と別れを切り出す空。渉自身も、空の気持ちを知りつつ見て見ぬふりをしていたという。これまで空が自分の気持ちに気付けない時も、本当の親のことで悩んでいる時も、そっとサポートしてきた渉だけに二人の破局には切ない気持ちが込み上げる。しかしこれまで恋愛経験のなかった空が誠実な渉との付き合いを通して、“恋をする”ことに向き合うという成長を感じるシーンにもなった。

 結果的に関係を終えることになってしまった二人だが、渉には“忘れられなかったうさぎ小屋の彼女”と思わしき女性からSNSで友達リクエストが届くなど新たな恋の予感も。自分の気持ちがうまく説明できない空に渉が投げかけた、「無理に気持ちに、関係に名前付けることないよね。そっとしとけばいい」はまさに真っ直ぐで誠実な渉の人柄が光る名言となっただろう。

■碧と空が気付いた“一ノ瀬の狙い”

 碧と空は二人で話しているうちに一ノ瀬のとある“狙い”に気づく。それは、空が沖縄で一ノ瀬に「母ちゃんにはゴンちゃんが必要だ」と話したことで、一ノ瀬がわざとゴンちゃんを焚き付けたのではないかというもの。一ノ瀬は碧の幸せを願い、碧とゴンちゃんが本当はお互いを誰より大切に思っていることに向き合わせようとしたのではないか。これを機に碧は、辛い時に側にいてほしい人はゴンちゃんだと気づく。同時に、自分が後ろからついて行っていつまでもその人生を見守り続けたいのは空だと強く思うのだった。徐々に自立し自らの人生を歩む空の後ろ姿を思うように涙を流す碧の姿は、母親の愛の全てを表す。そして血の繋がりがない事を知った今でも、空にとっての「かあちゃん」は碧しかいないのだ。入野光(岡田健史)がノートを返しにきた時にさりげなく言った「空さん、寂しがってました」という言葉が二人の関係を物語る。

■入野と空に訪れた“はじまり”

 入野と空は、二人で目指していたジャンプの新人賞で努力賞に入賞。空は渉との関係を整理し、入野は心ちゃんという彼女の存在がうそであったことを空に明かした。ここからが二人の本当の“はじまり”だ。漫画を描きながら、心を交わし、空と入野ならではの関係を築いていくのだろう。恋と一括りにできない大切な関係を、空は見つけたのだ。二人はやがて碧とゴンちゃんのように、かけがえのない相手になるのだろうか。空と光の尊い関係はSNS上でも「ちょっとずつ変化していく二人の関係が素敵」、「光と空の続編やって欲しい」などの声があがる。

 碧も空も、それぞれが自分の居場所を見つけた『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』最終回。碧の「私は自分の行く場所は自分で決める」という言葉通り、母娘は各々の相手と向き合うことを通してしっかり答えを見つけていった。そして自分にとっての大切な場所で、どう歩んでいくかというところでこの物語は一旦締めくくられる。御伽噺のようなハッピーエンドではないが、これがリアルな“人生”なのだとうならされる。碧と空の笑顔にあふれた未来を、心から祝福したくなる作品だった。

【『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』概要】
TVerにて最終話を1週間無料配信中

2ページ(全2ページ中)

イチオシ!

ウチの娘は、彼氏が出来ない!!

Nana Numoto(ライター)

浜辺美波

菅野美穂

岡田健史

川上洋平

東啓介

福原遥

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