1年の始まりにピッタリ! 心も体も癒される“冬”の京都「石庭」めぐり
■石庭の奥深い魅力を堪能
続いて京都市右京区の「妙心寺 退蔵院」を訪問。白砂の「陽の庭」と黒砂の「陰の庭」が向かい合い、砂の色で、物ごとや人の心の二面性を伝えています。また室町期の画家・狩野元信が作庭した枯山水庭園「元信の庭」も鑑賞。襖に描いていた絵を、庭にしたらどうなるのか? そんなアイデアから作られたお庭で、画家ならではの美学が込められています。主に植えられているのは、常緑樹。一年中変わらない“不変の美”を求めたとも言われています。
こちらで販売している、「ひと粒の禅」と名付けられた飴もオススメ! 瞑想効果のあるハーブ、退蔵院で採れた柚子オイルを使用した飴で、舌からも禅の世界を味わうことができます。木々の揺れる音に耳を傾け、五感を駆使して石庭の魅力に浸ってみましょう。
スペシャルな体験をするならば、普段は拝観できない「天龍寺」の開山堂「臨川寺」と塔頭「弘源寺」、「東福寺」の塔頭「一華院」を訪れる「京の庭を楽しむ 非公開石庭めぐり」をぜひチェック! 3月15日のみのバスプラン(要事前予約)となるものの、京都屈指の観光地・嵐山を借景にした「虎嘯(こしょう)の庭」など圧巻の石庭を目にすることができます。
「難しい」「とっつきにくい」と思われがちな石庭ですが、捉え方は自由。凛とした冬の空気の中、静かな時間を過ごしながら、お庭だけでなく、自分の内面までを見つめることができるのが、石庭めぐりの最大の魅力です。「この石ってどんな意味?」と想像力を働かせるのも楽しく、ゆっくりと自然の恵みを感じていると、スッキリと心も晴れ渡るよう!
改めて新年にはぴったりの旅プランだと実感しました。写真もビシッと決まる1枚が撮れるので、ベストスポットを探しながら歩くのもgood。ぜひ冬の京都へお出かけしてみては。(取材・文:成田おり枝)