ナスターシャ・キンスキーの美しさに目を奪われる!『テス』4Kリマスター版予告解禁
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名匠ロマン・ポランスキー監督が、当時18歳の女優ナスターシャ・キンスキーを主演に迎えて作り上げた文芸大作『テス』(1979)の4Kリマスター版が、2023年1月6日より劇場公開されることが決定。日本版予告編が解禁された。
【動画】当時18歳のナスターシャ・キンスキーが美しい 『テス』4Kリマスター版予告編
原作は、英国の文豪トマス・ハーディが1891年に発表した小説『ダーバヴィル家のテス』。英国ドーセット州の片田舎を舞台に、貧しい家で生まれ育った美しく気高い女性テスが辿る過酷な運命を、詩的で美しい映像と豪華な時代衣装、叙情的な音楽で描いた文芸ロマン大作だ。ロマン・ポランスキー監督夫人だった故シャロン・テートが生前『テス』の原作を気に入り、ポランスキーに映画化を薦めていたことがきっかけで製作された。
撮影途中で名カメラマン、ジェフリー・アンスワースの死去という大きな不幸に見舞われたが、それを乗り越え、アカデミー賞(R)撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞をはじめ数多くの賞に輝いた。
主演は、当時のポランスキー監督にとって、シャロンの分身的存在であり、交際相手でもあったドイツ出身の女優ナスターシャ・キンスキー。撮影時はまだ18歳という若さで演技経験も浅かったナスターシャだが、本作で気丈な女性テスを見事に演じ切り、国際女優への切符を手に入れた。
19世紀末の英国ドーセット地方マーロット村。貧しいダービフィールド家に美しい娘テスがいた。一家の生活を助けるため、テスは遠戚のダーバヴィル家に奉公に出た。この家の放蕩息子アレックに早速目をかけられたテスは、ある日森の中でアレックに強引に犯されてしまう。傷心したテスは実家へ戻ったが、アレックの子を身籠っていた。出産したものの赤子はすぐに病死してしまい、村の人々の冷たい視線に耐えられなくなったテスは再び家を出て、遠く離れた酪農場で働き始める。
そこでテスは進歩的で心優しい青年エンジェルと出会い、互いに激しい恋に落ちる。ついにエンジェルのプロポーズを受け入れたテス。初めてつかんだ幸せの中で、テスはエンジェルの許しを乞うために自分の過去の過ちを包み隠さず打ち明ける。だが、その内容にショックを受けたエンジェルは茫然自失となり、彼女を置いて去ってしまう。最愛のひとに拒絶され、ひとり残されたテスの流転の人生がここから始まるのだった…。
日本版予告編は、ドレスやストローハットを纏い初々しくテスを演じる、当時18歳のナスターシャ・キンスキーの美しさが印象的。冒頭の、テスが奉公に出た先で出会うアレック(リー・ローソン)がテスの口に真っ赤な苺を運ぶシーンは官能的だ。後に、テスはエンジェル(ピーター・ファース)と出会い燃えるような恋に落ち、ふたりは結婚式を挙げる。
しかし初めて掴んだ幸せも束の間、ふたりは離れ離れとなり、どこか不穏な雰囲気を漂わせる。終盤では「本作は原作から抜け出した、まるで生きているような映画だ」(ロジャー・イーバート/シカゴ・サンタイムズ)、「強烈な愛の映画。ナスターシャの演技に心を奪われる」(ニューヨーク・タイムズ)という本作への絶賛評が挟み込まれ、最後は「彼女の愛に敵う者は、いない。」というキーフレーズで幕を閉じる。
アレックとエンジェル、ふたりの男性と出会ったことで生じた抗うことのできない運命と、その美しさゆえに起こる悲劇。果たしてテスにどのような結末が待っているのか、スクリーンで確かめたい。
『テス』4Kリマスター版は、2023年1月6日よりヒューマントラストシネマ有楽町にて特別先行公開。1月20日よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズ、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開。