イ・ジュニョン、『勇敢な市民』で演じた“最強の悪役“は「本当に辛かった」 日本のファンへの感謝も明かす
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『D.P.‐脱走兵追跡官‐』『マスクガール』『百人力執事~願い、かなえます~』などでの活躍が著しい俳優のイ・ジュニョン。日本で公開中のシン・ヘソン主演の韓国映画『勇敢な市民』では、学園を支配する生徒・スガンという最強の悪役を演じている。クランクイン!では、「悪役を演じることは本当に辛かった」と語る今作での役作りや、日本のファンへの思いを聞いた。
■徹底的な役作りで臨んだ悪役
本作は、韓国で評価9.8点を記録した同名人気WEBマンガを原作とした、愉快・痛快・爽快なアクション・コメディー映画。元ボクシングチャンピオンで数々の格闘技をマスターした最強のファイターで、今はとある高校の非正規雇用で務めている女性教員のソ・シミン(シン・ヘソン)。その高校はセレブの息子であるスガン(イ・ジュニョン)という生徒の暴力に支配されていた。正規雇用を勝ち取るためにトラブルを避け見て見ぬふりをするシミンだが、いじめのターゲットとなった生徒とその家族にまで及ぶ暴力を知った時、猫のマスクで正体を隠し、スガンとその一味の前に立ちはだかり…。
今作で、学生から教師まで彼の前では何の力も意味がなくなる学校の絶対権力者で極悪セレブ生徒のハン・スガンを演じるジュニョン。悪役のオファーを受けた理由を「映画の中で盛り込まれた勧善懲悪のカタルシスと、“悪者に理由はない”というメッセージに強烈に惹かれ、出演を決めました」と明かし、「脚本を読んだ時、スガンは本当に悪い人だなと思って。僕の演技で表現できるか最初は怖くも感じましたが、役者としてはいい挑戦になると思いました」と回顧する。
劇中では、傍若無人で絶対権力を振り回すスガンのニヤリと笑う不気味な姿や狂気じみた姿が印象的だ。悪徳な眼差しを作るため、寝る前に30分程、鏡を見ながら悪い目つきを練習するなど、徹底的な役作りに励んだというが、「歩いている姿だけでも悪い人と表現したくて。撮影前に、強いジャンルの音楽を聴きながら散歩をしていたら、他の人たちがその姿を見て『本当に怖い』と言ってくれたので、成功したなと思いました」とニヤリ。
パク・ジンピョ監督からの助言もあったそうで、「撮影の合間、スタッフや共演者の皆さんと話す時、監督が『今は喋り方が優しいから、ちょっと悪く喋って』と声をかけてくださって、撮影以外でも気にするようにしていました。監督がずっと隣でフォローしてくださったので、他の撮影よりも集中しやすかったです」と感謝する。
また現場では、スガンがより悪役に見えるような様々なアイデアや細かな演技を自ら提案し、いじめるときの舌を出す動きやコンビニのシーンで窓に顔を描くシーンなどがそうだという。「“悪の動物”のイメージがある蛇をヒントにすることで立体的な人物として見せられるのではと思い、舌を使ってみました。アイデアは事前に考えて撮影に臨みましたが、現場でもいろいろなことが頭に浮かんできました。監督と相談しながら自分の意見はたくさん出すようにしていましたね。終盤のシミンとスガンがリングで戦うシーンで、スガンがシミンの猫のマスクをつかむところも僕のアイデアです」。
■代役なしでのアクションシーンにも挑戦
本作のタイトルにかけて自身の“勇敢”だと思うところを問うと、「悪い人たちを見たら僕も我慢できないです。すぐ『これは間違いじゃないですか?』と直接言いにいきます。でもその勇敢さは逆に事務所の人たちは心配かもしれないので、若干抑えないといけないかもしれないですね(笑)。あと、基本的なマナーや配慮、思いやりが足りない人にも我慢できないし、注意してしまいます」。
そんな正義感の強い性格から、やはり今回の悪役を演じることは「本当に辛かったです」と吐露したジュニョン。「悪役を演じるのは難しいです。他の役に比べて、気にかけることが何倍も必要で。体力的にも精神的に大変で、仕事が終わって家に帰った瞬間に毎回気絶します。今回の撮影中もテンションはずっと低かったです」としみじみと振り返り、「なので散歩したり、美味しい物を食べたり、好きな音楽を聴きながらお酒を飲んだりして、気持ちを切り替えて。この作品中はよくビールを飲んでいました」と撮影中のリフレッシュ方法を教えてくれる場面も。
心身を鼓舞して演じたこともあり、すでに映画が公開されている韓国での反応は好評だ。「ピョン・ヨハン先輩が『本当に感銘を受けた』とおっしゃってくださったんです。私が尊敬する先輩なので、すごく嬉しかったし、幸せでした。あとは、街で道を歩いてる時に一般の学生の方から『悪い奴だ』と言われたことも(笑)。俳優としては成功だなと手応えを感じました。ただこれからは悪い役はしばらく休んだ方がいいかなと思っています」と茶目っ気たっぷりに明かしてくれた。
本作はアクションシーンも多く盛り込まれているが、ジュニョンは99.9%自身でアクションシーンをこなしたという。「僕が代役なしでアクションに挑戦することで、アクションの合間に垣間見えるハン・スガンの表情を観客にみてもらえて、この映画に没入感を与えられると思ったんです。だからなるべく自分で挑戦したくて、そのために努力をしました」と口にし、「怪我もしましたが、撮影中に大変なことはありませんでした」と笑顔で回顧する。
劇中で何度か繰り広げられるヘソン演じるシミンとスガンのバトルシーンは本作の見どころだ。パク・ジンピョ監督が「ヘソンとジュニョンは互いに殺し合うように戦っていても、カットの声がかかれば互いにケラケラ笑い楽しんでいた記憶が残っている」と明かしていたり、喧嘩のアクションシーンでは2人が絶え間なく「ヘソンさん、俺がこっちに行くよ、そしたらこっちに避けて」などの会話で呼吸を合わせ、アクションを披露していたという。
「ヘソンさんとは、撮影する3、4ヵ月前からずっとアクションの練習を一緒にしていました。そのおかげで本番も自然にできたと思います」と振り返り、「カメラアングルのため、ヘソンさんが僕を本気で一発殴らなければいけないシーンがあって。その際『大丈夫なので、おもいっきり殴ってください』と声をかけたのですが、ヘソンさんの力が思った以上に強くて本当に痛くて(笑)。それはすごく記憶に残っています(笑)」とエピソードを披露。
また、「ヘソンさんは本当に一生懸命な方。なので、彼女のエネルギーに負けないように僕もめちゃくちゃ頑張りました。一緒に演技をしているとシナジーがすごいので、機会があればもう一度ご一緒したいです。次は戦うのではなくて他のジャンルで会いたいですね」とニッコリ。
本作の見どころを聞くと、「いじめられている人たちの目線で見ると、僕の悪い行動や仕草に集中もできると思いますし、本気でスッキリ爽快な気持ちになると思います。アクションも本当に頑張ったので、僕の表情も楽しんでいただけたら」と凛々しい表情で語ってくれた。
■10月には日本でサイン会も実施「いつかみんなと富士急ハイランドに行きたい」
2023年3月に日本公式のファンクラブをスタートし、10月には横浜でサイン会を開催したジュニョン。多くの日本のファンとの交流を楽しんだが、「日本のファンの皆さんはいつも温かいです」とはにかみ、「サイン会では、中学生の時から僕のことを応援してくださっている方が『結婚します』と報告してくださり、本当にビックリしました。その方以外にも本当に長い間、変わらず僕のことをずっと応援してくださる方がたくさんいらっしゃって。ファンの皆さんの温かい心に触れられて嬉しかったです」と感謝の思いを明かす。
一方で、「今回、日本に来られたのは久しぶりだったこともあり、なかなか会えないことに申し訳なさも感じました」と切なそうな顔でこぼし、「できれば日本に来る回数を増やしたい。日本のファンの皆さんと触れ合う機会を作るために頑張りたいし、日本語の勉強も頑張ります。遊園地が好きなので、いつかファンの皆さんと富士急ハイランドに行きたいですね」と思いを馳せる。
日本に来る際、毎回訪れる場所を聞くと、「僕、つけ麺が大好きなんですよ。行きつけのお店があって、日本に着いたら必ずそこに行きます。その次は、油そば。 麺が好きで、日本ではいろんな麺を食べています」と照れ笑い。日本で今作が公開されることを受けて「海外で僕が出演した映画が公開されるのが初めてなので、不思議な感じがしてドキドキしています」と言い、「そして機会があれば、日本に行きたいですね。プライベートでも日本の小さな町、田舎に行ってみたくて。アニメに出てきそうなこじんまりとしていて風景が綺麗で自然が多い所がいいな。アイドル時代のツアーはほとんど東京だったので、機会があれば日本全国のファンの皆さんにも会いに行きたいです」と笑顔で語ってくれた。
今後、日本の作品に出演したいという思いはあるか問うと、「出てみたいです」と即答し、「もし出られるのなら、ラブストーリーやアクション、ミステリーなどジャンルはなんでもいいので、日本語が上手な留学生の役とかがいいですね。今回が悪役だったので、優しい人の役がいいです」と満面の笑み。イ・ジュニョンの魅力が多くの日本ファンに届くのが楽しみだ。
映画『勇敢な市民』は全国公開中。
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取材・文:高山美穂
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