ファンにバレンタインデー禁止令! 二次元アイドル『うたプリ』人気に迫る

ここ3年ほど、バレンタインデーの贈り物を禁止する告知を出しているアイドルがいる。そのアイドルとは、『うたの☆プリンスさまっ♪』。通称“うたプリ”。そう、現実のアイドルではなく、二次元のアイドルグループだ。
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2月2日、彼らが所属する架空の事務所が、「バレンタインデーについてのお願い」と題した告知を発表。「アイドルたちへの贈り物(食品・物品)の受付を控える」とした。裏を返せば、バレンタインデーにはファンから大量の贈り物が届くほど人気があるということである。
女性向け恋愛ゲームとしてPSP用に発売され、2011年のアニメ化をきっかけに大ブレイクした『うたの☆プリンスさまっ♪』。アニメ第1期から4年経った今でも衰えない人気の秘密は何なのだろうか。
大前提としてあるのが、作品としてのクオリティの高さだ。役にぴたりとハマった人気声優の起用や、著名イラストレーター倉花千夏による魅力的なキャラクターデザイン。そしてElements Gardenによる印象的なキャラクターソングの数々は、十分にファンを納得させるだけのクオリティを持っていた。
一方で、原作ファンやアニメファン以外にも“うたプリ”人気が広まった最初の理由は、アニメ第1期OPテーマである「マジLOVE1000%」によるところが大きい。アイドルのコンサートをそのまま収録したような演出と空耳の歌詞は、ツイッターやニコニコ動画での格好のネタになっていった。ニコニコ動画には「マジLOVE1000%」の「歌ってみた」や替え歌など、多数の二次創作が投稿され、アニメ本編は見たことがなくても「マジLOVE1000%」は知っているというニコニコユーザーも多かった。
さらにアニメ自体も、OPに輪をかけてぶっ飛んでいた。登場するアイドルたちは誰もが個性豊かで、視聴者が思わずツッコみたくなる言動を連発する。これにファンがツイッターなどでツッコミを入れ、それを見たフォロワーが気になってアニメを見始める……というループが発生。突っ込みどころ満載の超展開と、インターネットの実況文化との相性が抜群に良かったことから、爆発的にファンを増やしていった。
SNSを中心とした現在のインターネットは基本的にツッコミ文化であり、何かしらのネタ(ボケ)に対してユーザーがコメント(ツッコミ)するという掛け合いで面白さが形成されていく。この流れに"うたプリ"がうまくハマったというわけだ。今年の4月からはアニメ第3期がスタート。“うたプリ”現象はまだまだ終わらない。
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