総勢61名出演の「ヒプステ」祭典、熱気たっぷりの観劇レポート! 山田一郎役・石川凌雅、最後の雄姿も
全ディビジョンが一堂に会し、威信をかけて競い合う――ヒプステ随一の祭典、『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』Rule the Stage ‐Battle of Pride 2026‐が、10月2日、ぴあアリーナMMにて上演された。この日をもっての卒業が発表されている、山田一郎役・石川凌雅にとって最後の舞台となった夜公演の模様をレポートする。
【写真】各ディビジョンの熱気がビシバシ! 『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』Rule the Stage ‐Battle of Pride 2026‐舞台写真
サイレンが鳴り響くものものしい雰囲気のなか、新章となって初めてのBoPを見届けようと集まったファンの熱気が高まっていく。静寂を破ったのは、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”リーダー・山田一郎の声。イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュク、オオサカ、ナゴヤ――6ディビジョンのリーダーたちの勇ましい雄叫びとともに、約2時間ノンストップのライブが幕を開けた。
本作のテーマ曲「Battle of Pride 2026」は、登場全キャラクターが歌う、ヒプステ史上最大規模のナンバー。なんといっても今回は、中王区の面々がBoP初参戦を果たす。その存在感は圧巻で、セット上段から、自分たちが支配する男性陣を見下ろす構図が、中王区の在り方そのものを物語っていた。彼女たちの歌唱パートでは、ステージ上の男性陣が上段を仰ぎ見て、抗うような振付も。ヒプノシスマイクの世界観が、冒頭から浮き彫りになる。男性陣の表情は見えないものの、碧棺合歓(高橋桃子)に向かって腕を伸ばす碧棺左馬刻(植原卓也)の姿も。こういった姿が見られるのも、キャストが一堂に会するBoPならではの醍醐味(だいごみ)だろう。
テーマ曲の余韻も冷めやらぬまま、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”のターンへ。二郎(松岡拳紀介)と三郎(高野渉聖)がいつものように兄への愛情比べで喧嘩し、それをいさめた兄・一郎が、会場のあるヨコハマからイケブクロの方角へコール&レスポンスを送る――熱気と笑いの入り混じる一幕から、「IKB's finest」が始まった。ここからは、各ディビジョンのナンバーが次々と畳みかけられていく。
2番手は、ここがホームのヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”。花道をゆうゆうと闊歩し、センターステージではキレのあるダンスを「YKHM」に乗せ、大人の緩急で地元のファンを歓迎する。続くシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”は、飴村乱数(三井淳平)を先頭に、電車のように3人が連なって「Yell」に合わせ花道をくねくねと移動。ライブと相性抜群の乱数を筆頭に、集まった“お姉さん”たちを沸かせた。シンジュク・ディビジョン“麻天狼”の「Running wolf」では、神宮寺寂雷(小波津亜廉)の低音リリックが夜の香りを漂わせ、花道で伊弉冉一二三(安藤夢叶)と観音坂独歩(中染雄貴)が肩を組む姿に、ひときわ大きな歓声が上がる。オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”の「Bling Bling Bling Bling」はライブ映えするナンバー。ノリの良さでは天下一品の白膠木簓(北出流星)が「もっと声出せるかー」と煽り、会場のボルテージをさらに引き上げた。そこへハードな音をぶつけるのが、ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”。波羅夷空却(中西智也)のアクロバティックな動きも目を引く。
舞台オリジナルディビジョン・キャラクターの面々も負けていない。アカバネが重低音を響かせれば、アサクサが祭りばやしで沸かせ、ハチオウジが荒々しいバイブスで会場を震わせる。爽やかな学生チーム・道頓堀ダイバーズから、囚人4人組のD4へ、という落差も面白い。糸の会の大蜘蛛弾襄(植野堀誠)のターンでは、おなじみの「教祖!」「弾襄!」のコール&レスポンスで大いに盛り上がり、寶井灯依里(世界)はダンスブレイクでも魅せた。中王区が「QUEEN's Precepts」で示す強い女性像はライブのスパイスとなり、公演は後半戦へ。2周目はメロウな楽曲も織り交ぜつつ、ステージは途切れることなく続く。まさに、息つく暇もない。
「Rule the Stage wiz 6 mic ‐2026 Ver.‐」から、中王区による「中王遊戯」「QUEEN's Sanctuary」を畳みかけ、「Got to Jam」を挟んでの「3 on Fleek!!! (Revenge Ver.)」「ケリツケル Skill」「BRAWL for INSIST」「Trust or Betrayal」――これまで歩んできた公演の楽曲が連なるセットリストは、まさにクライマックス。その締めくくりに披露された、‐New Encounter‐主題歌「The Tribe of BATTLE EMCEEZ」で、盛り上がりは最高潮に達した。
そしてアンコール。再びテーマ曲「Battle of Pride 2026」を歌い上げたあと、ステージには一郎だけが残される時間が訪れた。4階スタンドまで埋め尽くされた客席を見渡し、深々と頭を下げる石川。多くは語らずとも、万感の思いが伝わる数秒だった。兄を迎えにきた、といった様子で現れた弟たちと、グータッチを交わす。その瞳には涙が滲みながら、しかし晴れやかな笑顔で、石川凌雅の山田一郎はステージを去っていった。
終演後、興奮と、石川を惜しむ涙とで、会場は満たされていた。過去最大規模のプライドがぶつかり合い、そして受け継がれていく。まさに「Battle of Pride」の名にふさわしい、忘れがたい一夜となった。
(取材・文/双海しお)
【公演概要】
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2026-
・10月2日:神奈川・ぴあアリーナMM
◆原作
EVIL LINE RECORDS
◆演出
植木豪
◆脚本
亀田真二郎
◆音楽監督
KEN THE 390
◆テーマソング
井手コウジ
◆キャスト
イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”
山田一郎:石川凌雅
山田二郎:松岡拳紀介
山田三郎:高野渉聖
ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”
碧棺左馬刻:植原卓也
入間銃兎:YUKI
毒島メイソン理鶯:益永拓弥
シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”
飴村乱数:三井淳平
夢野幻太郎:今井俊斗
有栖川帝統:木津谷泰勇
シンジュク・ディビジョン“麻天狼”
神宮寺寂雷:小波津亜廉
伊弉冉一二三:安藤夢叶
観音坂独歩:中染雄貴
オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”
白膠木簓:北出流星
躑躅森盧笙:飯田寅義
天谷奴零:喜史川大私
ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”
波羅夷空却:中西智也
四十物十四:酒寄楓太
天国獄:中塚皓平
アカバネ・ディビジョン“North Bastard”
堂庵和聖:岸本勇太
狐久里梁山:南部海人
蛇穴健栄:松浦司
アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”
鬼灯甚八:加藤良輔
駒形正宗:和田泰右
影向道四郎:結城伽寿也
“糸の会”
大蜘蛛弾襄:植野堀誠
“道頓堀ダイバーズ”
小鳥遊ハル:星野勇太
綿本裕孝:北乃颯希
茜ヶ久保遼太郎:高橋祐理
“D4”
谷ケ崎伊吹:高橋駿一
有馬正弦:福澤侑
阿久根燐童:岡野海斗
時空院丞武:後藤大
ハチオウジ・ディビジョン“WESTEND-MAFIA”
按雲真日瑠:SHIN
五十里蘭丸:手島聖貴
茶臼山良経:奥村等士
霧村徳磨:Jun
飛砂風紫音:蒼井嵐樹
寶井灯依⾥:世界
東方天乙統女:菜々香
勘解由小路無花果:白峰ゆり
碧棺合歓:高橋桃子
邪答院仄仄:太田夢莉
天都己一香:田野優花
天都己一愛:涼邑芹
三条院蒼乃⾵:鈴木友梨耶
東雲朧:鈴木南那佳
ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”
Toyotaka、RYO、SHINSUKE、HILOMU、Dolton、KENTA、GeN、KIMUTAKU、kaito
CHU-OH DANCE BATTLE“C.D.B”
MIKU、松本ユキ子、平野茜子、権田菜々子、Rin、akarin
【公式サイト】https://hypnosismic-stage.com/
【公式X】@hm_rtstage