『SUPER RICH』が描く“結婚観”が深い 「結婚は、会社を経営するようなもの」

カルチャー
2021年12月3日 19:00

■恋愛観が食いちがう衛と優

 恋人とすべてを共有したい人もいれば、自分の世界を守りたい人もいる。優は前者で、衛は後者だ。「好きだから、なんでも知りたい」と言う優に対して、衛は「私には私の世界がある」と返す。これには、それぞれが育ってきた環境が影響しているのかもしれない。

衛 『SUPER RICH』第8話  (C)フジテレビ
 幼い頃に両親を亡くした衛は、何だって1人で乗り越えてきた。本当は、心の奥に弱さを隠しているのかもしれない。それでも、そうやって生き抜くしかなかったのだ。その一方、優はどんなことも家族に相談してきたのだろう。衛との関係を、家族チャットで逐一報告していたように。それが当たり前の世界で育っているからこそ、恋人にも同じようなことを求めてしまうのだ。

 価値観の食い違いにより、二人に暗雲が垂れ込める。好きだから結婚したいのに、好きなだけで結婚するわけにはいかない。思い悩む優に、碇健二(古田新太)が現実を突きつけた。「結婚は、会社を経営するようなものです。好きだ、愛してる、結婚しようで終わるのは、映画とかドラマとか、漫画の世界だけです」――。バツイチの碇だからこそのリアルな結婚観は、「碇さん深い!」とSNS上で話題に。「結婚してもしなくても、幸せな時は幸せだし、不幸な時は不幸なんです」という言葉には、救われた視聴者も多いのではないだろうか。どちらの道を選んでも、結局は自分次第ということなのかもしれない。

優 『SUPER RICH』第8話  (C)フジテレビ
 それから「年下男子にそれ言われたらヤバいな…」と話題になったのが、優の2度目のプロポーズ。強盗に刺され、一時は意識不明になったものの、衛の看病で奇跡的に回復した優は、「男の人の方が、女の人より平均寿命短いじゃないですか?  だからきっと、俺の方が若いんです。俺の方が遅く生まれてきたのは、衛さんを一人にしないためなんです」とキュルっとした瞳で伝える。こんなプロポーズ、衛もうなずくしかない…。

 衛は、今吉と鮫島の視点に立ち、二人が生きやすい方法を模索するようになった。宮村空(町田啓太)と島谷聡美(松嶋菜々子)の密会は怪しげな雰囲気があるが、スリースターブックス崩壊の危機はなんとか逃れたようだ。物語は第2章が終わり、最終章へ。一気に1年4ヵ月後にワープする。別人のようになっていた優の変貌のワケとは。最後まで、目が離せない。

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