『SUPER RICH』が描く“結婚観”が深い 「結婚は、会社を経営するようなもの」
幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求める社長・氷河衛(江口のりこ)のジェットコースターのような半生を描くテレビドラマ『SUPER RICH』(フジテレビ系/毎週木曜22時)。本作は、仕事一筋で生きてきた衛が、貧乏な専門学生・春野優(赤楚衛二)と出会うことで、新たな価値観を見出していく物語だ。12月2日(木)に放送された第8話は、今吉零子(中村ゆり)と鮫島彩(菅野莉央)が退社を決意したことで、スリースターブックスに崩壊の危機が訪れた。(文=菜本かな) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください
【写真】会社崩壊の危機!? 写真で振り返る『SUPER RICH』第8話
■今吉が退職を決めた理由が明らかに
会社というものは、不思議だ。学校のように“卒業”の日が決まっているわけではない。にもかかわらず、生きていれば環境は変化していく。合わないと感じるようになるかもしれないし、入社後に本当にやりたいことが見える可能性もある。だが、会社はきれいに卒業することができない。
今の時代、転職は珍しいものではなくなってきている。しかし、スリースターブックスの社員たちのなかには、“卒業”を考える人はいないと決め込んでいた。東海林達也(矢本悠馬)が、「いろいろあったけど、いろいろあったから大丈夫だと思ってた」と言っていたように。この絆だけは切れることがないと信じていたのだ。永遠に続くものなんてないことを、私たちは知っているはずなのに。
衛&今吉零子(中村ゆり) 『SUPER RICH』第8話 (C)フジテレビ
今吉は、衛への思いにふたをするため、会社を去ると決意した。ずっと、衛のことを一番に考えてきた今吉。それなのに、衛の一番は、いつだって別の人だった。一ノ瀬亮(戸次重幸)が逮捕される前は、一ノ瀬が一番。そして今は、優のことを大事にしている。一ノ瀬が相手なら、まだ諦めもついたのかもしれない。しかし、優は今吉よりも後に仲間に加わった新参者だ。15年間、ずっと衛のことを思ってきたのに、あっさり奪われてしまうなんて…。自分も、誰かの特別になりたい。それが、今吉が退職を決めた理由だった。
鮫島彩(菅野莉央)&衛 『SUPER RICH』第8話 (C)フジテレビ
また、妊娠中の鮫島は、働き続けることに限界を感じていた。スリースターブックスでは、妊娠・出産を経て、職場復帰する人の制度が整っていない。「衛さん、そういう会社にしてこなかったじゃないですか」と言われてしまった衛は、自責の念に駆られる。自分のことばかりで、周りのことが見れていなかったのかもしれない…。落ち込んだ衛が向かったのは、一ノ瀬のいる留置場だった。衛の意外な選択に、「衛さん、一ノ瀬にはなんでも話せるんやなぁ、、」「誰がなんと言おうとも会社で一番心を許せたのは一ノ瀬だったんだな、衛さん」との声が上がっていた。
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