無職状態から『TENET』出演! ロバート・パティンソンの“奇妙なキャリア”を辿る

特集・レポート
2020年9月28日 11:00

■ついに「キャリア最高の演技」の評価を

 新鋭作家にいち早く連絡して数々の実験的映画に出演していったロバートが、役者として気をつけていたというのが「金髪より黒髪」。見た目の雰囲気で「ありがちな役」をオファーしてくる映画界において、ブロンド役ばかり所望されることに気づいたため、自ら「黒髪で痩せた男」の役柄を求めていったそう。

コニーを演じた『グッド・タイム』 写真提供:AFLO
 事実、この期間に彼が演じた役柄はそうしたビジュアルが多いのですが、なかでも大きな喝采を浴びたのが、ハプニングと犯罪だらけの一夜を描いた2017年作『グッド・タイム』。これは2019年に大ヒットしたNetflix配信作『アンカット・ダイヤモンド』を手掛けたジョシュ&ベニー・サフディ兄弟の監督作で、ニューヨークのクイーンズ訛りで主演を務めたロバートも「キャリア最高の演技」評価を獲得しました(物語の途中で主人公が黒髪を金髪に染めるあたり、なんだか運命的です)。

■一時は無職状態に!?

『The Lighthouse(原題)』より 写真提供:AFLO
 「パラノイド的素質がロブを特別な俳優にしている」。そう語るロバート・エガース監督による2019年作モノクロ映画『The Lighthouse(原題)』において、狂気に蝕まれる孤島の灯台守を演じて高評価を得たロバート。この頃には、すっかりアートハウス系映画の名役者として認知される立場に。同時に「派手な超大作には出たがっていない」と思われた為か、抜群の知名度にも関わらずハリウッドの「A級仕事用のA級役者リスト」に載せられていなかったそう。『The Lighthouse』撮影終了後には無職状態だったため、これには流石のロバートも不安になったとか。

ジョン・デヴィッド・ワシントン&ロバート・パティンソン 『TENET テネット』より (C)2020 Warner Bros Entertainment Inc.All Rights Reserved
 そこで飛び込んできたビッグオファーこそ、彼が「数億ドルの製作費でアートハウスをつくれる唯一の監督」と絶賛するクリストファー・ノーランが手掛けるオリジナル超大作『TENET テネット』。どうやら、ノーラン監督は『グッド・タイム』と『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』のロブの演技に魅了され、時期を見てオファーを持ちかけたようです。

■そして次なるバットマンへ

『ザ・バットマン』ロゴ
 そして、『TENET テネット』撮影が始まったばかりの頃、到来したのが、彼が愛するマット・リーヴス監督による『ザ・バットマン』のバットマン役のオファー。伝説的グランジバンド、ニルヴァーナの楽曲が流れる予告編はどこかゴス風で、彼のファンも熱狂。同じくゴス的魅力を漂わせた『トワイライト』以降ご無沙汰だった有名原作つき大作ムービーへの華麗なる帰還となりそうです。

 「やりたいことをやり続けただけなんだ。最初から」。ハリウッドきっての奇妙なキャリア、と語られた経歴について、ロブはこう語っています。元々、インディーズと勘違いして『トワイライト』に出演したことを考えれば、アート系映画を愛する彼の姿勢は一貫しているのかもしれません。ちなみに、苦い思い出もあった『トワイライト』シリーズですが、今では、彼らしいかたちで受け止めているよう。「『トワイライト』は、多くの面で、アートハウス映画のようなんだ。意識的にそうあろうとした作品よりもね」

【『TENET テネット』概要】
公開日:9月18日(金) 全国ロードショー
(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc.All Rights Reserved

【『ザ・バットマン』概要】
公開時期:2021年

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辰巳JUNK(ライター)

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