世界の“ボーイズラブ映画&ドラマ”が豊作! 『2gether』『窮鼠』など注目作をご紹介
■暴力描写も多い韓国BLの世界
『後悔なんてしない』(「のむコレ2020」で限定公開) (C)DCG Plus
日本でも配信や特集上映などが繰り返しされ、観ることのできる機会が多い韓国のBL映画といえば、イ=ソン・ヒイル監督の『後悔なんてしない』が挙げられます。彼の作品には、現実の社会状況を反映させたかのような同性愛嫌悪が映画に深く刻み込まれていますが、韓国のBL映画には、同性愛嫌悪の問題や暴力描写が比較的多く描かれるところが一つの傾向としてあるかもしれません。
『詩人の恋』(11月13日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開) (C)2017 CJ CGV Co.,Ltd., JIN PICTURES,MIIN PICTURES All Rights Reserved
他には、殺し屋とネット小説家の男性がファンと恋に落ちる『long time no see』(2017)や、同性愛の舞台を演じることになった男性同士が芝居と現実の境界線を失っていく『メソッド』(2017)などが現在Netflixでも配信中です。11月13日(金)には、詩人の中年男性の青年への切ない恋慕が、美しい言葉たちと共に叙情的に描かれる『詩人の恋』(2017)の公開が待機しています。
■異彩を放つタイBL映画
『トロピカル・マラディ』 写真提供:AFLO
日本でも有名なタイの映画作家アピチャートポン・ウィーラセータクンの『トロピカル・マラディ』(2004)は二部で構成されており、前半は田舎に暮らす二人の青年がデートをする様子が、かたや後半では森を舞台にした神秘的な世界が繰り広げられます。観念的とも言えるその審美性は数あるBL映画のなかでも異彩を放っています。
『The Blue Hour(原題)』 写真提供:AFLO
女性監督のアヌチャー・ブンヤワッタナの『The Blue Hour(原題)』(2015)は、誰もいない廃墟のプールと神隠しを描くBL映画です。この映画もそうであるように、タイでは精霊信仰の文化に根ざしているとも思われるホラージャンルがとてもポピュラーです。
■タイはBLドラマも人気!
『2gether』(WOWOW/10月22⽇(木)スタート 第1話無料放送/毎週木曜深夜0時00分から2話ずつ放送) (C)GMMTV
そしてタイといえば、いまやタイBLドラマの人気は、ますます日本でも広がりを見せています。校内一のイケメンに「偽彼氏」になってもらうことをお願いするところからはじまるラブストーリー『2gether』(WOWOW/10月22⽇(木)スタート 第1話無料放送/毎週木曜深夜0時00分から2話ずつ放送)は、その火付け役のような存在です。
『Until We Meet Again~運命の赤い糸~』は、前世で引き裂かれた恋人同士の生まれ変わりである二人が再び出逢い、転生を通して時代や社会の同性愛を取り巻く変容を描出していく感動のドラマです。
12月14日(金)Blu-ray BOX発売の『TharnType/ターン×タイプ』(2万3000円) Me Mind Y Co.,Ltd.(C)all rights reserved
そのほか、タイBLドラマの金字塔として”履修”必須な『SOTUS』(2016)や、映画をモチーフとした、視点が切り替わる切ない片思い譚の『Theory of Love』(2019)などがあります。また、日本でも8月から配信が開始された『TharnType/ターン×タイプ』(2019)は、多くのBL作品に影響を与えた『君の名前で僕を呼んで』(2017)の遺伝子を受け継ぐ作品でもあり、その類まれな映像美に魅了されること間違いありません。
以上、ここではほんの一部しか紹介できませんでしたが、世界各国のBL映画/ドラマにはまだまだ名作があります。ぜひお気に入りの作品を見つけてみてください。