過去には屈辱や苦悩も経験! BTSが辿った「Dynamite」までの“険しい道のり”
世界のトップアーティストたちと同じ土俵で、躍進を続けるBTS。メンバーを笑わせる明るい長男のJIN、物静かで才能あふれるSUGA、ムードメーカーでダンス隊長のJ‐HOPE、BTSのブレーンであるリーダーのRM、唯一無二の歌声と繊細な表現力で魅了する努力家JIMIN、彫刻のような美しい顔と低音ボイスが魅力のV、歌やダンスだけでなくスポーツやゲームなどなんでもこなす黄金マンネ(末っ子)のJUNG KOOKから成る7人組のグループです。デビューから7年、BTSが成功を掴むまでの道のりは決して平坦な道ではありませんでした。今回、新規さんも必見! 夢を叶え続ける7人のサクセスストーリーをデビューから振り返ります。(文=Nana)
【写真】早く行きたい!BTSのライブの様子
■中小事務所だったBig Hitからデビュー!
BTSは、2013年6月13日ほぼ無名だった中小事務所Big Hitエンターテインメントから、防弾少年団(BTS)という名前でデビュー。10代、20代の若者へ向けられる社会的抑圧や偏見を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜くという意味を持つグループ名の通り、ヒップホップ色強めのトラックに若者たちのフラストレーションを代弁したストレートな歌詞を乗せ、“ヒップホップアイドル”として誕生しました。
大手事務所所属のアイドルたちがひしめき合っていた当時、中小事務所所属だったBTSは、デビュー時から大きな注目を浴びることはありませんでした。韓国のアーティストにとって、スターになる必須条件なのが、独自の採点方法でランク付けを行う音楽番組のランキングで1位を取ること。しかしBTSは音楽番組には出演していたものの、1位のトロフィーを掴むことはありませんでした。それにくわえ、“ヒップホップアイドル”というコンセプトに「所詮アイドルラッパー」、「BTSはヒップホップではない」などと揶揄(やゆ)されることも。元々ヒップホップの世界で有名だったRMやSUGAは、大きな屈辱を味わっていたそうです。
2013年12月には、日本初上陸。ジャパンショーケースを開催し、日本での活動をスタートさせ、翌年の2014年6月には日本デビューを果たします。11月には日本初の単独コンサートも開催し、圧巻のライブパフォーマンスで“公演ドル(公演に力を入れているアイドル)”として強烈な存在感を示していきます。
■大きなターニングポイントは「I NEED U」
「Boy In Luv」や「Danger」などの楽曲を出すも1位を獲ることは叶わず、大きな成果を得られずにいました。楽曲の方向性に悩み抜いた結果、イメージを一新。彼らを一躍スターダムに押し上げた青春三部作となる「花様年華」シリーズの第1弾ミニアルバム『花様年華pt.1』を発表します。
タイトル曲となった「I NEED U」は、これまでのBTSのヒップホップ調の楽曲とは異なり、エキゾチックで哀愁も漂う一曲。この曲でついに念願だった音楽番組『ミュージックバンク』1位を獲得! この頃から、デビュー当初は7人のパフォーマンス中心だったミュージックビデオが、メンバー全員にストーリー設定があるショートドラマの様なドラマチックな仕様になります。前のミュージックビデオに登場した壁の落書きなどが次の作品に大きな意味を持つなど、まるで謎解きのようなワクワクする仕掛けが隠された、BTSならではの世界観がこの頃に形成され、大きなターニングポイントとなりました。
2020年『MAP OF THE SOUL:7~THE JOURNEY~』の発売を記念して行われた「BTS MUSIC JOURNEY」のインタビューにおいてSUGAは、「これが最後のチャンスかもしれないと思いを抱えて全てを出し切って作った」と話し、メンバーの大半が「BTSのターニングポイントは『I NEED U』だった」と、BTSにとって特別な一曲であることを語っています。BTSを象徴するトラックの1つとも言われるこの曲は、広く大衆に愛され、“全国区”へと広がり、BTSの成功への第一歩となりました。この『花様年華』シリーズを皮切りに次々とさまざまなランキングで1位を獲得し、人気を確立していきます。
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