忘れ物のタオル、処分せずに「てるてる坊主」に!? 埼玉・玉川温泉の“梅雨限定の企画”の背景を聞いてみた
温泉施設の帰りに「あっ、タオル忘れた!」ってことはありませんか? そして、後になって「あの時のタオルどうなったんだろう」と気になることもあるでしょう。埼玉・ときがわ町にある昭和レトロな温泉銭湯“玉川温泉”は、梅雨明けまでの期間中、忘れ物のタオルを使⽤して制作した「てるてる坊主」を館内に飾る企画を実施しています。思わずほっこりするこの取り組みはいつごろ始まったのでしょうか? 玉川温泉に聞いてみました。
【写真】タオルの数だけ個性がある 忘れ物のタオルで作られた「てるてる坊主」
■忘れ物をすてきな思い出に
のどかな里山の中にある玉川温泉は、昭和30年代の日本をイメージした昭和レトロな銭湯。まるで昭和の日本にタイムスリップしたような雰囲気の館内で、地下1700mから湧出するつるつるとした肌ざわりが特長の本格的な天然温泉を満喫することができます。
そんな玉川温泉は、2016年ごろから梅雨シーズンの「てるてる坊主」作りを実施。通常、忘れ物のタオルは一定期間を過ぎると処分しているそうなのですが、「せっかくであればカラフルで個性あふれるタオルを活用したい」との思いから、「てるてる坊主」を作るようになったそうです。
なぜ「てるてる坊主」にするのかというと、子どもの頃、誰しもが自宅でタオルやハンカチで作った思い出があるからとのこと。時には飾られた「てるてる坊主」をきっかけに、タオルが持ち主のもとに帰ることもあるそうで、実際にタオルを見つけた持ち主は喜んでタオルを持ち帰るといいます。
ちなみに温浴施設に訪れる利用者の忘れ物で一番多いのがタオルだそうで、玉川温泉の場合、年間で1000枚ほどのタオルを預かっているそう。そんなタオルをただ処分してしまうのではなく、遊び心あふれる企画で再利用し、なおかつ持ち主の手に戻るチャンスを作り出す取り組みに思わずほっこりしてしまいました。
なお、本企画は、梅雨入りから梅雨明けまでの期間限定で実施。気象庁のデータによると、関東甲信は平年7月半ばには梅雨明けを迎えるため、気になる人は早めに足を運ぶことをオススメします。