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『ババドック』女性監督最新作、夫と子どもの命を奪われた女囚の復讐劇描く衝撃作公開

映画

 映画『ババドック ~暗闇の魔物~』のジェニファー・ケント監督最新作で、第75回ヴェネツィア国際映画祭においてコンペティション部門唯一の女性監督作品として注目されながらも、そのあまりにも過激で衝撃的な内容が物議を醸した映画『THE NIGHTINGALE(原題)』が、邦題を『ナイチンゲール』として3月20日より公開されることが決定。メインビジュアルと予告編が解禁された。

【写真】衝撃的な内容が物議を醸した『ナイチンゲール』場面写真

 本作は、英国植民地時代のオーストラリアを舞台に、夫と子どもの命を残虐な将校らに奪われた女囚クレアの復讐の旅を描くリベンジ・スリラー。処女作『ババドック ~暗闇の魔物~』(2014)が高い評価を受けた女性監督ジェニファー・ケントが、人間の暴力性と差別の問題に鋭く切り込み、流刑地における女性虐待と植民地化によって人口の90%が失われたと言われる先住民アボリジニの迫害の歴史を赤裸々に描き出す。

 サム・ペキンパー監督作を彷彿とさせるリアリズムとバイオレンスで描かれた本作は各国の映画祭で絶賛され、第75回ヴェネツィア国際映画祭では新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)、審査員特別賞の二冠を達成。2019年度のオーストラリア・アカデミー賞では作品賞、主演女優賞ほか6部門の最多受賞を決め、同年米アカデミー賞の前哨戦となるナショナル・ボード・オブ・レビューのトップ10映画にも選出された。ケント監督の名声はさらに高まり、マーベル映画への起用も噂されるなど、ハリウッドで最も注目される監督の1人となっている。

 19世紀のオーストラリア。一帯を支配する英国軍の将校達から激しいレイプを受け、夫と子どもを殺されたアイルランド人の女囚クレア。復讐を誓う彼女は、逃亡した将校らを追跡するため、先住民アボリジニのガイドであるビリーに道案内を依頼する。何一つ後ろ楯もない、奪われし者達の過酷な復讐の旅が始まる―。

 主人公クレアを演じるのはドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のリアナ・スターク役でおなじみの女優アイスリング・フランシオシ。オペラ歌手でもある彼女が劇中で歌うアイルランド民謡は、観る者の胸に美しく切なく響き渡る。また、クレアから全てを奪う残忍な将校役を映画『あと1センチの恋』のサム・クラフリンが熱演している。

 メインビジュアルは、悲しみと怒りにみちた強い眼差しのクレアと、彼女の前を夜鳴き鶯(ナイチンゲール)が横切る姿を捉えた鮮烈なヴィジュアル。アメリカの有力な映画メディアの一つ「インディ・ワイアー」において“2019年のベスト・ポスター”の中の1本に選ばれている。

 予告編では、かつてイングランドに対する抵抗歌として歌われたアイルランド民謡「シューリ・ルゥ」のメロディに乗せて、将校らの理不尽な暴力によりすべてを奪われ復讐を誓うクレアが、アボリジニの青年ビリーと共にタスマニアの森をさまよい、加害者たちを刻々と追いつめていく様がサスペンスフルに描かれている。

 映画『ナイチンゲール』は3月20日より全国公開。

映画『ナイチンゲール』予告編

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