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東野英治郎

東野英治郎 出演映画作品

  • 続 社長学ABC

    制作年:

    大日食品の新社長・丹波久はヤングパワーの起用をはかって大ハッスル。一方、会長とは名ばかりで仕事のない網野前社長。しかし福山への出張を命じられると、お得意の浮気の虫がまたまた動き出して……。

  • 夜の河

    制作年:

    山本富士子をスターダムにのし上げた記念碑的な作品。吉村公三郎監督にとっては初のカラー作品となり、宮川一夫カメラマンとともに驚嘆すべき色彩を作り上げた。京都堀割の京染屋の娘・キワは結婚もせずに家業に打ち込んできたが、病弱の妻をかかえた阪大助教授・竹村に惹かれて恋に落ちてしまう。妻の死後、キワは竹村に求婚されるが……。古いモラルと新しい時代の奔放さを共存させている女の役を山本富士子が好演。上原謙がショウジョウバエの研究家というのが面白い。吉村監督は色覚異常だったのでどんな色彩映画になるのかと注目されたが、心配はすべて杞憂に終わり、実に美しいカラー映画になった。

  • 陸軍

    制作年:

    西南戦争から日清・日露の両戦争、さらに日中戦争に至る富国強兵政策にダブらせて描く、福岡のある一家の3代にわたる大河ドラマ。田中絹代が出征する息子を捜し、行進する部隊を追っていくラストシーンは感動的である。ただし本作で木下惠介は軍部からにらまれる結果となった。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。

  • 七人の侍

    制作年:

    日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒューマニズムを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。その後、「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画をお手本にした作品が続出した。志村喬演ずる勘兵衛が泥棒を斬るシーンでスローモーションが使われているが、これにヒントを得たサム・ペキンパーがアクション場面でこの手法を引用したことは有名な逸話。戦国時代、野武士が野盗化していた頃。貧しい農村の百姓たちが、野盗から村を守るため、侍を雇うことにする。食うことにも窮する侍7人が集まり、百姓たちにも竹槍による即成の軍事訓練を始めさせる。そしてついに野武士の群れが全力を上げて村に攻撃をしかけてきた……。早坂文雄作曲の『侍のテーマ』が実に印象的に使われており、次に展開するドラマへの期待感を盛り上げる。無口なサムライの久蔵を演じた宮口精二は、それまで剣道を1度もやったことがなかったが、この映画の中では日本一の剣豪に見えるから不思議だ。映画のマジックといえるだろう。

  • 野獣死すべし〈1959年〉

    制作年:

    大薮春彦の原作を須川栄三監督が映画化したハードボイルド・アクション。主人公・伊達邦彦は勤勉な秀才の大学院生。反面、彼は完全犯罪に異常な興味を示し、殺人のスリルに陶酔するという二つの顔を持っていた。クールな伊達に扮した仲代達矢が好演。

  • 戦国無頼

    制作年:

    時は戦国。織田信長によって滅ぼされた浅井長政の家臣・佐々疾風之助、立花十郎太、鏡弥平次は、落ちのびて後、それぞれ流転の人生を歩む。時は流れ、十郎太は織田方に、疾風はその敵方に分かれ、弥平次を加えた3人は、再び戦場で出会うが……。山口淑子が十郎太と疾風之助の間で揺れる野武士の娘、おりょうを可憐に演じている。

  • 純愛物語

    制作年:

    不良仲間から足を洗おうとしてリンチを受けそうになっていたミツ子は、ふとしたことから貫太郎に助けられる。二人は組んでスリをして稼ごうとたくらむが、警察に捕まり、貫太郎は鑑別所へ……。新人の中原ひとみを主役に起用し、みずみずしいタッチで描いて大ヒットした青春ドラマ。

  • 柳生武芸帳〈1957年〉

    制作年:

    正保4年、徳川幕府を左右する謎を秘めた柳生武芸帳は、竜造寺家の遺児・夕姫の手にあった。肥前の術者・山田浮月斎は、多三郎、千四郎兄弟を使ってこれを奪いとろうと企てる。名匠・稲垣浩がベストセラーをオーソドックスに映画化した時代劇。

  • 悪女の季節

    制作年:

    皮肉で痛烈な洗練された喜劇を得意とする渋谷実のコメディ・タッチのサスペンス映画。悪事でしこたま金をためこんだ老実業家と相棒の悪女、金目当てで彼の世話をする元芸者とその娘など、さまざまな物欲につかれた輩の人間模様が展開。ブラックな笑いが未消化ながら,鮮烈な印象を残す仕上がり。

  • 黒い潮

    制作年:

    行方不明の国鉄総裁が、轢死体となって発見されたという事件を背景に、一人の新聞社社会部記者の、煮えきらない社の方針に対する憤りと、かたくなな正義感を描いた社会派作品。下山事件にヒントを得た井上靖の小説の映画化。滝沢修ら新劇のベテランが出演。

  • 伊豆の娘たち

    制作年:

    この映画の封切りは昭和20年の8月30日で、つまり終戦後封切り作品の第1号というわけである。混乱する時局の中、急場しのぎで製作されたにもかかわらず、職人、五所平之助らしくうまくまとまっている。父親と娘二人で暮らす伊豆の食堂に、宮内という青年が下宿することになり、騒動が持ち上がる。

  • 深夜の告白〈1949年〉

    制作年:

    戦後、大陸から帰国し、新東宝入りした中川信夫の同社での第2作。新聞記者・森口は横浜・クジラ横丁のビタミン亭に入り、驚くべき事実を知る。そこの亭主は、かつて飛行機会社社長として知られ、その後失踪した早川道平だったのだ。森口は早川と同じアパートに住む女と知り合い、彼の動静を探らせるとともに、早川の娘や早川家の元小間使いにこの事実を知らせるが……。

  • 黒い河

    制作年:

    アパートとは名ばかりの朽ち果てた長屋・月光荘。その立ち退き問題をめぐって繰り広げられる様々な人間模様を、一人の大学生の目を通して辛辣に描き出した異色の人間ドラマ。自分を犯したヤクザに惹かれる思いを断つために、殺意を抱く若い娘の心理を、コントラストの強いモノクロ画面に煮つめた演出パワーが特筆ものだ。撮影を担当したのは、小津作品でも知られる名手・厚田雄春。

  • ここに泉あり

    制作年:

    群馬県高崎市の群馬交響楽団が、様々な困難を克服して設立されていった過程を、ポピュラーな名曲や童謡などを盛り込んで描く。今井正と名コンビといわれた水木洋子の脚本だが、エピソードを詰め込みすぎ、全体的に緩慢な仕上がりになっているのが惜しい。なお、ビデオは148分のカット版。

  • 青べか物語

    制作年:

    山本周五郎の名作を、川島雄三が散文詩的に描いた叙情味あふれる作品。映画の舞台となった浦安は、今では東京ディズニーランドができてにぎやかだが、当時はさびれた漁村だった。その田舎の人間の生活感や、美しい水辺の風景を捉えた映像が秀逸。

  • 私たちの結婚

    制作年:

    松山善三と松竹ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として活躍していた篠田正浩が共同で脚本を執筆、篠田が監督した青春恋愛事情。川崎の漁網会社に勤める圭子と冴子の姉妹は、二人とも職工の駒倉に好意を寄せていたが、冴子は姉のために身を引こうと決意する。しかし妹の思いをよそに、姉は金持ちの松本に惹かれていく。倍賞千恵子の新鮮な演技が初々しい。

  • 山びこ学校

    制作年:

    無着成恭が編集して、当時大ベストセラーになった作文集『山びこ学校』を原作として映画化したもので、脚本の八木保太郎が自ら設立した独立プロ“八木保太郎プロダクション”の第1回作品である。山村で起こる生徒と先生、村人とのふれあいを、ドキュメンタリー的なタッチで描いたさわやかな一編。

  • 制作年:

    厳しい現実のなかで引き裂かれていく初恋と新しい生活への意志を描いて、喜びと哀しみが胸をいき交う青春編。日本楽器の女工、志津子と同僚の事務員、雄二は互いに愛し合い結婚を願う。しかし、志津子の家族の過去の汚点を雄二の肉親が見とがめて、二人の間は遠のくばかり。そんな時、志津子に見合い話が……。

  • 生きものの記録

    制作年:

    町工場の経営者、中島喜一は原水爆の実験に脅威を感じ、この地球上で安全な場所は南米しかないと考える。そして、家族にも相談しないで南米への移住を計画。工場で生計を立てている息子たちは父の計画に猛反対し、父を裁判にかける。財産を自由に処分できない準禁治産者に認定してもらうためだ。ブラジルへ行けなくなった中島は、急に不安が募って発狂し、工場を放火してしまう……。黒澤明が原水爆反対の立場を表明した映画だが、興行的には失敗した。三船敏郎がフケのメイクで熱演。黒澤との名コンビで知られる音楽の早坂文雄は、主人公の心の不安を映し出す主要な楽曲を残したあと、作品の完成を見ることなく逝去した。

  • 意気に感ず

    制作年:

    サラリーマンを描く源氏鶏太の同名小説を、斎藤武市が映像化した企業内幕もの。神保物産営業部員・英吉は、神保物産から独立した西田物産に引き抜きの誘いを受けていた。それを蹴って、彼は神保物産立て直しをはかるべく、4年前退職した東沢を連れ戻す。が、社内にも西田物産派がおり、様々な妨害が……。

  • 花嫁は十五才

    制作年:

    熊本から東京に出て来た17歳のむく太は、父親と二人暮らしの15歳の女子高校生、弘子と出会う。お互いに惹かれているのにそっけない態度をとる二人。そんなある日、弘子の父が死んでしまう。むく太と弘子は結婚して一緒に住もうとするが、二人の年齢では法律上結婚できない。仕方なく、アパートで同棲を始めるが……。二人の純粋な愛と情熱を、当時の人気コンビ、和泉雅子・山内賢の主演で描く青春ドラマ。江崎実生の監督デビュー作でもある。

  • 潮騒〈1954年〉

    制作年:

    三島由紀夫の古典的青春小説を、谷口千吉監督が久保明、青山京子主演で映画化した青春映画。伊勢湾の小島を舞台に、りりしい漁師の若者と、美しいアワビ採りの娘との運命的な結びつきが描かれる。当時流行していた性典ものや思春期ものとは、一線を画す格調ある青春もので、三島由紀夫の理想主義的な青春像を、谷口千吉監督がツボを押さえた演出で映像化した。主役の若い男女に扮する久保明と青山京子は、ともに初々しい演技で好感が持て、完倉泰一の現地ロケーションによるカメラも効果を上げた。三船敏郎が若い二人を見守る船長役で特別出演。なお、この原作は、1964年・1971年・1975年・1985年と5度映画化されている。

  • 大曽根家の朝

    制作年:

    木下惠介監督の戦後第1作で、戦前プロレタリア演劇運動の中心的作家であった久坂栄二郎が、脚本を担当した反戦映画の力作。大曽根家は戦争によって息子たちが次々に出征し、軍人の叔父がわが者顔で家を占拠するが、終戦になり息子たちを失った母は、毅然として叔父の卑劣な態度をなじり、立ち退きを要求し……。戦後、占領軍指令部によって軍国主義の批判と民主主義の啓蒙というテーマが日本映画に課せられた。この作品は、そうした軍国主義批判の最初の力作として記憶に残る作品となった。木下惠介はこの作品の後、セキを切ったように傑作、話題作を次々に発表し、黒澤明と並ぶ戦後日本映画の巨匠となった。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。

  • 十代の性典

    制作年:

    思春期映画のはしりとなったシリーズの第1作。17歳の高校生房江、同級生の英子、上級生のかおるらを中心に彼女のボーイフレンドたちと織り成す、愛と性を描く。他愛ない内容ではあるが、当時にしてはショッキングで、学生に見ることを禁ずる学校もでたほどだ。不幸な結末を迎える女学生たちの姿が悲しい。

  • 馬鹿が戦車〈タンク〉でやって来る

    制作年:

    日永村のはずれに、少年戦車兵あがりのサブと頭の弱い弟の只六、そして耳の不自由な母親の3人が暮らしていた。村の人たちは彼らを村八分にしていた。なかでも長者・仁右衛門は戦後の農地解放でサブに農地を取られたのを根に持ち、サブとのいさかいが絶えない。いさかいが高じて、サブはブタ箱に入れられ、土地を取り上げられてしまう。出所したサブは、納屋に隠しておいた戦車に乗り、村中を大暴れする。“ある男が除隊のときにタンクを納屋に隠しておいて、ある日、それで暴れ出す“という團伊玖磨のひと口話をモチーフに、山田洋次がシナリオ化。どこかにありそうでどこにもない、日本のとある田舎を設定して、方言まで創作したという凝りようだ。喜劇の体裁をとりつつ、偏見に対する痛烈な批判がうかがえる。実に詩心のある仕上がりで、山田監督初期の代表作となった。

  • 続 サラリーマン清水港

    制作年:

    ライバル・黒駒醸造に都市対抗野球で負けた清水屋。ヤケ酒の長五郎社長は飲み屋でもケンカ。そのうえ、倒産寸前の神戸屋への融資まで引き受けてしまう。神戸屋乗っ取りをたくらむのがあの黒駒なのだ。

  • 女優須磨子の恋

    制作年:

    夫と離婚して新劇運動に飛び込んだ須磨子は、自由恋愛を説く学者・島村抱月と出会う。新劇界の大スターとなっていく須磨子と新劇運動のリーダーとして活躍する抱月との恋は、やがて悲しい結末を迎えることになるのだった……。溝口=田中の名コンビで描く女性の自立をテーマとした一編。

  • 堂堂たる人生

    制作年:

    『週刊明星』に掲載された源氏鶏太の同名の小説を牛原陽一が監督。主演は石原裕次郎。オモチャの製作会社に勤める中部周平(裕次郎)と紺屋小助(長門)は新製品のテスト中に石岡いさみ(芦川)と知り合う。オモチャ会社は倒産寸前だったが、3人は知恵を絞り孤軍奮闘して会社を救う、というハッピーな作品。

  • 私刑

    制作年:

    当時、エノケンものなど喜劇の多かった中川監督が作った現代アクション。菅原一家の子分・梅若と清吉は、お加代をめぐって対立する。清吉はカタギとなってお加代と一緒になろうとするが、梅若は彼を非情な罠にかける。裏切られた清吉とお加代は世間の目から身を隠し、逃れていくのだが……。

  • 斬る〈1968年〉

    制作年:

    天保4年、上州の地。二人の男がこの地に現れた。一人は、かつて武士を捨てたヤクザの源太、もう一人は百姓を捨て武士になろうと血気盛んな半次郎。当地の家老殺害事件をきっかけとした権力者対若手武士の対決で敵味方に別れながらも、ついには二人して改革運動を担っていく……。山本周五郎作『砦山の十七日』を岡本喜八監督が映画化。岡本は本作までの東宝系娯楽路線にあきたらず、同年、続いてATGで「肉弾」を発表した。

  • 早春〈1956年〉

    制作年:

    小津作品としては、シリアスな感じの強い人間ドラマ。倦怠期の夫婦を描いた作品では、「お茶漬の味」などがあったが、それらは軽妙なユーモアを感じさせ、ほのぼのとしていた。ここでの夫婦の危機的状況はもっと深刻である。蒲田界隈に住む30歳の正二と昌子の夫婦の暮らしと、正二とサラリーマン仲間との交遊が並行して描かれる。夫の出征中に子供を病死させて以来、二人の仲は気まずく夫は無気力だ。そこへ夫の同僚の若い娘が関係してきて、夫婦間の不和が決定的となる。そんな状況から脱してヨリを戻し再出発を誓うシーンで映画は終わる。珍しく戦後派新世代の生活感を大胆に取り入れ、仕事仲間とのハイキングの小さな出来事がのっぴきならない不倫へと発展していくプロセスを、きめ細かく演出する。小津映画の珍しいキス・シーンに注目。

  • 東京物語

    東京物語

    制作年:

    黒澤明、溝口健二とともに日本を代表する映画作家・小津安二郎の代表作といえばこの「東京物語」につきるだろう。小津がサイレント期から描き続けてきた親子関係のテーマの集大成ともいえる作品である。地方から老いた夫婦が上京し、成人した子供たちの家を訪ねる。子供たちははじめは歓迎するが、やがて両親がじゃまになって熱海に行かせたりして厄介ばらい。戦死した息子のアパート住まいの未亡人だけが親身になって面倒をみてくれるという皮肉。やがて老夫婦は田舎に帰るが、その直後、妻は急死してしまう。一人残された老人は、静かに海を見つめて……。戦後の日本における家族生活の崩壊を描いた、と監督本人が語るこの作品は、人間の孤独感、死生観といったテーマまでをも取り込み、味わい深い作品となった。志賀直哉を深く愛した小津監督は、『暗夜行路』にちなんで尾道市をラスト・シークエンスの舞台に選んだが、その尾道の寂れて、どこか温かい風景が、この厳しいテーマを繊細に包み込み、忘れることのできない画面を生み出した。

  • 夕やけ雲

    制作年:

    下町の魚屋の家に生まれ育った息子が、家業の魚屋を継ぐのはいやで、船乗りに憧れていたにもかかわらず、結局は父の死によって魚屋の跡継ぎになるまでを描いた作品。前作「野菊の如き君なりき」でデビューした新人・田中晋二が、主役に抜擢された。脚本の楠田芳子は木下惠介の妹で、撮影の楠田浩之の夫人でもある。

  • 雁〈1953年〉

    制作年:

    森鴎外の小説を豊田四郎が映画化した。舞台は明治時代の東京。貧しく育ったお玉は高利貸しの妾になり、無縁坂に家をもらって住んでいる。毎日坂を散歩しにやって来る大学生に憧れるようになったお玉は、ある日心を打ち明けようとするが、折しも大学生は海外留学に出発するところだった。彼は去り、また単調な生活が始まる……。人生の不遇に耐えながらもシンの強い女を高峰秀子が好演。戦中から戦後にかけて長いスランプにあった豊田監督は、この1作で久々に本領を発揮した。特に明治の情緒たっぷりの美術とカメラワークが素晴らしい。1966年、大映の池広一夫監督によるリメイク作品がある。

  • 浪花の恋の物語

    制作年:

    原作は近松門左衛門の名作『冥途の飛脚』。これを、溝口の晩年の作品を手掛けた成沢昌茂が脚色している。監督は内田吐夢で、リアリズムの監督としては珍しく、ここでは作者の近松を狂言回し風に登場させるなどして、独特の様式美の世界を創出している。徳川時代の大阪の飛脚問屋の養子、忠兵衛は遊女の梅川を愛するあまり、梅川が他の客に見請けされるのを嫌い、それを阻止しようとする。あげく、他人の大金を勝手に使い、梅川を引き取る。やがて二人は罪人の身となり、人目を忍んで生まれ故郷への逃避行を敢行。しかし、その行手には悲劇的終末が待ち構えていた。あまりにも有名な愛の悲劇を内田吐夢は気高く荘重な作品に仕上げている。

  • 永遠の人

    制作年:

    昭和7年の九州阿蘇。地主・小清水の小作人の娘・さだ子には隆という恋人がいた。地主の息子・平兵衛はある日、片足を負傷して戦地から復員する。さだ子は平兵衛に犯され入水自殺を企てるが助けられる。12年の歳月が流れ、隆に去られたさだ子は平兵衛と結婚する。木下惠介得意のいわゆる年代記もので、全体が5章より成る昭和7年から昭和36年までのさだ子と平兵衛の愛憎、というよりは憎悪の半生記である。フラメンコのリズムに乗せて、従来の木下調リリシズムを裏返したように展開する“永遠の憎しみ”に貫かれた異色のホームドラマ。木下惠介はこの作品を木下作品には欠かせない高峰秀子のために作り上げたと言っている。吉田喜重が助監督として参加している。

  • 秋津温泉

    制作年:

    藤原審爾の小説を、岡田茉莉子が企画し、吉田喜重が脚色・監督した作品で、「ろくでなし」での鮮烈デビュー後やや低迷していた吉田の代表作となった。敗戦の直前、岡山県の山奥の温泉“秋津荘”に結核の治療でやって来た青年が、宿の娘の看病で一命をとりとめる。敗戦の知らせを聞いて、涙を流す純情で無邪気な娘に、暗い時代に絶望していた青年は、感動を覚え精神的にも救われた思いをする。その後も、彼は幾年かおきに秋津を訪れるが、年を追うごとに、堕落した俗悪な中年男に変貌していく。女も旅館の経営に行きづまり、時の流れを受け入れられずついには心中を図るが……。戦中戦後をくぐり抜けてきた男と女の情念を、美しい日本の四季を背景に描いた本作は、これまでの、松竹メロドラマの偶然のすれ違いによって結ばれないという定型を、思想的精神的なすれ違いに置き換えるという吉田の意図によって、戦後日本人の歩みをも表現。吉田と岡田はのちに結婚して、二人で数多くの作品を作ることになる。

  • 江分利満氏の優雅な生活

    制作年:

    原作は山口瞳の第48回直木賞受賞作。原作では主人公は電機メーカーに勤める宣伝部長だが、映画では洋酒メーカーの宣伝部員(山口瞳が当時サントリー宣伝部に勤めていた)に置き換え、主人公が直木賞を受賞するまでを描いている。それまで男性アクションで定評があった岡本喜八が、この1作で戦中派の屈折した心理を見事に捉え、本格的に評価された。ストーリーは、洋酒メーカーの宣伝部員というしがないサラリーマンの“才能のないだらしない奴が一生懸命生きること”の大変さを、自分史や戦後史と重ね合わせながら描く。岡本の演出は、主人公と妻との若い頃のロマンスを、「残菊物語」にたとえて、下駄と靴だけの合成アニメーションで描いたり、父親の事業の盛衰を書き割りのセットやアニメーションで描いたりと自由奔放をきわめる。また主人公の背後にいる同僚をストップモーションにして、カメラの背後でもう一人の自分が画面内の自分が置かれた立場を分析してみせるシーンなど、ナレーションの使い方も秀逸。

  • 大番 完結篇

    制作年:

    大ヒット・シリーズも、ついに最終編。1949年に東京証券取引所が再開。故郷に帰っていたギューちゃんは、再びひと旗あげようと株に手を出した。結果は大成功。朝鮮戦争の特需景気もあって、ギューちゃんは大金持ちになる。その勢いで、可奈子未亡人に求婚するが、彼女は結核に倒れた……。原節子が薄幸のマドンナを好演。

  • 用心棒

    制作年:

    「悪い奴ほどよく眠る」に次いで作られた黒澤プロ作品第2作。“のびのびと楽しんで撮った”と黒澤明本人が言う通りの痛快娯楽時代劇となった。二人の親分が縄張り争いをしているために、ゴースト・タウンのようになってしまった宿場町。そこへ得体の知れない浪人者・桑畑三十郎がふらりとやって来て、用心棒として高く買ってくれる方につくという。やがて巧みな策略で双方を戦わせ、いざという時には自らの刀を抜いて、町の大掃除に成功すると、彼はいずこへとも知らず去っていく。殺陣シーンのすさまじさとともに、ユーモラスなタッチも忘れがたい。登場人物の中では、ピストルを持ちマフラーを首に巻いた、キザでニヒルな殺し屋を演じた仲代達矢の存在感が光る。主演の三船敏郎は、第22回ヴェネチア映画祭で見事男優賞に輝いた。およそ時代劇とは思えないような快活な佐藤勝の音楽も出色。1964年にはイタリアのセルジオ・レオーネ監督が本作を翻案して「荒野の用心棒」を作り、これも大ヒットとなった。また、ハリウッドでも1996年に、ブルース・ウィリス主演「ラストマン・スタンディング」の名でリメイクされた。

  • 続大番 風雲篇

    制作年:

    前作で大もうけした金も株の大変動で一文なしとなり、丑之助は故郷に帰る。故郷で平和な日々を過ごしていると、兜町に帰ってこいという連絡がくる。そして好景気に乗って株で大もうけするのだが、折からの日華事変で大暴落し再びスッテンテンになってしまう。加東のギューちゃんも2作目とあってのびのびと演じきっている。

  • 激流〈1944年〉

    制作年:

    五所平之助、渋谷実の助監督を務めていた家城巳代治の監督デビュー作。本作は当初、渋谷監督の手で映画化される予定だったが、彼が応召されたため、家城が代わりに演出を担当した。戦時下、当局から各映画会社に割り当てられた生産増強をテーマとする国策映画の1本で、本作は石炭産業を扱ったもの。鉱山会社の男性社員とその同僚の娘との恋を主調音に、採掘法や事故などの問題を描いていく。

  • 青年の椅子

    制作年:

    源氏鶏太原作による石原裕次郎主演のサラリーマンもの。日東電機の高坂虎彦は、湯浅営業部長を失脚させて社を食いものにしようとする陰謀があることを知る。高坂と取引先の畑田商会社長は湯浅を守ることを誓い合う。一方、取り引き先の社長令嬢、美沙子とタイピストの十三子は互いに高坂に好意を寄せていた。

  • 乙女のゐる基地

    制作年:

    航空機の整備という難しい仕事を愛し、飛行機を愛し続ける女子挺身隊員の青春をさわやかに描いた戦意昂揚映画。戦場に行けない女性ら銃後はかくあるべきとでもいった、軍部のメッセージが濃厚な一編。まるで男を愛するよりも飛行機を、ひいては国をこそ愛せといわんばかりであるが、ただし現代とはあまりにも隔絶した、当時の慎ましやかな乙女たちの青春像をかいまみる気持ちよさもある。

  • 喧嘩太郎

    制作年:

    源氏鶏太の原作を得て石原裕次郎が主演した、「天下を取る」に続く“サラリーマン”もの。大百商事なる商社に入社した、“喧嘩太郎”の異名をとる暴れん坊の宇野太郎が、持ち前の正義感で会社の中に巣食う悪を暴く。本編を含む、裕次郎の初期の4本の“サラリーマン”ものは、いずれも娯楽作品として及第点。

  • 何処へ〈1966年〉

    制作年:

    石坂洋次郎の小説の2度目の映画化。明朗快活な学園青春映画。田舎の中学校に若くてスマートな英語教師・伊能琢磨が赴任。町の芸者や同僚の女性教師たちは目の色を変える。そんな中で校長派と反校長派の争いが始まる……。

  • 花咲く港

    制作年:

    南九州のある港町に、昔ある男が漂然とやって来て造船所を造ろうとしたが失敗。しかしその男は豪胆な性格のため、人々から尊敬をもって迎えられる。ある日、男は突然南方へ旅立って行く。それから15年が過ぎ、その男の遺児と名乗る男が港町に出現。それに続いてまた一人、遺児と名乗る男がやって来る。二人の遺児は兄弟だった、と思いきやそれは真赤な嘘。彼らペテン師が純朴な村人たちの中で繰り広げる騒動を描いたユーモラスな作品。木下惠介の第1回監督作である。木下は最初松竹蒲田の現像部に入社、その後撮影部に転じ、入社3年目にして念願の演出部に移った。やがて書き続けた脚本が認められ監督に昇進した。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。

  • 武士道残酷物語

    制作年:

    自己を犠牲にしてまで主君に仕える日本人の被虐的精神構造を、江戸時代から現代までの7つのエピソードで描くオムニバス映画。第13回ベルリン映画祭で金熊賞を獲得した。物語は現代に生きるサラリーマン・飯倉が、ダムの入札をめぐって上役から競争会社の情報を盗むように言われ、スパイをしたその恋人が自殺未遂をするところから始まる。映画はそこから飯倉の先祖にさかのぼり、主君や国家のために犠牲になって死ぬ飯倉家七代の残酷な歴史を綴っていく。藩主の落度を被っての切腹に始まり、殉死、不義密通の濡れ衣で男根を切られたり、老中に娘を献上したり、戦争で死んだりと、異様なエピソードの数々に日本人の原形が重ね合わされる。

  • 浮草日記

    制作年:

    悪興行師にあって貧乏のどん底に落ちた旅回りの市川馬五郎一座。解散の一歩手前、炭鉱町に乗り込んで座員の必死の呼び込みが功を奏し、小屋は久々に満員となる。しかし炭鉱町はストに入り、興行師はドサクサに紛れて売上金を持ち逃げ、一座は組合と対立することになるが……。底辺に生きる人々を描くのがお得意の山本監督の野心作。

  • 制作年:

    名匠・今井正監督が手掛けた初めてのカラー作品。霞ヶ浦の農村を舞台に、地方の因襲や生活状況を描く。農家の母を演じる望月優子の体当たりの演技が評判をとり“日本のお母さん”女優と呼ばれるようになった。中尾カメラマンが捉えた田園風景が美しい。

  • 月の出の決闘〈1947年〉

    制作年:

    凄腕の用心棒として名高い天堂小彌太が、親分である銚子の次郎吉の賭場を取り返す。そのころ、学者の大原幽学は私塾で農民たちに教育を施し、賭場の撲滅に取り組んでいた。小彌太はやくざ渡世に邪魔な幽学に斬りつけるが、逆に幽学の優れた人格を思い知らされることに……。「狐の呉れた赤ん坊」の名監督・丸根賛太郎が阪妻を主演に撮り上げた秀作時代劇。DVDは「阪東妻三郎傑作選 DVD-BOX」に収録。

  • 珍品堂主人

    制作年:

    文芸作品の映画化に多大な才を発揮した豊田四郎が、井伏鱒二の同名原作に材を得て取り組んだ喜劇映画。鑑定にかけてはプロ顔負けの実力を持ち、人々から“珍品堂”とまで呼ばれている加納夏麿が、料理屋経営に乗り出し成功してから、周りの人間の様々な計略に引っかかり料理屋を追い出されるまでを描く。脚本は「女の四季」「或る女」で豊田と組んだ名コンビ、八住利雄。

  • キューポラのある街

    制作年:

    「青春の門」「青春の門・自立篇」「夢千代日記」などで知られる浦山桐郎の監督デビュー作。舞台は鋳物の町・埼玉県川口市。そこに住む職人かたぎのガンコな父を持つ、ジュン、タカユキの姉弟が、貧しいながらもけなげに生きていく様子を描いている。これにタカユキの友人・サンキチの複雑な家庭環境、ジュンの進学問題、鋳物工場の組合問題と、当時の世相を反映した社会状況が織り込まれているが、これを浦山は大上段にではなく、あくまで日常的に捉え、さわやかな感動を呼ぶ。当時18歳の吉永小百合は、本編で史上最年少のブルー・リボン賞主演女優賞の受賞者となり、女優として開眼。アイドル・スターの筆頭として黄金時代を築いていく。

  • 箱根山

    制作年:

    箱根の2軒の旅館、玉屋と若松屋は血縁同士なのに先祖代々犬猿の仲。互いに敵意をむき出しにして対抗意識に燃えていた。だが、若松屋の一人娘・明日子の家庭教師を、玉屋の後継ぎ・乙夫がすることになった。やがて、二人の間には恋が芽ばえて……。川島雄三監督の文芸ドラマ。

  • 酔いどれ博士

    制作年:

    傷害事件を起こしたために外科医の免許を剥奪された医師が、スラム街のドヤに住みついて無免許のまま医院を開業。底辺に生きる人々の外傷から心の傷までも治していく。勝新太郎が柄に合ったアナーキーな男を好演。無免許が警官にばれかけた主人公が、社会の不正に怒りをぶつけるシーンは圧巻だ。

  • 若い川の流れ

    制作年:

    興行的にも批評的にも大成功した前作「陽のあたる坂道」に続いて、田坂が再び石坂洋次郎原作に取り組んだ作品。脚色も前作に引き続き池田一朗が担当している。石原裕次郎演じる豪快な青年社員をめぐって展開される二人の女性の恋のさやあて合戦が明るいタッチで描かれていく。田坂にとっては日活最後の作品となった。

  • 社長えんま帖

    制作年:

    マルボー化粧品社長の大高長太郎は個性的な部下たちの掌握に苦労している。親会社の大社長の古稀祝賀会に出席、“攻撃は最大の防御なり“と叩き込まれたが、一方で浮気の虫もムズムズしてきて……。

  • ハラスのいた日々

    制作年:

    深い愛情で結ばれることになる人間と犬の交流を長きにわたって描き出したハートウォーミングな物語。初めはうとましく思っていた1匹の犬・ハラスが、子供のいない夫婦にとってかけがえのない存在になっていく過程が綴られている。原作は、新田次郎文学賞を受賞した同名のノンフィクション。

  • 懐しのブルース

    制作年:

    “古い日記の頁には、涙のあともそのままに――“主題歌『懐しのブルース』のメロディーに乗って物語は展開する。没落華族の娘が、病気の妹や生活のためにキャバレーの歌手となり、ある男と恋愛、ドライブに食事にと楽しい時を過ごす。しかし彼には療養中の妻がいることが判る。“帰らぬ夢の懐しさ“と思い出を胸に秘め、涙をこらえ歌うのであった。主題歌『懐しのブルース』『燃える瞳』は発売と同時に大ヒット。

  • 北国の旅情

    制作年:

    北国の駅に降りたった上村は、そのまま大学のクラスメイトの由子の実家を訪れた。由子は冬休みで帰省中に婚約したばかりであり、周囲の者はせっかくの良縁が駄目になるのではないかと心配する。男と女の友情と愛をさわやかに描く、西河克己監督お得意の青春映画。原作は石坂洋次郎。倉本聰が脚色に参加している。

  • 黒いダイスが俺を呼ぶ

    制作年:

    兄と恋人を賭博がもとで失った氷室浩次は、もう2度とダイスは握るまいと決心するが、ぶらりと立ち寄った街で、暴力団にイカサマバクチで金をむしりとられる市民を目にする。自らの誓いに悩みながら、見かねた氷室はついに立ち上がるのだった。

  • 古都

    制作年:

    川端康成の同名小説を映画化。京都の呉服屋の娘・千恵子と早苗という離ればなれになっていた双子の姉妹が再会し、一人の男性を巡って愛の波紋が広がっていく。二役を演じた岩下志麻の好演と、成島東一郎の見事な色彩映像が映える、叙情的な恋愛映画。

  • ここから始まる

    制作年:

    クレージー・キャッツものを多く手掛けた坪島監督のホームドラマ。小学校の教師・都は四人姉妹の末娘。母親は“結婚こそ女の幸せ“と彼女をせかすが、“結婚なんて人生の墓場“と都は取り合わない。失敗例は姉たちを通してイヤというほど見ているからだ。そこで母親はカンフル剤に、老紳士との再婚を宣言するが……。

  • 浅間の鴉

    制作年:

    長谷川伸の名作『沓掛時次郎』を映画化。人情時代劇の隠れた名作。一宿一飯の恩義から旅鴉の沓掛時次郎は、六ツ田の三造を斬ってしまう。虫の息の三造から、女房のおきぬと子供の太郎吉の行末を頼まれた時次郎は、それを受けた。彼は、ヤクザな稼業から足を洗って、おきぬと太郎吉のために生きようとするのだが……。

  • 葵の暴れん坊

    制作年:

    農民に肩入れする地回りの親分が、縄張り争いのため宿敵・助五郎に殺された。跡目を継いだ笹川の繁蔵は、遺言を守って子分をいさめていたが、出世欲に取りつかれた代官に取り入り、農民を苦しめる助五郎に堪忍袋の緒を切らし……。大川橋蔵の侠客もので、無頼の剣豪・平手造酒に扮した内田良平が好演。

  • 熱泥地

    制作年:

    100万円強盗犯の栗田は、金で契約した酒場の女・カツミと北海道行きの船に乗り込んだ。二人は北海道の山中で暮らし始めるが、船からついてきた怪しい男・千葉がそこに居ついてしまい、彼と栗田は金をめぐって毎日ケンカを繰り返す。カツミはそんな生活にイヤ気がさし、逃げるチャンスをうかがう……。市川崑得意のタイトにまとめた風俗喜劇。藤田進のとぼけた味がいい。

  • 中山安兵衛

    制作年:

    おなじみ中山安兵衛に嵐寛寿郎が扮した一編。とはいえ単なる活劇ではなく、人間、安兵衛の苦悩を描いている。菅野六郎左衛門と伯父甥の契りを結んだ安兵衛は、彼が高田馬場で決闘するのを知って駆けつけ相手を倒すが伯父は絶命する。英雄扱いされる安兵衛だったが、激しい無情感が彼を襲う。

  • ど根性物語 図太い奴

    制作年:

    腕っぷしはめっぽう強くて図太いところがあるが、純情いちずの辰。大正末期を舞台に、彼が意地と根性で世間を渡っていく様を描く。趣としては、同じ勝新太郎主演のヒット・シリーズ「悪名」の大正版といったところ。勝の豪快な演技が見もの。

  • ほらふき丹次

    制作年:

    主演の藤田進が自ら映画化権を手に入れた、念願の企画の映画化。皆からホラ吹きと馬鹿にされる丹次が、ふとしたことから強盗を捕え、被害者の娘を引き取る。二人の間に親子を越えた感情が芽ばえるが、娘は犯され、あげくに自殺。丹次は仇を討ち、警官に射殺される。中川信夫の演出が冴えた佳編。

  • 八月生れの女

    制作年:

  • エデンの海〈1963年〉

    制作年:

    瀬戸内海に臨む女子高に、東京から青年教師・南条がやって来た。彼の明るい人柄はたちまち生徒たちの人気を集めるが、勝気な少女・巴だけは彼に反抗的。しかし、いつしか二人の間には、師弟愛以上の想いが芽ばえていく。西河克己監督は、後年、山口百恵の主演で同作をリメイクしている。

  • 燃えろ!太陽

    制作年:

    暴力行為、教師への侮辱、カンニングなど劣等生番付けで断然トップの生徒が、サッカー部を率いる英語教師の熱心な人生指導によって立ち直り、サッカー部の主将として活躍していくまでを描いた青春もの。「でっかい太陽」の続編となる青春スポ根ドラマ。

  • ほらふき丹次

    制作年:

    主演の藤田進が自ら映画化権を手に入れた、念願の企画の映画化。皆からホラ吹きと馬鹿にされる丹次が、ふとしたことから強盗を捕え、被害者の娘を引き取る。二人の間に親子を越えた感情が芽ばえるが、娘は犯され、あげくに自殺。丹次は仇を討ち、警官に射殺される。中川信夫の演出が冴えた佳編。

  • 若親分千両肌

    制作年:

    “若親分“シリーズの最終作で、第1作の池広一夫監督が演出を担当した。南条武は、栄吉という男に間違われて何者かに襲われた。栄吉は宇島の青柳組親分の行方不明の息子であったが、その青柳組が建設中の海軍秘密工場が爆破され、秘密兵器の設計図が盗まれてしまう。その容疑は武に……。

  • 本能

    制作年:

    日本映画には数少ない本格的艶笑喜劇。しかもその破格の1本と言い得るほどの見事な出来栄えを示している。観世栄夫の不能ぶりも、「道」のジェルソミーナのように神々しい乙羽信子もいい。大人の童話とも言うべき心優しい作品。

  • 日本一の男の中の男

    制作年:

    有能なセールスマン・小野子等は、会社の会長をどなりつけて子会社に左遷される。しかし、ここでも奇抜なアイデアで手腕をふるう小野子と会長の孫娘の間にいつしかロマンスが……。それまでのマドンナ・浜美枝に代わり浅丘ルリ子が共演した痛快な一編である。

  • 新・忍びの者

    制作年:

    秀吉暗殺に失敗し、三条河原で釜煎りにされた石川五右衛門は、実は徳川方の服部半蔵の手によりひそかに助け出されていた。天下を狙う家康は、妻子を秀吉に殺された私憤を持つ五右衛門の力が必要だったのだ。淀君に若尾文子、秀吉には東野英治郎と豪華な配役。

  • 続・サラリーマン忠臣蔵

    制作年:

    「サラリーマン忠臣蔵」の後編。丸菱銀行頭取・吉良剛之介へのうらみを胸に、大石良雄らは“大石商事“を設立。苦しい財政のなか、妻を実家へ帰してしまうなど、道は険しい。12月14日、吉良との決戦の株主総会がやってきた。

  • でっかい太陽

    制作年:

    利根川を挟んで長年対立し、何かにつけて喧嘩を繰り返している北高と南高。南高に赴任したばかりの英語教師・由木真介は、河原で喧嘩している両校の生徒を発見、劣勢にあった北高の生徒の方に味方してしまう。怒った南高の校長は彼の採用を取り消すが……。TVの青春ドラマから飛び出したキャラクターの先生が活躍する学園もの。

  • 男の紋章・風雲双ツ竜

    制作年:

    竜次は父の仇を殺したあと、自責の念にかられて寺にこもるが、母の率いる村田組の危機を知り寺を出て悪玉を倒す。4年ぶりにメスを持った竜次は射たれて傷ついた母の手術を行う。この作品によって主人公と母との確執は決着を見る。

  • ホラ吹き太閤記

    制作年:

    戦国時代を無責任時代と見たて、木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)をホラ吹き無責任男に設定した時代劇コメディ。主演は当然、植木等。“ブワッーと行こうぜ、ブワッーと“というかけ声とともに、あれよあれよと昇進していく藤吉郎が痛快。

  • 続・社長えんま帖

    制作年:

    マルボー化粧品社長の大高長太郎は、ライバル・椿堂に水をあけ、海外市場にも手を拡げる勢い。そんな時、長太郎に親会社の社長就任の命令が下った。社内では未曾有の大人事異動で大わらわ。後任は西条企画宣伝部長を任命した。

  • 歓呼の町

    制作年:

    1943年「花咲く港」でデビューした木下惠介監督の第3作。戦時下、人々が一人、また一人と疎開して消えてしまった町で、家を出たままの夫を待ち続ける母・きよとその息子・慎吾を中心に、なおも町に残ろうとする数少ない家族たちの人生模様を描いていく。ある日きよの夫が戻ってきて、一家に再び幸せが訪れたかに見えたが……。現存フィルムは冒頭が欠けている。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。

  • 続・忍びの者

    制作年:

    織田信長の伊賀攻めによって伊賀の砦はつぶされ、その後も執拗な忍者狩りが続いていた。信長必殺を誓う石川五右衛門は、徳川方からの情報により本能寺で念願を果たすが、今度は秀吉に命を狙われる。権力者の覇権の道具でしかない忍者の悲劇が痛烈に描かれた力作。

  • 投資令嬢

    制作年:

    “株の権威“を自認する女子大生の恋を描く明朗青春コメディ。株投資のために、山小屋で即席ラーメンを売って大もうけしたチズ子と仲間たち。ところが客を奪われた山のパン屋はカンカン。危ないところを助けてくれた青年にチズ子はすっかり熱を上げるが、彼が何と親友と見合いすることを知り……。

  • サラリーマン忠臣蔵

    制作年:

    ネーミングは違うが、これも“社長“シリーズの変則版と考えられる。丸菱コンツェルンがアメリカ経済使節団を招待し、その接待をめぐってコンツェルン内部で赤穂産業社長・浅野貞巳と丸菱銀行頭取・吉良剛之介が対立。浅野が謹慎処分となり、自動車事故で急死。怒った彼の部下たちは吉良に造反して新会社を設立する。元祿忠臣蔵のシチュエーションをそのままサラリーマン社会にあてはめたコメディ。

  • 女優〈1956年〉

    制作年:

    新派の女優として人気を博し、映画でも溝口の名作「残菊物語」などに出演した森赫子。彼女が、自らの半生を赤裸々に描いた自叙伝『女優』を新藤兼人が映画化。新藤作品で様々な女性像を演じ続けてきた乙羽信子が、自分の信念を貫くために、あらゆる困難に勇敢にも立ち向かっていく強い女を熱演している。

  • 武器なき斗い

    制作年:

    貧乏人の子だくさんで苦しむ労働者に、性教育、産児制限法を講じ、やがて大学教授から衆議院議員に当選した山本宣治の半生を描いた社会派ドラマ。1960年、安保で揺れる日本で革命志向の映画としてもてはやされた。右翼の凶刃に倒れた主人公の凄絶な半生が見もの。

  • 復讐の歌が聞える

    制作年:

    石原慎太郎の原作を、貞永方久と山根成之が助監督籍のまま共同監督した異色アクション。城所の悪どい手口に竹中は会社と恋人を奪われ、そのために父と兄は自殺する。竹中は城所を殺そうとして失敗。10年後出所した彼は再び復讐を開始する……。この作品でデビューした原田芳雄が熱演。

  • 江戸っ子奉行 天下を斬る男

    制作年:

    武家生活を嫌って家を飛び出し、貧乏長屋の住人となった南町奉行所の大岡忠相。長屋では“忠さん“の愛称で親しまれ、彼は隣に住むお栄という娘に惹かれる。そんな折、父が遺言状を残して死に、忠相は遺言状に従って再び武士の生活に戻る。それからひと月。とある豪商が殺された事件で、意外にもお栄が自首してくる。人情時代劇のエンターテインメント。

  • 鉄火場の風

    制作年:

    「清水の暴れん坊」に続く石原裕次郎と赤木圭一郎の顔合わせによるアクション・ドラマ。ヤクザ・畑中英次は、敵対する組の代貸・高木に組長殺しの罪を着せられ服役するが、出所後、単身高木の賭場に乗り込み、親分衆の前でイカサマを暴く。すっかり男を下げた高木は、野球場襲撃を企てるが……。前半の単調な展開に比べて、後半のフィルム・ノワール調の野球場襲撃シーンは緊迫感が盛り上がる。このあたりは熊井啓の緻密なシナリオの功績である。「清水の暴れん坊」では裕次郎の前で、まだチンピラ然としていた赤木圭一郎だが、今回は裕次郎と堂々と渡り合えるだけのスター性を感じさせた。

  • あやに愛しき

    制作年:

    長年の貧困と過労に神経をむしばまれた妻が入院、病状は思わしくなく、ついには狂乱状態に陥る。しかし私小説作家の夫は、どんなに苦しくとも、どんなにつらくとも文学は止められぬと、妻の狂人ぶりを小説に発表しようとする。劇団民芸を主宰していた寺尾聰の亡き父・宇野重吉の第1回監督作。

  • 昭和ひとけた社長対ふたけた社員 /月月火水木金金

    制作年:

    シリーズ最終作。洋々産業社長・奈良田真介は新製品ベッドの開発にはりきっている。やがて精密スプリングと西陣の高級生地をいかした豪華なベッドができ上がる。一方、死に別れた妻にそっくりなクラブのママも登場して、社長の心は乱れるのであった。

  • 朱雀門

    制作年:

    公武合体を策す幕府により、貴公子、有栖川宮との結婚を控えながら将軍家茂への降嫁を余儀なくされた皇女、和ノ宮。和ノ宮と18歳の春まで起居をともにし、その気持ちがよく分かる侍女の夕秀だが、しかし有栖川宮に人知れず想いを寄せてしまう。有栖川宮もまた、夕秀の情熱と魅力の虜になる。悲恋メロドラマ。

  • 青春無銭旅行

    制作年:

    1950年、成瀬巳喜男監督によってシリーズ第1作が撮られた、石坂洋次郎原作『石中先生行状記』ものの第4作。東北の田舎町に住む石中先生が来訪した二人の女学生の求めに応じて、中学生時代にした無銭旅行の話をするところから映画は始まる。以後は、中学時代の石中君とその友人によるふんだりけったりの旅行記。石中先生役は第1作以来の宮田重雄、その中学時代の友人の役は和田孝。中川信夫の数少ない現代劇の一つ。

  • 勲章

    制作年:

    元陸軍中将・岡部は再軍備促進団体“あけぼの会“の会長にされるが、やがて彼は昔の暴君ぶりを発揮し始める。岡部の息子は父の勲章を愛人に与え、愛人はその勲章を犬にぶら下げた。岡部の家庭は崩壊し、“あけぼの会“の運動も失敗する。岡部は勲章を嘲ける息子を殺し、自らも死地を求め歩き出す。渋谷実の問題作。

  • 英霊たちの応援歌・最後の早慶戦

    制作年:

    戦時中、学徒出陣のため解散した六大学野球の最後の早慶戦を前半に配し、そのメンバーらが出陣してからの様々なドラマを後半に追うという構成。重くなりがちな題材だが、岡本喜八は随所にユーモアを配しテンポのよい作品に仕上げた。

  • 闇の狩人

    制作年:

    金権汚職の田沼意次の時代を背景に、勢力の拡大を図る殺しの組織を率いる五名の清右衛門と、それにかかわる人々との愛憎劇、人間模様を現代的なドラマの感覚で描いた時代劇映画の佳作。殺陣に次ぐ殺陣の激烈なチャンバラ・シーンと、舞台美術が見もの。

  • 白鷺

    制作年:

    「湯島の白梅」同様、泉鏡花原作の悲恋物語を衣笠貞之助が監督した作品。明治の末の浜町河岸を舞台に、料亭“辰巳屋“の一人娘・お篠を主人公として、白鷺のようにはかなく、白鷺のようにしとやかな一人の女性の悲しい恋を描く。

  • 水戸黄門〈1978年〉

    制作年:

    常陸の国の西山荘で、悠々自適の生活を送る水戸黄門。そこに加賀百万石、前田家城代家老・奥村作左衛門の息女・由美が現れ、加賀百万石が次席家老・村井主水らに乗っ取られそうとの知らせを聞く。敵の目をくらますため途中で出会った“ニセ黄門一家“と入れかわって加賀へ赴く黄門一行だが……。TVシリーズとは違い、コメディ・スパイスをふりかけた。ビデオタイトルは「東野英治郎の水戸黄門」。

  • 美わしき歳月

    制作年:

    前年の「この広い空のどこかに」と同じ監督・脚本・主演カルテットによる青春ロマン。祖母とともに花屋を営む娘と、彼女の死んだ兄の友人たちが織りなす恋と友情の物語が展開していく。

  • 日本誕生

    制作年:

    東宝が1000本製作記念映画として、稲垣浩監督、円谷英二特技監督、三船敏郎以下オールスター・キャストによって、日本の古来の神話を映画化した超大作。イザナギ・イザナミの国造りにはじまる神々の物語の中から、オトタチバナヒメとの悲恋に彩られた、ヤマトタケルノミコトの波乱の一生を中心に、高天が原の神々の饗宴、ヤマタノオロチ退治などが描かれ、クライマックスに天変地異の大スペクタクルが展開する。有名なエピソードが次々に登場するが、構成が単調でエピソード間の相乗効果を生まず、散漫な印象が残るのは否めない。しかし、円谷英二の集大成ともいうべき特撮の数々は見ごたえ十分。

  • ああ青春の胸の血は

    制作年:

    東都大学のボート部員である清水邦夫は、練習の帰り道、何者かに追われている少女を助けた。少女の名は友子。邦夫は友子を愛するようになるが、彼女は自分の過去を語ろうとはしない。彼女は感化院上がりだった……。同名の歌謡曲をモチーフにした青春歌謡ドラマ。

  • 赤い荒野

    制作年:

    中国地方の高原地帯が舞台。牧場主の留守中に、その妻が女手一つで切り回す牧場を悪玉一味が乗っ取ろうとするが、牧場主の親友である宍戸錠が現れて危機を救う。アメリカの雑誌にも紹介されて話題になった宍戸錠主演による一連の和製ウエスタンの一編。

  • 銭形平次捕物控 人肌蜘蛛

    制作年:

    3年前、材木買い占めの罪を上総屋と尾張藩にきせられた新吉が流刑地から脱走した。一方、新吉の弟・新次郎が兄を捜しに江戸へ出てきたが、彼は上総屋の娘と恋に落ちる。その時から謎の連続殺人事件が始まったのだが……。

  • 墨東綺譚〈1960年〉

    制作年:

    永井荷風の没後一周年を記念して製作された、同名小説の映画化。監督は文芸作品の映画化で名高い豊田四郎で、ナレーションによって原作の文体を尊重しながら、玉の井に生きる娼婦の生態や街の風俗を緻密に描写している。娼婦役の山本富士子が夢幻的な美しさをたたえて絶品。

  • 風雲千両船

    制作年:

    東宝創立20周年記念映画。稲垣浩とのコンビが多い大谷友右衛門が、幕末の砲撃手という、異色の役柄を演じる。かつて幕府の砲手として一目置かれた黛三五郎は、持ち前の豪胆さが災いして、落ちぶれて長崎で花火師になる。ある日、ケンカで傷を受けた黛は、ギヤマン亭のマダム・鈴江に助けられた。薩長も幕府も、鈴江の手の内にある外国船を狙っていて、黛はその争奪戦に巻き込まれる。

  • 吸血蛾

    制作年:

    横溝正史の同名怪奇推理小説を中川信夫監督が映画化し、池部良が名探偵・金田一耕助に扮した。一流ファッション・デザイナー浅芽文代のもとに、狼男から歯型のついたリンゴの入った箱が届けられ、モデルたちが次々と殺されていく……。

  • 社長学ABC

    制作年:

    大日食品社長の網野参太郎は親会社の大社長に就任することになり、彼の後任に専務の丹波を選んだ。ところが株主総会で前・大社長の留任が決定、参太郎は大日食品会長となった。会長と社長、ボスが二人になって社員たちは落ちつかない……。

  • 座頭市鉄火旅

    制作年:

    例によって座頭市が、悪徳親分をこらしめるというストーリーだが、クライマックスの大殺陣で樽の中に入れられグルグル回された市が“盲にゃまわる眼がねェ!“と啖呵をきって、樽の中から樽ごと敵を斬り捨てるという趣向は面白い。

  • 銀座化粧

    制作年:

    井上友一郎の同名小説を映画評論家の岸松雄が脚色、成瀬巳喜男が監督した女性映画。昔の情人との間にできた息子とともにひっそりと暮らす、しがない銀座のホステスの姿を名女優・田中絹代主演で描く。銀座の裏町の風俗描写や人間関係の処理に成瀬の手腕が冴え、これを機に、成瀬は長いスランプ状態を脱した。ちなみに、助監督に石井輝男がついている。

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