松村北斗、実写『秒速5センチメートル』で気づいた“貴樹”の苦悩 自分に重ねた視聴者目線から一変、今の思いとは

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新海誠監督による2007年公開の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』がSixTONESの松村北斗主演で実写映画化。物語の始まりは1991年、春の東京。小学校で出会った遠野貴樹と篠原明里は、互いの孤独に手を差し伸べるように心を通わせるが、卒業と同時に明里は引っ越してしまう。そこから時は流れ、貴樹は30歳を前に、自分の一部が遠い時間に取り残されたままであることに気づく――。今回クランクイン!は、貴樹を演じる松村にインタビュー。もともと好きだったという『秒速5センチメートル』への愛や演技へのモチベーションについて話を聞いた。
【写真】爽やかな笑顔がまぶしい! 松村北斗の撮りおろしカット(全3枚)
■うまく言語化できない「好き」が詰まった作品
――もともとアニメ『秒速5センチメートル』を何度も繰り返し見ていたそうですね。最初に見た時の印象を覚えていますか?
松村:自分の中で、うまく言語化できないけど無性に好きなジャンルの作品ってあるじゃないですか。そういうものだった印象が強く残っています。それから、あまり多くのアニメーション作品を見ていなかったこともあって「アニメーションでこんなに好きになれる作品があるのか」という驚きと「アニメーションだからこそ、この感覚になれたんだな」と思いました。
――松村さんは作品を何度も見返すタイプなのでしょうか?
松村:好きなものは時々見たりしますね。明確に好きだと分かっているものを見て、心のストレッチをするというか。心が動きづらくなった時に見ることが多いです。
『秒速5センチメートル』メインビジュアル (C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会
――見返す度に、何か新たな発見や変化していったことはありましたか?
松村:どうしても好きなところを再確認するような見方になってしまいますね。ただ、今回の実写の初号を見させていただいた時に、僕の中でこの作品に対する見方が変わったことは実感しました。僕は今年30歳になったのですが、20代と30代ではやっぱり圧倒的な違いを感じて、貴樹が30歳になったエンディング辺りを見て感じたものが明確に違ったんですよね。(自分に)よりリンクしていったというか、映画を見ながら自分のことを考えてしまっているような。自分のことを思っているのか、映画を思っているのか、よく分からなくなってしまうような感覚が強かったです。