出口夏希×蒔田彩珠、3度目の共演で深まった絆 互いに下の名前で呼び合う関係に
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是枝裕和が監督・脚本・編集を務め、藤本タツキの人気マンガを実写映画化した『ルックバック』が現在公開中。藤野役の出口夏希と京本役の蒔田彩珠は、本作で3度目の共演となり、お互いを下の名前で呼び合うほど親しい間柄だ。そんな二人は、是枝監督がつむぐ、美しい日常と残酷な運命が隣り合わせにある世界にどう息づいたのか。起用の喜びや撮影時の思い出について話を聞いた。
【写真】出口夏希&蒔田彩珠 撮り下ろしソロショット
■大変なシーンもあったが「アットホーム」な撮影裏
『舞妓さんちのまかないさん』『わたしの一番最悪なともだち』で共演し、本作で3度目の共演を果たした二人。出会った頃は「さん付け」だった二人は今や「夏希」「彩珠」とお互いを下の名前で呼び、、インタビュー中も藤野と京本を彷彿(ほうふつ)とさせる固い絆をのぞかせる。
「撮影現場では役名で呼び合うことが多いのですが、今回はプライベートを一緒に過ごすことが多かったので自然と距離が縮まりました」と出口。お互い「ちゃん付け」が苦手で、下の名前で呼び合うようになったというが、「彩珠、最初は照れくさそうだったよね?」と笑う出口に、「うん。最初はちょっと頑張りました(笑)」と蒔田も恥ずかしそうにはにかむ。
秋田県にかほ市を中心に四季を通して撮影が行われた本作。青々とした田んぼ道や、ザクザクと歩くたびに音を立てる雪道など、是枝監督が切り取る四季折々の風景は、実写ならではの息遣いとともに見る者の心を引きつける。
中でも大変だったというのが雪のシーン。「ひざが埋まるくらいの雪の深さだったんです」という蒔田に続けて、出口も「歩くたびに息が切れちゃって、転びそうになって、手を取り合いながら撮影しました」と振り返る。セリフがなく、一言一言がアドリブの場面もあったそうだが、そんな中で是枝監督が大切にしたのは「息遣い」だったという。
ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(2012)で10歳の時に是枝監督にオーディションで選ばれて以来、何度も是枝監督と作品づくりを共にしてきた蒔田。一方で出口は『舞妓さんちのまかないさん』以来、2度目の是枝組だ。
現場の雰囲気について二人が何度も口にしたのは「アットホーム」。自分の仕事をこなしながらも、コミュニケーションが取れるのが是枝組の現場で、みんなが笑顔を見せており、機嫌の悪い人が誰ひとりいないのだそう。それは『舞妓さんちのまかないさん』でもそうだったと二人は回顧する。
「眼差しが温かいんだよね(蒔田)」「分かる。遠くからモニターを見る監督の顔がちょっと笑ってるの(出口)」
二人から飛び出す是枝監督のエピソードはどれも温かく、その穏やかな現場の空気がありありと浮かび上がってくる。
和やかなエピソードが次々と飛び出した一方で、二人の作品への向き合い方は実にストイック。スクリーンにその情熱を宿らせるため、撮影の4ヵ月前から地道な準備を重ねていた。はじめはGペンを使う感覚を養っていたというが、絵はおろか、細い線を描くことすら苦戦していたそう。出口は人物画、蒔田は背景画とそれぞれの役柄に合わせた猛特訓が続く。
