『ガンニバル』“後藤恵介”笠松将の新カット到着「今まで演じてきた中でも特に難しかった」
関連 :
ディズニープラス「スター」にて12月28日より配信スタートした柳楽優弥主演のドラマ『ガンニバル』より、笠松将演じる村を支配する後藤家の次期当主・後藤恵介の新カットが解禁。笠松は役どころについて「恵介という役は今まで演じてきた中でも特に難しかった気がします」と明かした。
【写真】『ガンニバル』後藤家の次期当主・後藤恵介を演じた笠松将の新カット
本作は、2018年の連載開始以来、累計発行部数210万部を超える二宮正明による同名のサスペンス漫画を実写ドラマ化したサイコスリラー。監督を『岬の兄妹』の片山慎三、脚本を『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允が担当する。
本作の舞台となるのは、都会から遠く離れた供花村。美しい自然であふれ、世話好きの住民たちがいる平和でのどかな村だが、他の村人たちも関わりを控えるなど、異様な雰囲気を放っているのが村を支配する後藤家の一族だ。代々受け継がれてきた村のおきてを忠実に守り、後藤家のためなら何をするか分からない危うさを感じさせる。
その後藤家の中心的存在で圧倒的な存在感を見せるのが後藤恵介。主人公の警察官・阿川大悟(柳楽)の赴任早々、森で死んでいた後藤家の当主・後藤銀の孫である。
片山監督は、笠松自身が持つリーダーとしての存在感が撮影の助けになったと明かしているが、実際に演じた笠松は、後藤恵介という役をいったいどのような思いで演じていたのか。
笠松は「恵介という役は今まで演じてきた中でも特に難しかった気がします」と吐露。「感情的には理解できますし、物語の中心で葛藤する人間ですから僕もうまく表現したいんですが、僕の中では葛藤って伝えるものではないんですよ。好きな感情は伝えやすいですけど、葛藤は難しい。無理に伝えようとすると『かまってちゃん』みたいに見えてしまうし、そこは本当に難しかったです」と語る。
その恵介の葛藤については、「話が進むにつれ、後藤恵介の悩みが見えてくるんですね。その悩みはどんな人も持っているもの。誰が持っていてもおかしくない悩みを後藤恵介は抱えているんです」と話す。「阿川大悟から見たらおかしいものは、後藤家からすると日常に過ぎない。でも、その違いがあるがゆえにぶつかってしまう。とても難しい問題だと思います。文化も風習も(それぞれの地域に根ざしたもので)統一できるものじゃない。だから、ドラマを見ていただければ、大悟が決して正しいわけではないということも見えてくると思いますし、話が進むにつれて、どの人間の、どの行動が正義なのか、どんどんわからなくなってくると思います」と、善と悪に色分けできない人間の深遠な本質を突きつけるテーマについて語り、「演じる側としても難しい役でしたけど、その分、やりがいがありましたし、やらせていただいてすごくありがたかったです」とも明かしている。
さらに本作が持つテーマについて、「この作品って、正義も悪もその人の自己満足でしかないんじゃないかと思えるところがありますよね。笠松将が何をやっても好きな人は好きと言ってくれるでしょうし、その逆だってある。それも、一種の自己満じゃないですか。そこに、何が正しいのかという基準はない、といいますか。大悟と恵介の問題も同じだと思います。彼らの考え方、それぞれが抱えている文化に正義も悪もないんです」と語っている。
観る者の感性を試し、倫理観を覆すセンセーショナルな映像世界。人間の業を剥き出しにした登場人物たちが織りなす虚々実々の探り合い、怒濤のスリルみなぎる急展開の攻防から、きっとひとときも目が離せなくなるだろう。
日本発ディズニープラス「スター」オリジナルドラマシリーズ『ガンニバル』は、ディズニープラス「スター」にて独占配信中。