ジャン=リュック・ゴダールの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー映画、邦題決定&ポスター解禁
ジャン=リュック・ゴダールの謎に包まれた作家人生を紐解くドキュメンタリー映画『GODARD CINEMA(英題)』が、邦題を『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』として、9月22日より全国順次公開されることが決定。日本版ポスタービジュアルが解禁された。
【写真】ゴダールの素顔に迫る映画『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家』メインカット
2022年9月13日、スイスにて91年の生涯を閉じたジャン=リュック・ゴダール監督。1930年12月3日パリに生まれ、1950年代末から60年代のフランス映画界で革新的な映画運動「ヌーヴェル・ヴァーグ」を先導し、常に独自のスタイルを開拓・探究しながら最前線を駆け抜けたシネマの巨人にして鬼才だ。
自ら選択した安楽死だと伝えられた彼の衝撃の死から1年を経て日本公開される本作は、20世紀映画界の伝説であり永遠の反逆児ゴダールの人生をいま改めて振り返り、その伝説の陰に隠された1人の「人間」としての知られざる素顔に迫る最新ドキュメンタリーである。
「ヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手として、時代を熱狂させた“流行監督”としての1960年代、その華々しさに自ら背を向けるように突進していった68年の5月革命をターニングポイントとする政治の季節を経て、70年代の内省と再生。そしてキャリアの劇的な復活を遂げた80年代―。本作はゴダールの革新的な功績を整理し、網羅的に紹介する。容易に捉え難い映画作家の全貌を整理できるのと同時に、初めてゴダール作品に触れる映画ファンにもゴダール入門として最適だろう。
さらに家族や友人、元パートナーたち(アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、アンヌ=マリー・ミエヴィル)による証言をはじめ、女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイやハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家ティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューまで、膨大な素材が丁寧に織り込まれる。
『恋人のいる時間』のマーシャ・メリルは「彼は純粋な魂なの。肉体のない人間だと思う」、『彼女について私が知っている二、三の事柄』のマリナ・ヴラディは「私にとって彼は大切な友達で、ある意味兄妹でもあった」、『勝手に逃げろ/人生』『ゴダールの探偵』のナタリー・バイは「偉大な監督で気難しいと言われているけど、私にはとても優しかったし、彼との仕事はいつも幸せだった」とゴダール作品出演女優が彼の素顔を語る貴重なシーンも収録されている。
ゴダールがこの世を去る直前となる第79回(2022年)ヴェネツィア国際映画祭の「ヴェネツィア・クラシック・ドキュメンタリー部門」で上映された本作の監督・脚本・編集を務めたのは、ドキュメンタリーの編集を数多く手掛けてきたフランスの映画監督シリル・ルティ。
解禁された日本版ポスタービジュアルでは、生涯反逆児であり続けたゴダールを象徴する熱情の赤色に包まれたゴダールの姿に、10年以上の歳月を掛け完成させた映画史と歴史を介した壮大な自分史『ゴダールの映画史』より、「映画とは何か? 無だ 何が望みか? すべて 何が出来る? 何かが」というゴダール自身の言葉がキャッチコピーとして添えられている。
映画『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家』は、9月22日より全国順次公開。