SAG-AFTRAストライキ継続 スタジオと交渉決裂
先週から全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)と交渉を再開していた全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)。ストライキ終結に期待が寄せられていたが、この度交渉が決裂し、7月から始まったストライキはさらに長引くことがわかった。Peopleなど、米メディアが報じた。
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現地時間10月11日、SAG-AFTRAが声明を発表し「業界のCEOたちが、我々の要求を拒否し、交渉のテーブルから立ち去ったことを、深い失望とともに発表します」とコメント。「我々は誠意をもって交渉を行ってきましたが、先週彼らは、衝撃的なことにストライキ開始前よりも低い水準の提案をしてきました」と明らかにした。
一方のAMPTPは、「意義ある会話の結果、AMPTPとSAG-AFTRAの間には、あまりにも大きなギャップがあり、建設的な会話ができないということが判明しました」と発表。ここ35年で最も高い賃金アップと、AIとデジタルによるレプリカからの保護策を提示したとし、動画配信の収益分配に関しては、全米監督協会(DGA)と全米脚本家組合(WGA)が受け入れたものと同じ水準を提示したが、SAG-AFTRAは拒否したと説明。組合の要求を満たすには、年間8億ドル(1200億円)以上の費用がかかるため難しいと主張。「SAG-AFTRAは検討を重ね、建設的な交渉の場に早期に戻るよう願う」とした。
これに対しSAG-AFTRAは、AMPTPはメディアへの発表で故意に誤った数字を提示するなど、「ならず者の戦略」を取ったと非難。年間8億ドルという数字は、実際より60%も水増ししたものだと主張する。「我々組合員の団結をゆさぶり、交渉にプレッシャーをかけるために故意に誤った情報を流しました。これはWGAに対して行った戦略と全く同じです。ですが、我々の組合員たちも脚本家同様、賢く、このような戦略に騙されることはありません」と抗議している。
SAG-AFTRAは、AMPTPとの交渉が7月13日に決裂。翌7月14日午前0時からストライキを行っている。先にストライキに入っていたWGAが9月末にAMPTPとの間で交渉が成立していたことから、ストライキ終結に期待がかかっていたが、ハリウッドの正常化まではまだしばらく時間がかかりそうだ。